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スラさんの転生先こつこつ生活記  作者: 蒼和考雪
異世界観光旅情
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077 水中の街

ここは……なんというか、水中に存在する街だな。

人魚っぽくない街? まあイメージ映画だしなあ。

別に水中だからって水中素材で作らなきゃあかんと言うわけでもない。

そもそも貝殻の家とかないない。

石……石材で? でも水中だからなー。まあ、ちゃんとそのあたりどうにかしてるんだと思うが。

流石に鍛冶の類とか、温かい食事とか火を使うものは作られてなさそう。

ってーか、装備どうやねん。皮とか鱗とか……まあ、そんなもんだろうな。水中だし。


『ここが私たちの海の私たちの街よ。どう?』


どうと言われても。やっぱり水中海中だからかなり独特な感じかなーとは思うけど。

評価はしづらいかなあ。いいとも悪いともいえないです。だって実際住んでるわけじゃないし。


『そう……』


ところで、誰か近づいてきていますが。どうするのです?


『え、ああ、私が帰ってくるのが遅かったのと、あなたのことを説明しないと怒られるわね』


ふっへ。まあしゃーねーよなー、そういうのは。

そういうことなので彼女は近づいてきた男の人魚さんとお話しています。

そういえば名前聞いてねえ。まあいいか。どうせ人魚とかかわること自体少なそうだし。

人魚さん、男の人魚さんとかそんなのでいいか。

ってーか人魚イコール女の人魚ってのも固定観念よなー。

日本人魚も外国マーメイドもイメージ女よな。

人魚の元イメージはジュゴンとかマナティーとかそういうやつなんだっけ? 艶めかしいのかね。

ほそくてつるっとしてふくよか。

まあ、普段から海に出るのは基本男やし助けられるなら男より女だしね。


『だから、魔物に追っかけられたのを助けてもらったの!』


おおう。まだ話してる。ってか納得いってない感じー?

まあ、スライムが魔物倒したと言われても無理よな。

おおーい。


『なに?』


ってかそっちの声しか聞こえないんだけど何話してるのさ?


『あー、そっか。えっと、これ念話でも広域念話で、皆に聞こえる念話だから……』


ふへー。念話の応用? 派生スキル? それともある程度成長したら使えるようになるのかしら?

そうね、変化も成長するといろいろできるようになったし……そういうものなのかね。


『もう! だからさっきから……あなたも広域で話せばこのスライムに声が聞こえるわよ! わからずやっ!』


男がふん、と鼻を鳴らすような感じにどや顔しよるぜ。


『はっ。ただのスライムに広域念話など……まあ念話で魔物を追い払うこともできるしな。おい! そいつから離れろ!』


おー。男の人魚の方も声が聞こえるでー。

ふーん。念話で意味は分からなくとも声は通じるから、それでかね?


『っ!? スライム如きが本当に話せるのか!?』

『だから言ったじゃない! 魔物から助けてもらったし、とても強いみたいなのよ!』

『ふん……確かに念話に対応できるくらいに知能はあるようだが、だからと言って実力があるとは……』


面倒くさいなあ。こっちとしては別に地上に送ってもらえればそれでいいんだけど。


『誰がお前なんかのために地上に近づくか。自分で勝手に向かうがいい』


まー、そういうことなんで。

送ってもらうことを交換条件に魔物を倒す手伝いしろってこの子に言われたのさー。

別にこっちとしては去ってもいいんだけどね。


『駄目よ! あれだけ強いんだもの、手伝ってもらったら安全に戦えるはずよ!』

『だが、魔物の手を借りるなど……』


人魚って魔物でなかったっけ? 確か迷宮にもいた憶えあるんだけどなー。

まあ、迷宮の人魚と海の人魚は別かね?


『…………とりあえず、長老に話をしてこい』

『はーい』


おう? 話は終わりましたかね?


『うん、終わったよ。それと、人魚は魔物……らしいんだけど、自分たちでは魔物とは思ってないから、あまりそういう話題はなしでお願いします』


あ、はい。了解です。


『さ、こっち!』






人魚の街の長老のところに連れられ、そこで私は長老さんとお話をしたのです。

そうしてそこで集まっている魔物の討伐の手伝い……という名の特攻野郎を命じられました。

何を言っているかわからないと思うけど、いつの間にかそうさせられたんだよこんちくしょう!

まあ、下手に人魚全員で突貫するのを一緒に戦ってくれと言われるよりは一人の方が気楽なんだけども。

しかし、一人で戦うのにも限度はあるのです。具体的には移動手段がこのスラさんにはないのよ。

それに関して話すと、では人魚を一人乗り物として使えと言われました。足役ですね、わかります。

それを誰が担当するかと言うとー。


『ふええ……せっかく無事戻ってこれたのにー』


勝手に外に出た罰らしいけど。まあ、そうね。しかたないね。ばれちゃったらねー。


『みんなやってるのにー!』


ばれなきゃお咎めなしはよくあることよ。あなたの場合バレたじゃないの。

じゃからしかたないのですよ?

まあ、こっちとしては見も知らぬ相手の気もわからない人魚といっしょじゃなくてよかったんだけどさー。


『うーん……でも、私とあなた二人だけで戦うんでしょ? みんなが一緒ならまだしも……二人じゃ……死ねって言ってるのと同じよ?』


ふふん。なあに、数に任せた相手ならスラさんにまかせんしゃい。

ああ、でも身を護るのは頑張って。

スラさんは一応防御能力あるし、できるだけ体にスラさんの体伸ばして守りにするけど。

それでも絶対安全ではないからね?


『うう、不安……』


乗り物であるあなたが倒れたら私も移動手段がなくて詰みかねないのでどうにかがんばってください。

まあ、こっちは死にはしないんだけど、移動がまともにできなくなるからなー。


『酷ーい! こうなったら意地でも生き残ってやるんだからー!』


なあに、これでもでかい相手も移動が速い相手にも慣れてるのよ。

まあ、水の外でだから絶対安全ではないんだろうけどね。

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