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第四十九話・私に恋人はいつできますか……占い師が同じことをいう理由


 旅行記録をサーチしていたところ、気が付けば、占い喫茶から占い師の口コミを閲覧していました。

 占い師に頼る人は圧倒的に女性が多い。恋人や結婚相手が欲しいと望むのは本能ですが、女性はなぜか「いつか誰かが自分自身に向かって好きだと行動を起こしてほしいと願いがち」 かつ、「望まれて恋人になり、望まれて結婚したいと願いがち」

 ……少なくとも私がそうだった。今にして思えばそれは甘えだった。でも昭和の生まれで、女性から行動を起こすのははしたない、恥ずかしい、みっともないと思う概念にがっちりと絡み付けられていた。しかも私の実母は、性的な話どころか恋愛を一切拒否する人だったのでなおさらです。前置きはこのぐらいにしておこう。今回は占い師の口コミから思いついたエッセイです。


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 出会いがなくて困る。

 恋人ができるのは、いつですか。

 あの人に告白すべきか。

 恋人になれたが、この人でいいか。

 いつ、結婚すべきか。

 それとも、もっと良い人が現れるか。

 どの質問も質問者の人生がかかっている。若い時の一番良い時期を無駄にしたくない……方向性を示唆してくれる占い師には「知らない世界を知っていて人生に指針をくれる人」 という良いイメージがある。そのイメージに、いくばくかのお金を支払って、教えを請う……いやもう、占い師が悪意を持つ人だったら相談者の人生ぶち壊すのも簡単だなあと感じる。

 かくいう私も自分の運命に自信がないので、占いに頼りました。昔はネットなんてないので、雑誌やタウンページといって電電公社(NTT)から情報収集しました。現在ではネットで検索するとそれこそたくさんの占いサイトがあるので良い時代になった。しかし根本は変わってない。

 

 占い師の口コミ欄は、当然占ってもらった人が書きこむ。苦情に多いのが、全員に対して同じことしか言わないのではないかというもの。

 玉石混合の口コミから運命を託す占い師から、他の相談者と同じことを言われたくない。納得いかない。一方占い師は何を言っても責任はない。お金を出す方が口コミを真剣に吟味するのは当然です。 

 さて、その某占い師は「素敵な出会いはいつでしょうか」 の質問に一律「新しい趣味を作れ」 と言うらしい。客としてはお金を払って聞く以上、「いついつの季節にどんなシュチュエーションで理想の恋人が出現するか」 を具体的に聞きたい。それが「新しい趣味作れ」 では目新しさがない。他の人にも同じことを言うなら腹がたつ。お金を払って当然のことを言われるのも腹がたつ。そういうことです。理想の恋人の出現を予想できるなら、予言者ですがありえぬ。相談者が良い気分になるように口当たりのいいことばかり言う人もいるでしょう。同じ質問には同じ言葉で返す。新しい趣味を作れ。環境を変えたら、運命も変わる。出会いが欲しいと思ったら新しい趣味や出かけ先を作ればいい。それと誰にでも親切にする。それで己に見合った人との出会いは必ずある。誰でも知っている。

 高年収の人に限るなど条件の厳しい人は、それなりのバックが必要です。でもそういう人はまず占い師に頼りません。またこれだけは譲れないという信念がある人は結婚に夢を抱かない。これも真理。結婚願望があからさまな人は、男女ともに地雷が多い。

 かつて私もそういう地雷に会いました。出会って三十分でプロポーズされ家業の手伝いや分担を決められて速攻で逃げたことがあります。結婚式だけしたい、結婚歴だけ作りたいならそういう人でもいい。でもそれで幸せになるでしょうか。人生の本来の目的はそれじゃない。自分本位で決める人は誰ともあいません。信頼できる仲人がいても、しっかりした釣書きがあっても問題はそれではない。

 出会いが欲しいけど、内向的な人はとかく勇気を出して新しい趣味や出かけ先で場数踏むしかない。誰かに会うと誰かにつながる。だから理想の人を発見しても、性格の悪さはずっと隠せない。いずれわかる。

 結婚相手とともに、普段の生活や環境を少しずつ変えていく過程をも楽しめる人が勝ちです。つまり普段の生活の延長をいかに融合させるかどうか。

 占い師が相談者に同じことを言っていたとしても間違ってはいない。


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