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第六十一話・ショタの人にコナかけられた我が子



 まず、題名にあるショタという単語の説明から。分類までいくと、ややこしくなるので、大雑把に書きます。

 ショタは、女性が幼い男児もしくは少年を愛すること。成人男性が女児や少女を愛するのを、ロリコンと俗に言いますがショタはその男女反転版です。語源ですが、ウィキペディアによると、正式には正太郎コンプレックスを縮小したものだそうです。正太郎とは横山光輝原作の『鉄人28号』の主人公・金田正太郎のことです。半ズボンがよく似合うかわいい少年が大人の女性に人気があるとされたのでしょう。そこから名を取って「ショウタロー・コンプレックス」とされたとなっています。略して「ショタ」

 命名をしたのは、当時のアニメ雑誌「ふぁんろーど」 の編集長様。彼が読者のQ&Aでの回答でこの造語を使いました。それ以降定着しました。

 それともう一つ。

 題名のコナをかけるって、今の若い人は使いますかね? 男女問わず、異性を口説こうと、気軽に声をかけてみることをいいます。誘惑する、口説く、というより、気楽に、あっさり、というニュアンスです。

 そのコナ ⇒ 粉、ですが、ホレ薬が語源だとされているのも見ましたがそれは日本の昔話ではなかったような気がします。どなたかが遊郭の遊女が使う色白に見せる化粧品「おしろい」 ではないかと書いていますが、私もそれぐらいしか思いつかない。だから語源とされる文献は不明です。

 前置きはここまで。


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 私の子どもが小学校低学年の時の話。夏休みに旅行に連れて行きました。アイスクリームを欲しがったので、一人で買って店の前のベンチで食べておくように言い置き、私は下の子を抱っこして斜め向かいの土産物店に行きました。さて、目当ての買い物をすませたあと、子どもを迎えに行くと、きれいな女性が子どもの横にすわり、しきりに声をかけている。

「どこから来たの、お名前は」

 女性は子どもの肩に手を回している。子どもはアイスクリームに夢中で塩対応です。私は思わず、子どもを叱りました。

「質問されたらちゃんと答えないと」

 今思えば個人情報を親の前で聞かれたことになりますが、身なりもきちんとしておられたので、その時は特に不審に思わなかった。私の存在に気付き、母親だと理解した女性がサングラス越しにキッと睨み、すぐにその場を去りました。睨まれるとは思わず、私はびっくり。

 子どもが一人ぼっちでアイスを食べているからと、心配している風でもない。単なる好奇心の強いおばちゃんが、聞いた様子でもなかった。子どもの首に腕をまわしてまで、聞く馴れ馴れしい動作に不審を抱きました。が、そのままです。私には娘もいますので、逆に成人男性がまだ幼い娘の首に腕をまわして「どこから来たの、お名前は」 と聞くと不審者扱いしますが、身なりの良い女性だと、なかなかそんなこと思わない。でもってあとで、もしかしてあの女性はショタではないか、と思うに至りました。ショタの世界は私にとって同人誌の分野の一つでしかなく、実在しているとも思わなかった。

 今でこそ、思春期に入り毎朝ひげをそる大きな子どもになりましたが(遅い出産でしたのでまだ未成年です)当時は我が子ながらすごくかわいい美少年でした。実母から「かわいらしすぎる。あんたは全然似てない子を産んだ」 と揶揄されるぐらい。バレエの先生から「キミ、王子様になれるよ」 と、どれだけ勧誘されたか。また夏休み教室の絵手紙レッスンでも、私の目の前で年配の女性の先生から帰り際にほっぺにキスをされたりもありました。あの人もショタだったのかも。

 まだある。お蕎麦屋さんに行ったときも、四十代ぐらいの女性店員から、まだ小さいのに「かっこいいね、ボク?」 と言われて頼んでいないみたらし団子のサービスがあった。親の私には何もなし。何度もお水のサービスをして「おいしい?」 と聞く。子どもがお蕎麦を頬張ったまま、「ウン」 というと満足気。その店員、レジの支払いも私がお金を払っているのに、私を無視して子どもに声をかける。

「ボク、また来てね。おばちゃん、待ってるからね」 

 出口までうちの子にまとわりついて、手を振っている。子どもはむすっとしているので、その分私が会釈して手を振り返しながら、二度と行くかと決めた。あの人も多分ショタだったのだろう。ひどく不快というわけではないが、不必要に少年にまとわりつくサービス過剰な女性はショタと決めることにした。


 うちの子は、思春期に突入して反抗期がありました。最近マシになったが我が家の壁には数か所穴が開いたままです。お金がすごくかかりそうなので、補修もせずそのまま暮らしている。

 ショタの人って、見た目をかわいいとかいうだけですんでいる。ロリコンの人と一緒で、子育ての苦労をすっ飛ばして表面を愛でる。そういう意味では気楽です。私の出会ったショタさんは、目の前の親の目を意識せず子どもの容姿をほめることに夢中だったのが奇異でした。ほおっておくと性的な事も教えてあげると言いそうだから。そういう世界もロリコン漫画を読んだことがあるので知っているが、母親の感情としては、男女関わらず我が子を自己満足の道具に使われたくないと感じる。彼らには、単純にかわいいと褒めてくれる普通の人とは違う、ねっとりしたものに違和感を感じる。ために、これまた新種のイラクサとして記事を書いてみました。終わります。


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― 新着の感想 ―
[一言] 昔に較べれば格段に女性による男性への性的行為の強要、その被害者の存在についての認知と理解は広まり深まって来てはいるものの、理解を得る事自体が未だ困難な状況にあるのは哀しい事ですね。
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