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第七十一話・ヤフオク(ヤフーオークション)の匿名取引


 私の子どもは平成二桁生まれです。生まれたときからネット世代。私の小さい頃はコンビニも電子レンジも水洗トイレもなかったよと教えると本気で驚く。

 さて、子どもが最近ヤフオクの使い方をマスターし、欲しいものを安く? 入手するようになりました。一週間に一度はポストに何か入っている。差出人は不明なのが多い。身元不明な人と交渉して大丈夫かと心配する私。子どもはなぜかドヤ顔で私を諭す。

「お母さん、今はね、匿名発送というのがあって、差出人や宛先がなくても大丈夫だよ」

 時代は変わった。身元を明かさぬまま、取引をする。子どもはそれに違和感なくなじめている。もはや昔人間になった私は業者はもちろん、個人でも身元不明な人と取引するのは抵抗がある。それが当たり前だと思うが古いだろうか。


 案の定、トラブルに巻き込まれた。代金を先払いしたのに、品物が届かない。匿名取引なのでどうしていいかわからない。子どもにしては小遣い内で買えるよう厳選した品物を今か今かと待っていたのにと悲しむ。反抗期真っ最中だが、私に相談してきた。

 私が子どもの許可を得たうえでその取引相手のIDを確認したら、評価数が少ないのに、非常に悪い評価が多い。通常なら避ける相手なのに、安かったからという。うまい話は警戒すべきだよ、と諭しながら警察に連れて行った。

 生活安全課の刑事さんに対応してもらった。印刷してきた取引資料を見せる。刑事さんは取引相手を見極めて悪さをする常習犯かもしれませんという。それで被害届を出した。前後してヤフーの会社にも問い合わせをする。私自身も援護射撃。だってまだ未成年だもの。子どもの小遣いの元は私が稼いだなけなしの給料だ。当然だろう。かくして私のパソコンから、犯人のID宛に子どもの親であること、直に警察に行ったこと、被害届を出したことをいう。返事なし。やはり常習犯か。


 翌日、子どものIDに、遅くなりましてすみません。さきほど商品を発送しましたと連絡が来た。ちゃんと郵送の追跡番号つき。子ども大喜び……そこまでされても、欲しかったのか。

 結論からいうと、無事届きました。被害届は取り下げです。結果を告げる私に刑事さんがよかったねえと言ってくださった。本当にすみません。

 ただ今回は幸運でしかない。それにこちらの住所氏名は知られている。それなのに、相手の住所氏名が不明のまま。

 子どもは「もういいんだ~」 というが、私はもやもやする。そういう人間が存在するので警察というものがあるが、地味にイラつく。

 今回は警察の被害届&親からの文面攻撃(私は相手先のIDに長文の抗議文を短時間で文章を変えつつ、何度も何度も何度も何度も送信した。私の武器はこれしかない)で折れたと思っている。でも常習犯らしいし、同じことを別の人間に繰り返しているかもしれない。








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