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スラさんの転生先こつこつ生活記  作者: 蒼和考雪
異世界観光旅情
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068 森での衝突

さてさて森に来ました。第六エリアとは違い、空も見える普通の森ですねー。

いやはや、魔物の数は少ないね。まあスライムとか普通にいるけど。

あそこみたいに強いスライムではない。普通のスライム。

まあ、あれか。普通の場所にいる魔物は普通の魔物ってことよね。

迷宮がかなり特殊と言うか特別だったわけなんだろう。ふーむ。

まあ、迷宮とは違って植生が普通なのはいいねえ。綺麗な花、見かけない植物に茸。

樹も全部が同じ種類同じサイズじゃなくて、それぞれ形も少し違っている。迷宮はコピペな感じ。

まあ、あちらはあちらで自然な植生は無理だっただろうしね。主にカブトとクワガーのせいで。

あいつら樹々を破壊してくんだもん。そりゃ普通の自然生育に任せるの無理だわね。


植生が普通、当然出てくる生物も普通。普通と言ってもこの世界の何が普通かは知らねーけど。

まあ、魔物ばっかりってことはないよ? ついでにスラさん狙われない!

狙われないのは向こうでもそれなりに会ったけど、低い階層では。まあ同じスラさんとかだけど。

他の魔物には普通に狙われていたことを記憶していますで御座る。

動物相手だと流石にスライム程度でも魔物は怖いかね? いやいや、あっしがやばいんすよね?

まあ、ヒュドラ倒せるような相手には近づきたくはないわな普通。

動物はそういうとこ敏感なのかね? どうなんだろう。






森を移動していると何やら戦闘音。いいえ、音は聞こえません。振動を感知するだけです。

まあ、振動は結局音に近しいってか、音が振動と言うか。鼓膜で感じているわけではないのよ。

一応振動そのものの感知は出来るからそれでなんとなく何が起きているか、ってところだねー。

さてさて、戦闘と言いましたが。どうしましょう? 私スライムなのですけど?

仮にこれが魔物と冒険者の戦闘なら、近づけば襲われますよね? 下手に近づくのはよくない。

そもそも戦闘状況がどうなのかってのもわからないわけですし? うーん、だけどなー。

放置して死なれたらーって思うとなー。まあさ、こんな場所に来る時点で自己責任やもしれぬよ。

でもやっぱりなー。まあ、気になるなら行動するべし。行ってみよか。


跳躍と空中跳躍はマジ便利。木に登るもわざわざ這って登る必要性がない。山でもそうだったね。

しかも、高所に行きやすい利点、横向きでもへばりつけるからそこから跳躍できる利点。

いやー、凄く便利だわー。二枠使ったのは痛かったけど、入手できたのは大きいよね。

さて、そんなふうに木の上に登り、下を見る。

まあ、森内の全てを見通せるというわけでもないのですが。

それでも音の方向やら何やらを感知すればおおよそ見通せる。ふっふーん。

あそこやね。恐らくはオークと思われる個体が八、冒険者が四か。二倍かー。

でもこんくらいならスキルもある人間有利では? と思うのだけど。何やら苦戦している様子。

ふむー? 助けに入ったほうがよかですか?











「くっ! セルティ! スキルは!?」

「駄目……もう少し回復してからじゃないと」

「こっちは持ちこたえられるかわかんねえぞっ!」

「ヒール! 私もそろそろスキル使えなくなります!」


 魔法、魔術、その手の攻撃スキルは消耗が大きい。ここに来るまでに何度か彼らはスキルを使用してきた結果、今回襲ってきたオーク八体を相手に苦戦する結果となっている。いや、オークも彼らの戦闘の様子を見守り、スキルの使用回数を確認していたのかもしれない。それくらいに、ちょうど魔法系の攻撃スキルが使えなくなったタイミングを狙われた。


「せめてあのリーダーを何とかできれば……!」


 オーク自体はほぼノーマル、通常のオーク個体だが、一体賢しいオークが存在する。おそらくはオークの中でも少し強い彼らのまとめ役であるオークだろう。強さだけが基準ならともかく、思考能力が高い個体となるとかなり厄介なことになる。

 事実、今回においてはかなり厄介な事態になっていると言える。


「森だからまだ樹が邪魔をして抑えられてるが……」

「逆に森だから状況が悪いだろ。まあ、そこまで頭がよくないのがまだ救いじゃねーの?」


 リーダーの個体がいるからと言って、本来のオーク以上の性能が発揮できるかと言うとそういうわけでもない。ただ、ある程度の指示や誘導ができるくらい、あとはタイミングを見計らってきたなどの少し頭がいい程度。しかし、魔物である彼らはその程度の変化でも十分強く厄介な物である。


「ヒール! だめです! 尽きました!」

「っ! 回復はなくなったか!」


 前衛として張っている二人がいるからこそ、彼らを回復するかヒーラーがいるからこそなんとか状況は維持できたのだが、残念ながらそれも無理となったようだ。これからは傷ついても回復できない。


「覚悟を決めるか……」


 せめて女性陣二人だけでも逃がす。そのために命を張る覚悟をする。なにせ相手はオーク。捕まればどうなるか。そんなふうに考えていたところに……一つの影が降ってくる。


「なんだっ!?」


 しなりのある液状の一撃が一閃。振るわれた一撃はオークに当たり、その肌を焼く。スライム。最弱の生物とされる生き物が空から降ってきたのである。


「スライム……?」

「おいおい、あれがスライムなわけ……ないだろ?」


 そう思いたい、と言うのが本音だろう。スライムは彼らの知る限り最弱の魔物である。それがオーク八体を相手に一方的に攻撃している。それも全くダメージを負わず。現実を疑うような光景である。


「……た、助かったの?」

「に、逃げませんか!?」


 後ろの二人が提案してくる。彼女らにとっては戦況がどうであるかは関係ない。今前衛二人はオークに襲われておらず無事で、しかしこの後戦い続けることは難しい。攻撃スキルも回復スキルも消費したのだから。いくらか休み時間を置けばまた使えるかもしれないが、現状では無理。仮にスライムが勝ったとしても、オーク側が勝ったとしても、戦闘続行となると不可能だ。それにスライムは最弱と言われるが、上位種となると厄介なものとなる。確かにスライムである以上上位種としては弱い方になるが、それでも上位種は上位種、強いことに変わりはない。

 ならば今、彼らが戦っている間に逃げるのが得策である。


「そうだな……逃げるぞ!」

「くそっ!」


 前衛の一人は逃げると言う選択に悔しそうに叫ぶ。彼にとってスライムという最弱種から逃げるのは屈辱である。まあ、目の前で自分たちでもどうにもできない相手をまともに戦い倒しかけている事実があるのだから、そこまで気にする必要もないと思うが。

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