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ヤンデレの予兆

私の向かいに座りお茶を飲む彩芽ちゃん。

目が合うとふっくらとした小さな唇が弧を描き、「美味しいね。」と鈴のような可憐な声が耳に届いた。

(めちゃ可愛い、超癒される。)

荒んだ大地に沁みわたる水のようだ。

私、疲れています、精神的に。

それもこれも全ては攻略対象である炎帝キカのせいだった。

何を血迷っているのかスキンシップが激しいのだ、私の許容範囲を軽々と超えている。

朝のおはようチューと出勤・帰宅のチュー、おやすみチューは挨拶の延長だと考えられなくもない。

考えたくないけど。

が、それ以外の至る時に至る場所でする必要がありますか!?

最初は額とか頬とかだけだったのに、今や首・腕、はたまた脚にも普通の顔してチューしてくるんですよアノ人。

噛みつくようなってありふれた表現ですが・・・・時々歯型がついている時もあるし近い内に肉が千切れると思うんだ、真面目に。

彩芽ちゃんに触れられないからって欲求を身近にいるからとコッチで発散するのは止めて欲しい。

娼館にでも行ってくれよ。

・・・風帝はゲームでも色々な女性と関係を持っていたけど、キカを含め他の帝王はどうなのだろう。

ゲームの彩芽ちゃんへの態度というか行為からは経験が無いのはありえないし・・・。

やっぱり風俗か。

「―――就く事になったの。」

「ふぇ?」

彩芽ちゃんの声で周囲の景色が一気に戻ってくる。

「椿ちゃん、私の話聞いていなかったでしょ。」

「うっ・・・ごめんなさい。」

下世話な考えに耽っていて彩芽ちゃんの話を聞いていませんでした、申し訳ない。

「もうっ、仕方ないなぁ。それでね、私に騎士が就く事になったの。」

「へぇ、そうなんだ~・・・・・・・・ん?騎士?」

「うん、ショウカさんって言うのよ。」

あー、隠しキャラもやっぱり登場するんだ。

出ないで欲しかったなー。

隠しキャラである騎士ショウカは周回プレイで全員が高好感度でないと出現せず、3つあるエンドの2つが世界崩壊してしまう厄介なヤツ。

1つは心中エンドで光の巫女を失った為に闇の力が暴走し世界崩壊、1つは駆け落ちで彩芽ちゃんが巫女の仕事を放棄して世界崩壊。

残りの1つが唯一のハッピーエンドで、ショウカが光の帝王として目覚め、闇の力を封じ込め光の巫女と平和を維持するというもの。

このハッピーエンドに辿り着くには、攻略対象全員の好感度MAXかつショウカの好感度が一度も下げない、全イベントクリア、ミニゲームをノーミスでクリアが必要になる。

しかもショウカは生い立ちに色々あって病んでいるので、上げた好感度が一度でも下がると物語の途中でも直ぐに心中エンドになってしまう。

「その、ショウカさんてどんな人なの?」

「ん~、そうだね・・・優しくて、いつも私を気遣ってくれて、芯がしっかりした素敵な人かな。」

「そ、そっか。」

おぅ、なかなかの高評価。

「私にはもったいないくらい。今度椿ちゃんにも紹介するね。」

満面の笑みを浮かべる彩芽ちゃんに笑い返しながら、ある事に気付いた私の心臓は大きく拍動していた。

もし彩芽ちゃんがショウカを好きになってしまったら、ハッピーエンドに持っていくためにはゲーム通りの展開が必要になる訳で。

今、彩芽ちゃんってどのくらいイベント消化してたっけ?

魔石騒動でそれどころじゃなかったから確認するの忘れていたよ・・・・ヤバイ状況になってたらどうしよ。背中を汗が伝うのが分かった。

兎にも角にも現状確認しない事には何も出来ない、と彩芽ちゃんへ事情聴取を始めることにした。

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