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第三十八話・子どもがやる動物への性虐待

(苦手な人は読まなくていいです)

 



 小中高生が出てくる漫画を読んでいると、体育館の倉庫や裏で事件が発生しやすい。教師の目から行き届かない場所だからでしょう。私がいじめられた場所の一つでもありましたし。


 以下は小学生の時の思い出です。


 ある時、私が一人でいると、ちょっとおいでと手招きされました。比較的よく話す女の子なので近寄りました。体育館の奥に連れていかれました。五六人の人だかりがしています。中心にかわいい子犬がいました。雑種です。つぶらな瞳で本当に小さな子犬。


「捨て犬やで」


 みんなでかわいいからと、順番に抱っこして頭をなでていました。私は抱っこさせてもらず、それでも子犬の頭をそっと撫でると、子犬もそっと私の手を舐めました。かわいいなあとみんなで言う和やかな時間です。先生にいうと、捨てられるから黙っていようと決めました。明日からおやつを順番に持ってこようなどと話し合う。

 その中で普段からちょっと乱暴な女の子がいました。妙な笑い方をして「この子にもっといいことをしてあげよう」 と言います。そして子犬をあおむけにさせました。ほら、ちんちんがあるのでしょ、オスだから喜ぶよと、子犬の小さなアレをつまんで伸ばしたりします。そのやり方が惨く、皆で顔を見合わせました。数人が面白がって加勢しました。子犬は逃げようとするが、四肢を押さえています。

 呼んでくれた子と私はそっと離れました。かわいそうだと怒るほど気が強くなく、子犬を庇えば代わりにいじめてくるだろうという予測があるから。懺悔するが私は子犬を見殺しにして逃げたのと一緒です。


 半世紀たった今、子犬を押さえつけて男性器ばかりいじくっていたあの子は、もしかして……と思っている。そのぐらい酷いことでした。あの子犬は無事逃げて、子孫を残したと思いたいです。

 私は最近忘れていた幼い子どもの時代を思い出します。嫌な思い出ばかりで、私ってなんだろうと思う。その分、他人を喜ばせたり幸せにする文章を書いてみたいがどうも性根がこれではダメかもな、と……今回もいまさらどうにもならぬ話で恐縮ですが……すみません。




 




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