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第二十三話・よくある世代交代の話

 ある民間会社で社長が変わりました。新しい社長さんは、元社長が年寄りで体力がなくなったのを自覚して、人を介して迎え入れた人です。ぐんと若くて有名大学を出て有名な会社から引き抜かれて転職した人。

 部下たちは新体制で会社を盛り立てようとする。が、社の創世記を知る古参の役員がいい顔をしない。

 さあ、来た。よくあるお家騒動の始まりです。私の知り合いがその古参側の人です。ちなみに私と社長とは面識はありません。

 彼は新しい社長に良い顔をしない。

「いい大学を出て、どこそこの会社で成績がよかったのかは知らぬが、古い時代のことをバカにされている感じがするんだ」


 ……気のせいではないか。


「若手を登用するのはいいが、ぼくらの意見を聞き入れない」


 ……理由があるのではないか。


「先代や古参の我らに対して、リスペクトの念がまったく感じられない」


 ……ここで私は発言する。


「新しい社長も大変ねえ」


 彼は渋い顔。あらら、多分、私はそういう空気が読めないところがダメなんだろうな。会ってもない社長の悪口なぞいえぬし、同調するのもいやだ……。こういう時、人間関係の上手な人はどうやって切り抜けているのだろう。


 時代の移り変わりに適応できない人はいる。新社長を非難する人々も悪い人ではない。流れにさからって元に戻せないのを知らないだけ。古い人に気遣いが過ぎると、新社長だって仕事がやりにくい。

 古い人のプライドを保ちつつ、新事業をたちあげ和やかに業績をあげていく……至難の業だと思う。新興事業の醍醐味も味わうには、協力者が多いほどいいが古参からは足を引っ張られると判断されているのではないか。

 こういう軋轢は、代々の財産や功績はすべて長男総取りの時代が長かったからでしょうか。古い歴史はそれはそれ、今は実力社会になっている。

 旧態を好む人は理解というか気持ちを切り替えて協力するのがお互いの幸せの道だと私は思う……けど、それもいうとまた怒ると思うので黙っておいて、イラクサ話に追加しました。

 解決方法は誰にもないと思います。愚痴いう彼はもう還暦を越えている。会社でお役御免にならぬだけマシだと思うべきでしょうが……。

 若い新社長は、がんばれ。






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