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牢屋とご飯
カシャンと音がして扉の小窓から両手ぐらいの大きさのパンと水が渡され、早々に口にいれる。
「・・・・・うまっ。」
そう、この出されるパンがめちゃくちゃ美味いのだ。
いつも焼き立てホカホカで、毎回違うパンが出てくる。
今日のは皮がパリッと香ばしく焼かれ、中は真っ白フワフワ。
皮に塩をかけてあるのか、ほんのり甘い生地と合わさると甘じょっぱくて食べる手が止まらない一品だ。
大きさも両手ぐらいあって満腹感も十分ある。
スーパーで売っている袋入りのパンが食べられなくなりそうで怖い。
囚人なのにこんな贅沢でいいのだろうか。
渡された水もカフェみたいに果物の風味が付いた水で美味い。
牢屋の壁もデザインされてお洒落感が漂っている。
さすが乙女ゲーの世界、女子力高し。