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こういうとき、どこに掛ければいいんだっけ。取り乱した頭では、通常ならわかるようなこともわかるまでに時間がかかる。そうだ、まず救急車を呼ばなくちゃ。青年が手遅れになってしまう。
震える指で1、1、9とボタンをプッシュする。
『火事ですか、救急ですか』
すぐに声が聞こえる。
「救急です。あの、山の神社で、あの、ピストルが、あ、あ」
体中が震えてうまく話せない。手に尋常ではない量の汗をかいていて、受話器が手の中で滑るのを感じる。
『山の神社で救急ですね』
「そ、そそうです」
「死ねえ!」
男の甲高く叫ぶ声がして、腹に衝撃を感じる。電話を取り落とし、アオネは膝から電話ボックス内に頽れた。意識が遠のいていく。水の中にいるみたいに、周りの音も景色もぼやけていく。
電話ボックスの少し汚れたガラス越しの花火を見たところで、アオネの意識はぷっつりと途切れた。
~ゲームオーバー~
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