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第五十二話・強欲な美容アドバイザー



 私は訴訟をかかえている美容外科に行ったことがあります。当時はできたところで、売り出し中でした。ちょうどお客さんをたくさん集めて大儲けようとした時期です。集団訴訟はその後の話ですが、あそこだとニュースになって当然だろうと思いました。強引な勧誘をしていたからです。今回はその話。


 初診だとどこでもそうですが、まずアンケート用紙を渡されます。住所氏名のほか、どこをなおしたいかを書かされます。それを受付に渡すと、個室に招かれます。しかし、そこは医師の代わりに美容アドバイサーと名乗る化粧が濃くて派手な身なりの女が出てきます。そこでアンケートを読み上げられ、医師から受ける施術の提案をしてくる。また気になる値段も教えてくれる。ご存知だと思いますが、美容外科は保険はききません。自費診療です。私のような貧乏人は財布と相談しながら決める。そこまではよい。

 そこから先の美容アドバイサーの言動が問題です。高いコースばかり言ってくる。しかもかなり強引。ローンもあるのよと笑顔で電卓をたたく。私はローンが嫌いなので断りました。でも断ってもしつこい。あれでは気の弱い人はひきずられるようにして契約してしまうと思う。以前にもエステで強引な契約を持ち込まれた話を書いたが、美容業界の人って、客からいかにして多額のお金をむしりとるかだけ考えてません? 慈善事業でないのは承知だけど、あからさますぎ。

 せっかくきたので一番安いコースで1回限りのお試しをしました。そもそも広告を見てお試しで来た。そのアドバイザーは不満そう。多分手術料のうち、何割かは彼女の収入になったのではないかな。数年後集団訴訟されていましたがあれでは当たり前。医師の責任が問われてましたがあの強欲アドバイサーも悪いと思う。

 集団訴訟の被害者の主張を聞いていたらそれこそアンチエイジングで安いコースにするつもりだったのに、その場で外科的処置の必要な数百万もする手術をすすめられたとある。しかもその日のうちに手術をした。あまりにもひどい経営方法です。詐欺師は相手に悩む時間を与えないことが鉄則らしいが、そのとおりになっている。あげくに、手術の失敗です。

 私は美容アドバイサーの面談のあと、被告になった医師にも会っています。医師は手術直後だったらしく疲れた顔をしていましたが、質問には答えてくれるし基本は誠実でした。

 例のアドバイザーから手術予定者を詰め込まれ、収入重視で、結果を残せず医師は責任を取らされた。世間知に疎い医師は、いかに技術が確かでも結局経営者側にこき使われるだけです。

 こういうのを見ていますので、美容外科所属の美容アドバイサーに資格はないのに、人の顔や体にけちをつけて不安をあおり、高いコースを組ませようとするのは犯罪だと思う。最初はお試しで十分。その後は期間を明けて少しずついじっていけばいいかと思う。

 もちろん医師はこうした事件が起こると責任を取らされる。国家資格はそれほど重いものだ。手術の腕もトラブル対応も患者への説明、すべてが悪かった。医師は民間に放り出されると、ボランティアでない限り、いかにして儲けを出すかを考えながら施術する。しかし雇われだとそうはいかない。

 私はその医師も悪いが、新聞に顔も名前も出なかった美容アドバイザーがもっと悪いと思う。というか嫌いです。被害者は、悪い所、治すべきところを重ねて言われ不安になって手術したという。十万円の予定が三百万円近いお金を払っている人がいた。手術承諾サインもしている以上、被告にも医療知識がないとはいえ過失ありとみなされるが、例の美容アドバイザーに押し切られたと思っている。

 日本の教育者は、幼少時からいじめ対策と並び、自分の意見や、嫌なことは嫌だとはっきり言えるように教育すべきだと思います。

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