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第七十話・組織での横領発覚(こちらは懲戒解雇を公表されました)


 知人の会社での事件。

 そこは民間で規模は小さいですが手堅い商売をしている。そこの経理男性の横領が発覚して解雇された。Cとします。Cは、数十年間在籍して定年間近です。いや、驚いたのなんのって。面識ある人だったから。


 発覚したきっかけはコロナ禍のせいらしい。お商売なのでコロナ禍で客が少なくなり、売り上げが激減した。それなのに経理の雑費を見ると同じような金額が出ている。得意先回りのガソリン代など。

 気づいたのは三代目の社長。現場には不慣れだがこの社長は若い頃に銀行に勤めていたので数字に強い。売り上げが落ちているのに経費がそのままっておかしくないか……。Cが管理していたレシートを一枚一枚、パソコンの数字と照らし合わせると数があわない。

 事務的な手続きの後の現金の払い出しはすべて昔からいるCがやっていた……まさか。


 社長はCの不在時や土日に出社し帳簿を洗い出す。ガソリン代ってそんなにかかる? 出張費、事務費、書籍代ってなに? となった。

 Cに内密に問いただしたら、誤解だと弁明した。社長はその態度でクロだと感じた。目の前でレシートと帳簿の数字という証拠を突きつけるとCは認めた。数日後に言われた通りの金額を全額弁済した。

 Cの家は貧乏ではない。家族もいる。なるべく穏便と思っていたが、不正がある証拠の金額こそ返されたが、それ以外のこともやっているだろうという不審も残る。雇用の継続はできかねる。つまりCは、信用という無形の財産をなくしたわけです。

 社内外に昔からいる経理の人として一目おかれていたがため、公表に踏み切り、それで私も知った次第です。業務上の地位を利用した犯罪行為は、許されません。Cにとっては刑事罰がないだけマシでしょう。

 私がこの話をここに書いた理由はもうわかると思うが、Cの人となりは真面目そう、優しそう。だが、横領していた……表面上の顔とのギャップが凄すぎる。叔母Jとその点はそっくり同じ。

 でも私はCのためにも横領バレしてよかったと思う。解雇されてもです。


 Jの方が無事逃げ切って私を思い切り悪者にして悪質です。雇用者たるJAがJを庇ったので余計に。

 私はJが憎いが、Cはそうでもない。Cとは元々利害関係がないから。


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