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042
「じゃあ、花火が見たいかな」
アオネは言った。
「蛍は夏の間見られるけど、花火は夜祭の今日だけ。しかも、その中でも一瞬だけしか見られない。すぐに消えちゃう儚さがその価値を保っているんじゃないのかな」
「たしかにそうだね」
食べ終わったかき氷のカップとストローを祭に設置してあったゴミ箱に捨てる。青年はその間、鳥居の下で待っていた。
「行こうか」
二人で石段を下りたとき、後ろから肩を叩かれた。
振り返ると、ギャングのような黒い目出し帽をかぶった、体格から見て若い男が、ピストルのようなものを構えて立っていた。
「なんですか、それ。下ろしてください」
青年がアオネの前に一歩進み出るようにして言った。
「そういうわけにはいかない。俺は今日で終わらせるんだ」
男は少し高い声で言って撃鉄を起こした。まずい、と本能でわかる。
①青年の前に飛び出す 095へ
②青年の手を引いて逃げる 070へ
③Cを使う 041へ