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救出

後ろから投げられる怒声と大勢の足音。

逃げ切れるのだろうかこの状況で、いや、卑怯な手を使って牢屋を脱出したのだから何としてでも逃げねばならない。

でもひたすら走り続けた身体は息が切れて足も重い。

こんなことならインドア生活するんじゃなかった、どうして適度な運動を心がけなかった過去の私。

悔いても過去は変わらないと某有名会社創業者の言葉が頭に浮かんだ時、走る足が縺れ私は無様に転倒し追いかけてきた衛兵取り押さえられる。

「××××××!」

「いでででででっ!!」

高級そうな大理石っぽい床でも石は石、数人で押さえつけられてすごく痛い。

痛みで少し身体を動かしたら抵抗と見なされたのかさらに強い力が加わる。

関節外れたら直してくれるんでしょうねっ!

「う〝ぅ~―――――ん?」

「椿ちゃんっ!!」

上からの力が急に無くなったと思ったら思いの外、近くで名前を呼ばれる。

ボサボサになった髪の隙間から見えたのは彩芽ちゃんの顔だった。

「あ、やめちゃん。」

手を付いて身体を起こそうとしたら彩芽ちゃんが支えてくれる。

「椿ちゃんっ、椿ちゃんっ。」

私の名前を呼びながら抱きついてくる彩芽ちゃんからは甘い良い香りがする。

涙交じりの声に、心配してくれたんだとジーンときて私も彩芽ちゃんの背中に手を回した。

「アヤメ、×××。」

どれくらい抱き合っていたか分らないけど、名前を呼ばれた彩芽ちゃんが私から身を離したと同時に浮遊感がして、高くなった視界に鮮やかな黄色が映る。

「んぇっ!?」

目の前にある端正な顔に驚いて動いたら切れ長な目に睨まれたので動きを止める事にしたのだけど、そりゃ炎帝キカにお姫様抱っこされたらびっくりするって。

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