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縁側に二人で座った。花火が見えた。
花火が終わっても、二人で夏の夜を見ていた。ゆるゆると夜は更け、やがて少しずつ明るくなっていく。空は仄白んで、鳥の声がした。薄い朝霧がかかって、足元の草は朝露に濡れている。
アオネは朝顔のグリーンカーテンの方を見やった。青く、細長いつぼみがほころんでいく。
朝日が差した。町が起き始める。遠くのスピーカーから、ラジオ体操の音がした。
「これが朝か」
青年は縁側から立ち上がって朝日の中で伸びをする。その体は少し透けていて、朝日のいくつかの筋がその体を通り抜けていた。
朝顔が咲いた。
「さよなら」
夏の幽霊は消えた。
~エンド1 朝~
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