080 久しぶりの地上
おおー。久々の空なのです! 今までずーっと海の中で暮らしてたからマジで久々!
海の中からでも光は入ってくるから全く上の方が見えないってことはないけど、水の外は久々!
ふぅふー!
『なんかすっごく元気だねー』
おうふ。ところで人魚さん。そちらは水から体だして大丈夫なのですかな?
『問題ないよー? 人魚は水の中でも水の外でも生きられるから。地上だと移動が大変だけどねー』
万能生物キタコレ! まあ、スライムほど万能じゃないかもしれないけどねー。
『スライムさん水の中でも生きられるもんね……でも、弱いよね?』
普通のスライムはな! 私最強のスライムなので! ふはははははは!
『すっごく楽しそー……』
おー。やっと陸地かー。
『あそこまで運べばいい? それともここで降りる?』
運んでくだしあ。地上が近いからと言って海中で放り出されたら海流に流されそうなので。
人魚的にあんまり陸地に近いのは問題ありそうだけど大丈夫? 生きる生きないの問題ではなく。
『問題ないよー。それじゃあ、連れてくねー』
ういうい。さてさて……地上かー。今までずーっと海の中だったのよなー。
久々の地上、これはしばらく地上での体の動かし方を忘れてるところから直さないとなー。
ぴょんぴょん跳躍に、普通に這って移動。体の動かし方、伸びる体に圧縮解除。
今までずっと水の中での生活だったから感覚を戻さんと……海と普通の水は違うし。
『ついたよ』
おうふ。ありがとうございますでした! では降りますねー。ここまでありがとさん。
『ううん、別にいいの。こっちこそ、ありがと。あなたが魔物を倒してくれたから助かったし』
なあに、どちらもこっちがノリでやったことなので。別に損があるわけでもないですしね。
『それでも。こっちにとってはとっても感謝してることだから。ここで、あなたとはお別れだね』
うい。そうですね。そんじゃあ、さよなら。海の中で元気に生きるのよ?
『もちろん。あなたも元気でね!』
そう言って人魚さんは海へと帰っていったのでした、まる。
まあ、大丈夫でしょ。同族に酷いことはせんやろし。
送らせたのが彼女がどうなってもいいから、という理由だったら不安だけど。
まあ、罰みたいなのならまだ大丈夫?
……なんにせよ、戻っていった彼女に流石にそこまでこちらも責任持てませんね。仕方ない。
さて、地上に戻ってきたは良いけど、いろいろと調子戻さないと。同化している海水どばー。
海の中でも自由自在に同化で海水無くせばそれなりにできるのよねえ。一瞬だけど。
それでもないよりはそれなりにマシ程度にはうまくいく。やらなくても問題はないのだけどね。
えっと、他に同化していた物はー。ひゃっはー! 金銀財宝だぜー!
スラさん使い道がないのですが?
何か使える機会でもあれば使えばいいんだろうけど、さてどうするか。まあ保管しとこ。
沈没船から手に入れた物は後は剣か。まあ、こっちも使い道はないのです。同化で保管なー。
財宝に指輪に剣に、同化で保管されているアイテムの多いこと。
私が倒された場合のドロップ豪華すぎ……!
さて、地上の砂浜に出たはいいけどここどこなんだろう。
前にいた迷宮出た所の街とか、森とかないよなー。
どこまで流されたんです? どういう方向性で流されたんです?
そもそも戻る手段もねーですけど。
川流れで来たんだから川を遡らなければどうしようもねーのよな。
ま、なんでもいいです。それなりにのんびり行くだけよー。
馬車でも通ればそれに張り付くのもいいんだけど。
でも、どこか馬車が止まるような場所もないよなあ、この辺り。
それまではずーっと歩いていかなきゃあかんかー。
スライムは疲れ無し寝不でも問題はないけど、それでも意外と面倒は面倒なのよねー。
ヒュドラの時みたいにちょっと精神的にハイになってりゃ気にすることもないんだけど。
こう、あまり周りの様子が変わらない景色を延々歩くのは……いや、歩いてねーですけど。
まあ、どこかで馬車待ちしよう、そうしよう。
どうせなら人魚さん足に使って港町に運んでもらえばよかったかな。




