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遠くで聞こえる  作者: 咲倉 結裡
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華金!

すいません。

一日おきに更新するはずが、忘れてました。

リアルのほうで、リモート飲み会をしてて、ついうっかり(笑)

今日も今日とて、リモートワーク。

曜日感覚が消えそうになるのを、週に1度の社内会議で思い出す。


昨日の夕方もそうやって、

「あ、そっか。明日は金曜日か」

と、いつもなら少しウキウキしていたあの『華金』を思い出した。


今日やってきた金曜日は、何の期待感も持ち合わせずに、ダラダラとこちらを覗いてくるだけ。

「どうしたの! いつもの『金曜日』のフレッシュさはどこに忘れてきたの?」

そう訊くと、『金曜日』はボサボサの頭を掻きながら答える。

「だって、このご時世ですし……」


ふと、現実に戻った。

あと、毎週そこまで金曜日に求めてはなかったことも思い出した。

ただ、ちょっと外に飲みに行きたいなぁ。という気持ちはあった。

無理だけど。


ネットニュースを見ると、首相が「家で過ごそう」をテーマに犬と戯れる動画をSNSにアップしたことで批判されている。政府による布マスクの配布についても、批判の嵐。

SNSを見てみるともっと地獄絵図で、与党を支持する人たちと野党を支持する人たちの言い合いがあちこちで起こっている。

まぁ、誰かに不満をぶつけたい気持ちは分からなくはないけれど。


数週間前まで新型感染症のことなんてそっちのけで、週刊誌のスキャンダル追及ばかりをしていた野党。

支援団体のために「お肉券」とか「お魚券」とかを配る気でいた与党。

どっちもどっちで、私たちの生活なんてどうだっていいんだろうなぁ、と陰鬱な気分になる。


布団にくるまりながら見るスマホの画面の中で踊るネットニュースたち。

それらは、いつもの金曜日より早い就寝を邪魔するように何か心の中でモヤモヤを増長させていた。


もう、スマホを置いて寝ちゃおうかな。と思ったちょうどそのときだった。

同期入社の友達から、プライベートのチャットに通知が来た。


『まだ起きてる?』


そういえば、金曜日の夜は彼女とよく飲みに行ったっけ。


『起きてるよ。電話しよっか?』

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