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【書籍化決定】転生したら魔法が使えない無能と捨てられたけど、魔力が規格外に万能でした  作者: 鳥助
第四章 ロズベルク公爵領

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135/143

135.決闘の詳細

 私たちは応接室に連れていかれた。ソファーに座り、一息着くと司祭は口を開く。


「決闘の事を知っているという事は、負けたらどうなるのかも知っているんですね」

「はい。決闘に勝った者がこの教会を治める事が出来ると聞きました」

「そうですか……。全てを知っていそうですね。これは隠し事が出来ません」


 そう言って、司祭は力なく笑った。


「そうです。今、この教会をかけてオルディア教とカリューネ教が決闘を始めようとしているところです。期日は明後日。その日に全てが決まると言ってもいいでしょう」

「明後日……早いですね」

「はい……。でも準備をする時間を頂いたので、我々の中から強い者を選びました」


 良かった、まだ期日まで時間があったみたいだ。これならば、私たちは力になれる。


「あなたたちはそれを心配して来てくださったのですか?」

「いいえ。私たちは力になりに来たのです」

「力?」

「私たちを決闘に出してください!」

「えっ、あなたたちを決闘に?」


 目的を伝えると、司祭はとても驚いた顔をした。そして、すぐに怒ったような表情をする。


「なりません! こんな幼子をどうして決闘に出さないといけないのでしょうか。あなたたちの身に何かがあれば、心配する人はいるでしょう」

「お気遣いありがとうございます。でも、大丈夫です。私たちはこう見えても強いですから」

「強いとかいう話じゃありません! もし、何かがあった場合、あなたたちの将来を潰してしまうことにもなりかねません。こんな、未来ある若者に我々の試練を与えるような真似はさせません!」


 司祭は頑なに私たちの協力を拒絶した。それもそうだ、十歳の女の子を決闘に出すなんて、危険すぎるからだ。それも、司祭という立場のある人がそれを許すはずもない。


「決闘は私たちの試練です。無関係なあなたたちを巻き込むわけにはいきません」

「……いえ、もう無関係ではいられないんですよ。この手紙を読んでください」

「これは……他領の子爵様からの手紙ですか?」


 頑なな司祭にダランシェ子爵からの手紙を渡した。司祭は不思議そうな顔をしながらも、その手紙を読み始める。


 すると、すぐに驚くような表情になり、食い入るように手紙を読み始めた。そして、その表情が怒りに変わる。


「こ、こんなことが……。疑う様で申し訳ないのですが、真実ですか?」

「もちろんです。嘘ではありません」

「……そうですか」


 はっきりと言うと、司祭はようやく状況を飲み込んだ。


「だから、私たちは無関係ではいられないんです。この町のことも救いたいと思います」

「その気持ち……とてもありがたいです。ですが、これは我々に与えられた試練だと思うんです」

「試練、ですか?」

「バルガル様はおっしゃってました。領民を守るためには、祈りでは不十分な出来事もあると。そのためにも、教会にはその危険から守る力があるほうがいいと」


 そういえば、バルガルは言っていた。教会にも力が必要だと。だけど、本来ならば役割分担がされているはずだ。その役割以上の事を求められるのは強引すぎる。


「バルガル様が求めているのは酷だと思うんです。だって、領民を守る役目はバルガル様のお仕事ではないのですか?」

「私たちも領民を守る力を行使している以上、バルガル様と同じような立場だとおっしゃっておられました。だから、教会にも領民の生活を脅かす者と戦わなければいけません」

「ですが……」

「それだけ、今の状況を憂いているのでしょう。魔物が増えて脅威が増している今、我々の考えも改めなければいけません」


 魔物が増えて、被害が多くなっているのが現状。その現状を変えたくて、バルドルは教会にも戦う力を求めたみたいだ。


「あなたたちの気持ちはありがたいです。ですが、これは我々の問題です。我々で解決しなければいけません」

「いえ、私たちの問題でもあります。協力させてください!」

「あなたたち……」


 私はめげずに司祭にお願いをした。その姿を見て、司祭の表情が緩む。


 だが、その時――。


「し、司祭様!」


 扉が急に開いて、神官が飛び出してきた。


「なんですか。今、接客中ですよ」

「し、失礼しました。で、ですが……それどころでは!」

「……何があったのですか? 落ち着いて、話をしてください」


 司祭が落ち着くように言うと、神官は深呼吸をして話始める。


「先ほど、カリューネ教の決闘者と名乗る者たちが現れて、我々の決闘者を出せと言ってきたのです。我々は拒否したのですが、相手の決闘者が煽ってきて、我々の決闘者が我慢できないと出て行ったのです」

「そんなことが……!? それで、どうなったんですか?」

「決闘者同士での乱闘が発生して、その……我々の決闘者が負けました」

「な、なんてこと!?」


 なんと、カリューネ教の決闘者が先に乗り込んで来たみたいだ。しかも、それだけでなく、先に決闘者を倒してしまった。


「これでそっちの負けは確定だな、って言って去って行きました」

「……なんてこと」


 神官の言葉に司祭は頭を抱えた。


「……信徒には見られましたか?」

「……はい。今、騒ぎになっています」

「……そうですか。ならば、私が説明に出ましょう。もう隠すことは出来なくなりました」


 そう言って、司祭は立ち上がり、申し訳なさそうな顔をして私たちを見た。


「申し訳ありません、用事が出来てしまいました。今日はお引き取り下さいませんか?」


 司祭は頭を下げると、慌ただしく部屋を出て行った。

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(ガタッ!! 卑劣な男か?もしそうなら我らの武具を渡さねば‼️ 神託と共に渡せるか? ???『何を渡すつもり?』 ゴリ「先ずはコレ、必中の性槍ゲイホルグ‼️」 ???『魔槍ではなく神器!?しかもあの有…
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