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第二十七話・他人を信用することのむつかしさ……成年後見人の話

 まず成年後見人とは……。

 ↓ ↓ ↓

成年後見人とは、認知症や知的障害等の精神上の疾患により判断能力が著しく低下した方の財産を保護するために、家庭裁判所から選任されて、ご本人の財産保護や身上監護を行う者のことです。


]]]]]]]]]]]]]]]] 引用終わり。





 要は自己判断ができなくなると、金銭をだまし取られたり重要なものを紛失すると困ります。だから第三者が本人の代理として管理しましょうというものです。その第三者は家庭裁判所から法的に認められた人がなります。家族だって後見人になれますが、それは裁判所に申請して認められてからの話です。勝手には名乗れません。

 家族以外ならば、裁判所が認めた弁護士や司法書士が多いです。ついで市民後見人たち……。彼らは、一度成年後見人になれたら、よほどのことがないと解任できません。それほど法的に強い威力を持ちます。そのために、トラブルが発生します。裁判所の介入で成年後見人が入ったのに、その成年後見人が悪さをする……数は少なくとも弁護士たちですら悪いことをやる。人間が信じられなくて怖くなります。悪さをすること前提で話をすすめるのは、おかしいことですがそれでも私は注意喚起をしておきたいので、あえて書き進めます。


」」


 私は実母の成年後見人になろうとしました。なぜならば母は通帳や金銭の管理がまったくできないから。加えて実妹Zに脅されて金銭も出していました。通帳の残高ほぼゼロ。保険も一部解約していた。実家はなぜか扇風機やヒーターと家庭用洗剤が一人暮らしなのにたくさんある。めちゃくちゃです。で、認知症の診断も下りたことだし、成年後見人になろうと思いました。長女の私がです。しかし家庭裁判所で申し立てをしようとしたら、二人姉妹の仲で軋轢がある場合は、長女の私が申し立てても後見人に指名はされない。裁判所指定の弁護士になるという。

 裁判所が申立人の私が成年後見人に立候補しても拒否されるといいます。そして裁判所から、この弁護士にしなさいと指定された場合、申立人の拒否権はなくなる。つまり断れなくなります。 ← ← ← このあたりがイラクサです。ならば、母と私を知る弁護士を指名しようとしたらそれでもダメだという。もちろん認知症の母の指名でもダメだと。母が死ぬまでの長い付き合いになるのに、申立人による弁護士の決定権ゼロだなんて信じられぬ。驚いて理由を聞いても裁判所の窓口のひとは答えてくれぬ。ネットで調べたら、今の時期弁護士は儲からないので裁判所と結託して仕事を増やそうとしているという納得しそうな理由しか見当たらぬ。本当だったらなおさら怖い。

 裁判所が命じた弁護士が後見人になると、母が死ぬまで変えられない。よほどのトラブルがない限り、家庭裁判所の指名した弁護士は絶対に替えられぬ。しかもその報酬は最低でも月に二万、通常三万、財産家は金額に応じてスライドされ、もっとかかる。母には財産はなく、年金収入しかない。それなのにその年金が入る通帳を管理してもらうだけで、そこから二、三万も出すのは非常に痛い。結果、私は申立を断念しました。

 私が裁判所指定の弁護士を後見人にするのを嫌なのは、高額報酬に加えて弁護士ですら横領事件が後を絶たないから。私は叔母Jのことで横領アレルギーになりました。

 弁護士なのに法的に一番強い立場なのに、平気で横領する人がいます。弁護士だから頼りになる、安心だといい切れるでしょうか。2010~2014年の過去五年の間に、成年後見制度を悪用した弁護士の着服事件が少なくとも六十二件ある。被害総額は実に約十一億二千万円。おそらく係累が少ないそして金満家の認知症依頼者と法的知識がない家族を狙ったのだと思う。最低だと思います。司法書士にも同様の事件が報じられています。だから、私は頼まない。

 つい最近、その関連話を聞いたので以下書いてみます。


」」」」」」


 成年後見人は法的な立場の人以外もなれます。それが市民後見人です。これは法的資格を持たぬ一般人。これだけは月に数万円の報酬すらなく、純粋なボランティアという位置づけです。依頼人は弁護士に数万も支払えぬ、生活保護者などが多いという。依頼者は彼らではなく、第三者機関の行政が多いらしい。

 無資格でそういう講座にかよって面接を受けるだけでなれる。一応都道府県によって有償と無償の二種があり金額も違う。この面接ですがよほどのことがない限り合格します。依頼人はお金がなく、年金収入の管理だけ。それだと横領はないと思いがちだが、やはりいるという。年金収入の横領ですね。

 さて、私はそういう市民後見人希望者の面接をやっている弁護士と話ができましたので書いてみます。面接では人格を見るという。そんなのたった数分で見極められるのかというと、彼はある質問をするという。


 ↓ ↓ ↓


「あなたはCさんの後見人です。買い物に行ってレジで三百円支払います。ところがあなたは財布を忘れました。手元に被後見人のお金があります。あなたはそのお金で使いますか。もちろんあとで返すとしての話です」

 使わない、というのが、当たり前。

 買い物を断念します、の行動で正解。


 それでも以下の返答をする人が何割かいるという。

 ↓ ↓ ↓

「あとで返すなら使っても良い」

「その場で借りてあとで返します」

 ↓ ↓ ↓ 

 不合格になる。

 

 ちょっとぐらいなら、という芽をそれで摘みますと彼は言う。市民後見人の講座受講者はいろいろですが、その不誠実な回答者、つまり不合格者の中には現役介護士や教諭もいた。自由に使える他人の金を前にした不誠実な人間の芽を摘む。

 不誠実な性格は、弁護士や教諭などの職業は関係がない。個人のものです。この話を聞いたとき、私はすぐに例のクソ叔母Jを連想しました。

 実はJとその妹Fも、幼いころに祖母の仏壇の財布からお金を抜き取って「いちもんや」 という駄菓子屋さんで豪遊? していました。不審を感じた「いちもんや」 の店主が祖母に忠告して判明しました。それでバレタと。

 母は小さい頃の話ならよく覚えていて教えてくれる。母の唯一の幼なじみも覚えていてウラも取った。横領者って幼いころからそんなことが平気で、できたのかと思う逸話です。全国津々浦々にいるJA横領者の小さい頃の話もぜひ聞いて統計を取ってみたいぐらい興味のある話でした。


 しかしながら成年後見人希望者への質問は妥当だが、うわべだけとも言える。 


 最後はまた横道にそれた。今回は成年後見人に限らず、立派な経歴があろうが、他人の金との線引きができない人はどの職業でも、どこにでもいるという話です。

 誠実さを測る確実な見極め方がないのがイラクサです。


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