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第二十六話・就職活動の妨害


 第二十五話で出てきたAの話でついでに思い出したものです。芋ズル式に不快な思い出が想起されたので、その一部を書いてみます。罪にはならぬとも、これも犯罪に当たると私は思っています。

 Aからは嫌われていることは自覚しているが、理由は思い当たらない。Aもあからさまには態度に出さない。意地悪なことはいわない。ただ、言葉で二人きりのときに、私の出身校や出身地の悪口をいって貶める。出身校の問題児の退学理由をあげつらう、お嬢さん学校らしいけど変な先生や生徒がいるなど。

 事実だったが、私は反応に困り、黙った。なぜわざわざネガティブな話をするのか、退学者と私は関係がないし、そういった話で盛り上がるとでも思うのか。今もって不可解だがとりあえず私を格下に見ているのだなとは感じていました。

 Aは、私の聴力の悪さゆえ話しかけられても返事をせず、無視されたと思って怒っているのかと思っていた。だから悪いのは私で知らずに不快感を与えてしまったのだろうと。私の人間関係のトラブルがおきたら自分が悪いと思っている。幼いころからそういう発想です。母から埋めつけられた哀しい習慣ですが、そう思う方が気楽でもあります。聴力が悪いのは本当だから。

 昔は感音性難聴は、「勝手つんぼ」 と言われました。感音性自体の概念がなく、気が向いたときだけ、返事をするなどです。たとえば小学校の時に実際に言われたことですが、何度も呼びかけ、返事をしないので「かわいい子~こっちだよ」 と呼んだとたんに、私がそのタイミングで振り向いたことがあったそうです。教室中から、笑われて嫌な思い出になっています。当時は母からは補聴器を使うほど悪くないはずだからと買ってもらえなかった時期です。私は聞こえるふりをしてその場をやり過ごすようになった原因の出来事です。


 私は本当に物事を悪く取り、他人の欠点や失敗を好んで話題にするAが苦手でした。Aは頭のいい人なので私の感情も読み取っていたと思います。反応が薄い私を嫌っていくという悪循環になっていたと思う。

 それがわかったのは、卒業間際でした。ある時期に数多くの会社案内が来ます。それこそ数十社単位で。もう就職先は決まっているのに。私はそれが不思議でそのたびに捨てていました。電話もかかってきて、面接も言われたのですが、もう就職は決まっていますと返答していました。そんなある時、某社から封書が届きました。

「会社案内の請求は遊びでやるものではない、不真面目な学生はこちらから遠慮する」 というものです。どうして私が怒られるのだろうか……資料請求のはがきが同封されていました。名前と住所は確かに私のものですが、筆跡が違う。会社側は請求理由や目的欄が空白でそれが失礼だと言ってきている。今から思えば大企業ではなく、中小企業のところだったので、余計に無礼を感じて私のところに己の書いたものを見て反省しろと返送したつもりでしょう。

 私が差し出したとされた請求はがきの筆跡はわざと変えてありましたが、Aでした。決定的な証拠もないのに、と思いますが、とにかく就職関係でAの分が決まるまでAのマウントがすごく、やりかねないと思いました。

 それでも私は無反応を貫きました。その会社にも反論しませんでした。

 そして卒業と同時にAとの縁が切れました。私の周辺でAが卒業後も会おうとしつこく言ってくるとの風評も聞いたので、なんだろうと思っています。

 就職関係ではAが蹴った就職先を私がもらいうけた形になったので、それが気に入られなかったのかと今でも思っています。わざわざ私のところに来て「そこを断ってあげたからこそ、補欠のあなた(私のこと)に就職が決まったから、感謝しろ」 みたいなことを言われました。


 当時は年内に就職先が決まる世相で早い人は六月で決まっていました。私は国家職を面接で落ち、もうお正月が明けていましたので民間の就職ならどこでもよいと思って決めたところです。Aが断ったところだとは思ってもみなかった。

 そこは小さなところだからAは断ったのだと思いますが、逆に私はそこに決まってその就職先こそAと縁がなくてよかったのではないかと今でも思っています。

 今なお当時の知人とは時折メールなどで近況を知っているがAの行方は誰も知りません。Aにとっては私がマウントを取りやすい相手だったのですが、今となってはそういう思い出しか私と作れなくてかわいそうにも思います。

 人生の節目の就職にこういう汚い手で、気に入らぬ人を貶める人もいます。白紙で汚い字で書いてきたと怒ってきた会社が、私が請求したと思い込んでわざわざ私の家にその葉書を送り返さねばこれもわからなかったことです。Aなら私と二人きりの時に限って嫌な話をする人でしたので、わからずして人を貶める行為もやるだろう。

 私の人格を貶める目的で多数の企業に資料請求をしていた。記録がしっかりしているところならば、独身時代の私の住所氏名は記録されているでしょう。だからAのしたことは同時に出身大学の名も貶める行為だと今でも思っています。

 Aは最低ですが、一人娘の立場でありながら母親に対する暴言も実際に聞いているので、実妹Zに通じる一種の人格障害もあったのではないかと思います。

 そういった人種から目を付けられてその環境も狭い範囲であれば、逃げるしかないです。私の場合は卒業で縁が切れてよかった。ですが、まったく関係がない第三者の多数の企業を巻き込んだことは許せない思いでいます。Aとしては私の名前を書いて失礼な学生だと人知れず恥をかかせることで何らかの快感を感じていたのだろうけど、もう没交渉ですしAが今何をしているかも興味すらありません。


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