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ゲームブック「夏」  作者: 岡倉桜紅
30/52

054

『玩具のピストル』を使用しました。Bの欄から削除してください。


「そっちがその気なら、私も容赦しませんよ。私も繰り返しに気づいている人間ですから」

 アオネはカバンに素早く手を入れ、玩具のピストルを構えた。

「くっ」

 男は想定外だったのか、少し狼狽えた反応をする。二人は銃を向け合ったままじりじりと睨み合った。

「オーケー、あんたもそれを持ってるとは思わなかった。お互いそいつをしまって穏便に話しをしようぜ」

 男はピストルを少し離れた茂みに投げ捨て、両手を頭の高さまで挙げた。

「わかった」

 アオネもその茂みの中にピストルを投げ捨てた。辺りは暗く、茂みの草はそこそこ背が高かったので、アオネのそれがプラスチック製の玩具であることはばれなかったようだった。

「あなたはなぜ私を殺そうとするの?それともあなたの他に仲間がいるの?」

「俺の他にも仲間はいる。この夏、この町に潜伏している」

「目的は何?」

「金だよ。お前は知らないのか?この町にはものすごいお宝が眠っているんだぜ」

「お宝?トレジャーハンターにでもなったつもり?」

 アオネは少し呆れた。

「いや、トレジャーハンターじゃなくて、ただの盗賊ね」

「インディー〇ョーンズを馬鹿にするのか」

「あなたは違うでしょ」

「数億は下らない大昔のお宝だぞ。埋蔵金だ」

「その宝探しと私の死はいったいどういう関係があるの」

「しらばっくれるなよ。お前のせいですべての計画が狂ったんだ。俺たちがこの町に来たのは今日から四日前だ。で、お前が来たのは三日前。いや、三日や四日という数え方は少しおかしいな。なぜならお前が来てからというもの、夜祭のある今日という一日が繰り返しているから。そのせいでせっかく見つけたものをいつまでも金に換えることができない」

「繰り返しに気付いてるの?」

「あんたのせいだろう」

 アオネは首を振る。

「違うわ。私も繰り返しに気付いてる。でも、私のせいじゃない」

 男は困惑したように頭を振る。

「なんだと?じゃああんたの目的は一体何なんだ?やはり、俺たちと同じでお宝を探しに来たんだ。そうだろう」

「おじいちゃんの墓参りだって」

 男はピストルを投げ捨てた茂みにダッシュした。アオネも慌てて茂みに向かう。二人はもみ合いながら茂みに飛び込んだ。


①手近なピストルを掴んで引き金を引く 075へ

②下駄の角で男を殴る 064へ

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