表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スラさんの転生先こつこつ生活記  作者: 蒼和考雪
異世界観光旅情
73/132

073 魔境:海

だんだん大きな川になっていくー。まあ、最終的に川は全部つながる感じで大きくなるのかね?

国や土地、河川工事次第でもあるのかな。わっかんねーや。

とりあえずこの川は最終的に大きくなるみたい。

そしてその川は海に流れ着くみたい。まあ、水の流れ付く先は地下水か海かだよね、多分。

おおー。ついに海水に着水! いや、水の中だから着水は違うのか。

海水は淡水とはなんか違うなー。食感……いや、触感?

こう、触れてると何かこう出てくような、薄くなるような、濃くなるような。

もしかしてあれか、塩水だからその影響? そうだとするとあまり塩水中にいるとまずいかな?

一応変化使って塩水適性を持っておくか。おお、環境耐性的に変化便利ね。

まあ、流石に砂漠や凍土はきつかったけど。マグマとか溶岩地帯も無理っぽそうだし。

でも、海適性を持てるのであればかなり都合がいいのでは?

水中はスライム的にかなり有利だしねー。

しかし、海に来たはいいが、これ何か、動きが、やばいーっ!?


ながながながなが流されたーっ。そうね、海って湖とは違って流れがあるのよね。

川も流れがあるけど、川はこう上から下への流れで分かりやすいんだけどさ。

ほら、海流は流れって見えないじゃん。見えるのかもしれないけど俺にゃわかりませぬわ。

スライムも一応水中移動は出来るのよ? 接地していなくても水中を体をよじる感じで。

でもさー。ほら、海流の移動速度とスライムの移動速度だと海流の方がはるかにはやーい。

そういうことなのでスライムさんは一方的に流される一方なのです。せめて水底に着きたい。

っていうか、このまま流されるとやばくない? 海流が地上方向に行くのならいいんだけど。

仮にこれが沖の方入ってたらやばいんじゃない? スラさん戻れます?


ぐぬぬ。海流に流される一方、しかもだんだん底が深くなっているせいで沈めない。沈メ沈メ!

これだとスラさんが地上に帰れるのは何時になることでしょう。いやいや、海中探索もいいものよ。

でもせめて自分でどこ行くかとか決めたかったなー。

それに、接地していく方向決めておきたかった。

このままだと海流にぐるんぐるん流されるまま。そのうち世界一周するのではないかしら?

まあ一応それなりに沈んでいるのでどこかで接地できるでしょう。

そう思いたいんだけど……おやー? 何か向こうから来ますよー? 竜っぽいですねー。

あれか、海竜とかそういうの? 恐竜系の海竜かな?

ヒレタイプの手足だし。しっかしでかいなー。

そしてなんでこっちに一直線に来るのかなー? しかも口をがばーって開けてさー。

はははははは……食うつもりかこんちくしょー!!











 その日海竜は海の中を優雅に泳いでいた。水の中は日の光も差さない深い所も多く、また水が感知能力を鈍らせる。それゆえに、彼等水中に存在する魔物はそれぞれで独特の感知能力を有することが多い。特に海竜である彼は魔力……正確に言えば、その存在の内包する力の総量を測る能力を有していた。

 海竜は海の中を優雅に泳ぐ中、ある力の塊が自分に近づいてくることに気づく。あれはなんだ? 小さいが、とても大きい力を秘めている。それは生物のようには思えない。海の中に存在する流れに流されている。それは小さい。今を逃せば回収は難しい。それはとても大きな力を有している。なるほど、それを取り込めば自分はより強大になれるのではないだろうか。

 海竜は色々と逡巡し、その存在を己の体内に取り込むことに決めた。どれだけ強かろうとそれは小さき者、自分の体の内部に取り込んでしまえばあとはどうとでもなる。竜の体は強靭、体内部もそれなりに強固でありそうそうやられることはない。海竜は海の中でかなり上位の存在であり、今まで負け知らず苦戦知らず。まあ、彼以上の存在もいないことはないが、それは自分よりも大きいことが殆どで、自分よりも小さい者に負ける道理はない。そう考えていた。

 そうしてその存在に近づき、その存在を丸呑みして体内に取り込んだ。噛んで取り込むにしても海流の勢いやその存在があまりに小さすぎるせいもあって無理なので丸呑みしたのである。あとは自分の体内で溶け死ぬだろう。そうして溶けたそれは自分の体に取り込まれ、その内包する力を自分は取り込むことができる。彼はそう考えていたが、異常が起きる。

 体の中で何かが大きく膨らんだ。おかしい。自分は小さいものを食べたはずなのに。それはどんどんどんどん大きくなっていく。それは自分の食物を取り込む器官を占めてもまだ大きくなる。体の中で何かが切れる。引き裂かれる。潰される。それはどんどんどんどん大きく、膨らんでいく。ああ、自分の体がそれで膨らむ。ああ、それで自分の体が引き裂かれる。自分の体はそれを抑えきれない。消化もできない。口から溢れそうになる。いや、溢れてほしい。溢れればまだ自分の体は無事でいられるのだから!

 しかし、それは無情にも、容赦なく竜の体を引き裂く。竜の体から外に出るよりも早く、竜の体の方が限界に来た。それが膨らみ、竜の体が破裂した。肉が膨れ上がり、ちぎれ飛び、そこからスライムの体が現れる。少しだけの被害なら竜も生きて居られたかもしれないが、流石にその被害は体の全域で起きた。肉体が強靭ゆえに、完全に破裂して海中で飛び散るようなことはなかったが、しかし体のあちこちからスライムを溢れさせる状況になった。内臓も肉体もズタボロ、流石にそんな状態で生き続けるのは不可能だ。そのまま彼は死んだ。











ふう、まさか食われるとはなー。まあ、久々に大きな餌を食べられたので良しとしますか。

しっかし、食べるつもりが逆襲されて食われるとは不憫な。

まあ食べられてやる気はねーですけどね。

っと、沈む部分はないかな? 沈む勢いに乗っかれば地面に着地できるぞー!

水中で着地っつーのも変な感じ。

まあ、いいや。なんでもいい。とりあえず、水底に下ろしてくださいなっと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ