ある日の仕事終わりに始まったもう一つの世界
似たような設定の作品もあるかと思いますが書いていきます。
俺は沖田八太郎32歳 独身 普通のサラリーマンだ。別に8人兄弟でもなく・・・まあそんな俺の名前の事なんかどうでもいいだろう。この俺、沖田八太郎気がつけば惑星の創造神になりました。
「良し!午前中に商談が纏まったぞ!今日のスケジュールはと・・・・」
「先輩!やりましたね!中々大きい案件でしたね!」
「そうだな。俺達は一月30万前後の給料であの商談だけで会社の利益は億近くになるんだから良いよな。昼飯くらい経費で落としてくれてもいいのにな」
「そうすね!でも先輩は次のボーナスが良くなるんじゃないですか?」
「まあ、これで何も変わらなかったら早期退職でもしてやるよ!半期で俺だけでどれだけ会社に貢献してると思ってるんだ!?」
「今社内トップの成績ですからね。期待してますよ!先輩!」
そんな遅くではないが疲れたな。時刻は17時30分か。帰ろう。
「おーい、袋田?先に上がるぞ!おつかれー!」
「あっ、先輩お疲れ様です」
俺の通勤は自転車だ。まあこんな事もどうでもいいのだが、一人暮らしの賃貸アパートに帰り郵便受けを確認すると一通の封筒が入っていた。開けてみるとチラシが入っていた。『今なら惑星が20万円で買えます!あなたの思い通りの惑星が作れます!』と書かれていた。
「んだよ!こんなおもちゃに20万とかおかしいだろ!?誰が買うんだよ!」
そう言いゴミ箱に丸めて捨てようとしたらチラシが急に光って書かれてる文字が『本当に本当です!今すぐ買った方が良い!最後のチャンスです!』と変わっていた。
「最近の技術は凄いんだな。文字まで光ながら簡単に変わるのか?けど要らないな」
そう思い気にも留めずまた丸めて捨てようとしたが三度チラシが光って、中の文字が変わった。『後悔しますよ?今の人生も華やかかもしれませんが?結婚してない貴方にはオススメですよ』
「クッ・・・なんだよ!このチラシは!?確かに結婚はできてねーけどそれなりに満喫してるよ!!そんなに言うなら買ってやろうじゃねーか!!」
俺はてっきり返信用封筒にでも入れて後日銀行振り込みでもするのかと思ったがチラシの文字がまたもや変わり、振り込み先が書かれていた。新手の詐欺かと思ったが『詐欺と思ったあなた!?信じてください。本物です』とまったく信用できない文字に変わった。
「20万か・・・ない事もないけど詐欺で無くなるのは嫌だが・・・もういいか。詐欺なら詐欺で話しのネタにしよう。確かネットバンクに40万程入ってたような・・・良かった。ちょうど40万入ってるわ。よしこれで振り込み完了。いつ届くのだろう」
ピコンっ!!!
「お届け物で〜す♪」
「うはッ!?なんだ!?何で目の前にダンボールが!?幽霊か!?」
俺はビビりながらも、そのダンボールをテレビのリモコンで動かしたりしてみたが何も変化がなかった。
「いや今思えばチラシが光って文字が変わるって事も有り得ないよな!?開けてみるか・・・なんだこれは!?」
そこには木の杖と人が乗れそうなくらいの綿と丸い石とタブレットが入っていた。
「なんだよ!やっぱ詐欺じゃねーか!何が惑星作れますだ!」
プンスカ怒りながらタブレットを触ると勝手に起動して老人が説明を始めた。
「良く買ってくれた。人間よ」
「聞こえておらぬのか?」
え?これリアルタイム!?
「よし。これで聞こえるか人間よ」
「あ、はい。聞こえています」
「まずは良く創造記を買ってくれた。簡単に説明しよう」
この老人が言うにはこの説明の後にチュートリアルが始まりタブレット操作する事でこの丸い石みたいな惑星の素に空気やら窒素やらを色々配合するらしい。それでスキップ機能も付いており、時間経過して自然に任せた生態系にするも良し、いきなり人間種を配置しても良し、獣人族と言う種族を配置しても良しと色々説明を受けた。
「ここまで簡単に説明したが分かったか?」
「いや、分かる分からない以前にこれはなんなんですか!?」
「最初に説明した通り惑星を創造して作るのじゃ。あっ、クーリングオフ対象外じゃぞ?」
「いや変にリアルにならなくてもいいけど、いきなり空気の割合とか窒素とかメタンやら言われても分からないのですが!?」
「しょうがないのう。お主はどのような惑星が作りたいのか?この地球のような星で人間種が食物連鎖の上位にするのか?それとも今ネットや映画で流行りの魔法がある人間種が食物連鎖上位が良いか?虫だけの楽園にもできるぞ?希望を言え」
いきなり希望言えとか言われても正直分かんねーよ!確かに魔法の世界は憧れるけど・・・若い時はラノベとかそこそこ見てエルフや獣人族とか分かりはするけどあんなの架空の事だろ!?それが現実に居るようになるのか!?
「まだか?こんなに時間が掛かるチュートリアルは初めてじゃ」
いやしょうがないだろ!?それにこれを他の人にも売ってるって事か!?
「もう分からないので人間種やら何やら色んな種族が居て魔法の世界が良いです。今地球が科学の世界なので中々味わえない世界にしてみたいです」
「ほう。中々"味わえない"世界とな?よかろう!配分はワシに任せてもらっても良いか?」
「はぁ〜。イマイチ分かってないのでお願い致します。それで俺は何をすれば良いのですか?」
「この後ワシが成分の配分を決め注入する。その後5億年後くらいには人が住める環境になるから何もする事はない」
「はっ!?5億年!?意味不明なんだけど!?」
「話しを最後まで聞け!たわけが!タブレットにスキップ機能が付いておる。ある程度の文明レベルやこの惑星の最後が見たいならスキップしても良いが戻す事はできぬ。オススメは人がそれなりに法を作り秩序ある暮らしをしておる年代が1番伸び代があり楽しい時期だ。成熟した惑星は助言の価値がなく神の存在がどんどん希薄になる。そうだな・・・地球で言うと46億1000歳くらいが良いかのう?」
いや全然分からないしそもそもこの老人は誰なんだよ!?
「すいません、西暦で言ってもらえれませんか?」
「西暦で言うと1700年代〜1900年代今で言うヨーロッパ方面かのう?日本のインターネットでは、ナーロッパとも言われておるかのう?」
いやおもいっきりなろうじゃん!!
「まあ分かりました。そこもお任せします。それでその後は観察すればいいのですか?」
「そこからこの創造記の面白い所じゃ!お主が好きなように魔法を使っても良し、発展させるも良し、人間種や獣人種と暮らしても良し好きな事して良いのじゃ!それにこの惑星の魔法が新しく開発されても自動アップデートで杖に魔法がインストールされ、お主は無駄な詠唱せず好きなだけ魔法が撃てるぞ!謂わば・・・・この惑星ではお主が創造神なのじゃ!」
「創造神!?それにそんな事もできるのですか!?」
「例えば今はまだ何もないが、その雲の上に乗れ」
「え!?これ乗れるの!?」
「良し!では、行くぞ!」
すげーな。堂々のシカトかよ!
「到着だ。ここがあの丸い惑星の中じゃ」
説明を聞けば雲の上に乗って、あの惑星の行きたい所を手で押さえるとこうやってすぐに来れるらしい。帰る時は木の杖に最初からインストールされている魔法『ジッカノヨウナアンシンカン』を使えば
「このように帰れるのじゃ。分かったか?分かるよな」
いや魔法が使えるのは凄いしそもそもこれが20万とかでもかなり安く思えてきたがあの魔法のネーミングセンスよ!?ジッカノヨウナアンシンカン・・・実家のような安心感じゃダメなの!?それに分かるか?と聞いておいて勝手に納得するなよ!?
「なんとなくは分かりました。それでその惑星の時間の進み方と現実の時間の進み方は同じなのですか?」
「お主が惑星に顕現しておる時はスキップ機能は使えぬ。時間経過は同じにしておるがもし魔法の世界になったとして、時の魔法でスロウやストップなどがあるがそれは関係なく現実世界では時は進む。そうだな・・・お主程出来が分からぬ奴は久々だから補佐に1人サービスで付けてやろう。・・・・・・ハッ!!!!」
「コンニチワなのです!マスター!」
「うわっ!?小さい羽が生えた人間が現れた!!?」
「其奴の種族は精霊。中級精霊じゃ。何もかもワシが教えると面白くなかろう。後は其奴に聞け」
「後は私が教えるのです!よろしくお願いします!マスター!」
「良し!初期段階は終わった。これでワシのチュートリアルは終いじゃ。他に聞きたい事はあるか?良しないな。ではお主の健闘を祈って…」
「ちょ!ちょっと待ってください!あなたは何者なのですか!?」
「ワシか?ワシは神じゃ!ははははは!あの20万は助かっぞ!なんせ今からデートだからだ!!ははは!」
俺は神?らしくない神の言葉を聞き呆気に取られた。神様もデートするんだな。
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