表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームブック「夏」  作者: 岡倉桜紅
12/52

021゛

 青年は右の道へと入って行った。アオネも続く。

 すぐに洞窟は途切れ、外に出た。そこは小さな渓谷のようになっていて、湧き水がちょろちょろと流れていた。そこに蛍光色の蛍がなん十匹も数えきれないほど自由に飛び交っていた。その数は池にいた数とくらべものにならないほど多く、その光景は息を呑むほどだった。

 青年は、大きくなめらかな表面の石の上に座り、手招きをした。アオネも青年の隣に腰掛ける。二人はしばらく黙って蛍が飛ぶのを見た。

「この夏が終わってしまうのが苦しいんだ」

 青年はつぶやくように言った。アオネは黙って頷いた。

「ずっと夏が続けばいいのに。諦められないんだ。だから、宝箱に僕は閉じ込めた」

 遠くで花火の音がしている。

「この町の時間を止めて、何度も永遠に繰り返す。そんな呪いをかけた」

「あなたは一体……」

 青年は泣き笑いのような切ない顔をして言った。

「夏は終わらない。僕は幽霊だ」


『幽霊の告白』という実績を解除しました。♤の欄に『幽霊の告白』と記入してください。


①Eを渡す 033へ

②家に帰る 039へ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ