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第三十話・医師の家族っていうだけでそんなに偉いものなのか 

 今回はわざと二つの事項を結合の上、混在させました。意図的なマーブル模様のエッセイです。


 

 某開業医夫婦が我が子に教育虐待をして保護されたケースがあります。子供が精神疾患になっています。医師になれという親に期待に沿えなかった子の心の傷の深さを思うとかわいそうです……医師の子が医師以外の道を考えられぬ状況はその子によっては虐待です。我が子に医師以外の職業を認めぬその思考もおかしい。でもそれは外部から見た感情です。よほどのことがない限り、部外者は家族の事情に、教育方針に介入できません。教育方針は法に触れるものでない限り、誰にも変更を促せない。医師の子が縊死した話もあります。ダジャレではなく、真面目に書いています。

 教育虐待……開業医は激務とはいえ収入も社会的な地位も高いからと、幼児期から医師になることが当たり前という感情を刷り込む。人生は親も子も一度きりなのに。後継者問題は少子化もあって、医療界に限らずどこも大変なのに。


 私と過去一緒に働いていた同僚は、家族全員が医師で己だけが薬剤師だと自嘲気味にいっていました。服薬指導でもわかりやすく親切で患者に人気がある人なのに、できそこないと言う。未だにその人の母親から医師になれなかったことを責めてくるそうで大変気の毒な話です。母親の呪縛から抜け出せていない。

 また別の知人は恋愛結婚した相手が医師で、その家族も全員医師でした。その伴侶たちは、実家が開業医や開業歯科医。姑はじめ小姑から実家が医師業でないので、いじめられるといいます。家格、家柄が釣り合わないのに、というらしい。

 たかが代々医師の家系というぐらいで、どれだけの特権階級意識なのでしょう。夫や実家が医師というだけが、選民意識の根拠だとしたらバカバカしいです。

 揶揄する人に限って医師資格がない。あなたたち、どこまでアホなんですかと知人の代わりに言ってあげたい。小ズルイやり方でちまちまと診療報酬を稼ぐ開業医も多いのに、代々医師の家で育ったというだけで、威張る権利があるらしい。何のために人を貶めるのか。

 義父や義兄は医師でも、知人を責めない。医師でない姑、小姑がいじめるのはこれいかに。これはもう劣等感から来ているのだろうなあと思う。当然、知人は彼女らには冠婚葬祭ぐらいしか会わない。それが正解で、物理的に距離を置くしかない。

 医師になれなくても、幸せになる方法は無数にある。医師に限らず、医療従事者は博愛精神がないとやってられない。それなのに医師でないと人間扱いしない人間、医師の家族でないと平気で貶める人は、その狭い世界でそれなりに幸せでも、やはりおかしいです。当の医師自体は仕事で疲れて帰って来ても、そいういう思考の変な家族と一緒に憩い、高給でもって養ってあげるのも気の毒な人生だと思う。

 というわけで一部だけであっても、高きプライドと品位を持って非医師家系をバカにし、せっかく生まれてきた赤ちゃんをどうでも医師にするべく、結局虐待認定されるようなことをしてしまう人々を書いてみました。

 医師ってほんと激務ですよ。嫁を貶めているヒマがあるなら、医師の家族としてもっとやるべきことがいくらでもあるでしょうが。家系的にご立派でもそういう性根を持つ人は、いくら教養が高くてもちょっとね。終わります。



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