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038 酷環境を征く

第九エリアは砂漠です。当然ながらその熱気はむんむんと満ちている場所なのです。

幸いなことに日が差していないのが救い。まあ、迷宮内に太陽はないわな。

でも熱気は熱気、砂漠の大地というのも中々に過酷なもの。特にスライム系にはつらいでしょう。

スライムは液体の体を持つ。別にそれは水というわけじゃないけど、液体である。

液体ということは蒸発しやすいと言うこと。まあ、水分含むわけでその水分の蒸発だってあるよ。

だから砂漠と言う環境は本来スライムにはつらい。

もちろん迷宮なのでこの場にもスライムはいるけどね。


他の場所のスライムとは違い、ここのスライムは少々別物。これは実は第八でも違っていた。

環境の問題もあるんだろうけど、それぞれに適応した感じのスライムが存在している。

第八ではアイススライム、コールドスライムとでもいうべき存在。

第九ではファイアかマグマかそんなの。

とはいえ、私には近づいて来ないわけですが。

まあマグマだろうがアイスだろうが全部飲み込んでやるぜ。

っていうか、圧縮した体で踏みつぶせば倒せるのです。

核さえどうにかしちゃえばいいんだからね。

そういう意味では厄介なのは核の存在しないスライムになるんだろうけど。

そのスライムがいるかは知らない。


さて、まあとりあえずの問題として。この砂漠の横断。まず砂場というのが一つ。

砂が熱いのよ。そのうえ空間的にも熱く、周り全部があとぅい! つらいったりゃありゃしない。

まあ、熱気に関しては変化で耐性を持たせたうえで皮、最外側が干からびた所でなんとか留めて安定させてる。

外側が明確に皮のようになることで水分が露出、外に出て行かないようにするのです。

当然ながらスライムの生態的に移動手段やら何やらを考えると完璧とはいかないのでつらいところですが。

まあ、何もしないよりはましよね。

当面は第八と第九の中間地点、二つの環境がぶつかり合う所を起点にする。

そのうえで、第九を探索し道を探す。とはいえ、実は第九は攻略自体は難しくなさそう。

と、いうのも。この第九エリア、砂漠なんですが、あれです。砂漠なんです。迷宮ではなく。

ラビリンス形式のような場所に砂地が、という第八に近い形式ではなく本当に砂漠のような感じなんです。






しばらく砂漠を探索して。出てくる魔物。

主に熱に強いタイプ……ではなく、砂漠にいる感じなのが主です。

例えばサソリとか。まあ、大サソリですが。

あと、よく創作にいるサンドワームとかそういうのもいたね。

他にはサンドゴーレム、煉瓦のゴーレム、ストーンゴーレム、そういうゴーレム種。

骨でできた恐竜みたいなの? アンデッドの類とかかな?

これはアンデッドというよりはゴーレムかな?

なんというか、酷環境ということもあって生きていない生物はかなり扱いやすいみたいよね。

え? 生きていない生物って矛盾してる? まあ、他に表現が思いつかないから。物質生命?

さて、もちろんその程度で済まないのが砂漠。

ピラミッド的なマミーがいたり、スカラベっぽいのがいたり。

あとはグールグーラーとかそんな感じのがいたり。

こんなきつい環境でも生きられるのは生命の神秘です。


ところで、当然ながら砂漠の特徴を持つこの場所。

まともに生きられる生物が多いのには理由がありました。

まあ、砂漠にはつきもののオアシスがあったのよ。ありがたいことよね。

なお、そこにも魔物はいるわけですが。

そのオアシスのおかげで第八まで戻る必要がなくなったのはありがたかった。

いやー、結構面倒だったのよ。

オアシスには水も草もある、食料にも困らんね。まあ、主に毒物が多かったけど。油断大敵。

とはいえ、自分に毒は通じないのですよ。毒も一緒に消化しつくしちゃうんだぜ。

これは魔物にも言えるね。スライムは食事において万能。

まあ、伊達に各所で死体などの遺物処理を担当しておりませぬわ。

まあ、スライムが食べられないものがあったらずーっと残っちゃうもんね。

他の生物が食べられるわけでもないし。

処理に困るものを自然分解して待つ時間は迷宮にはない。

それゆえにそれらを食べるスライムが必要なのかも。

結局そのあたりの事情は私にはわからないのですよー。所詮スライムですからー。

そもそも情報を得る手段がないっての。だから経験的生活的に物事を考えるしかないの。


そんな考察はさておき。実は第九は攻略自体は容易。

砂漠で障害物もほとんどなく、出てくる魔物と熱気が敵。

そんな中オアシスを見つければそこを起点に捜索探索もしやすく、攻略も容易になる。

まあ、問題はそんなオアシスに人間が多いことだけど。

人間がいる場合は水の中に隠れて過ごしています。

流石にオアシスは人間が過ごしやすいと言うこともあって沢山いるけど、別にそこに生活拠点があるわけじゃない。

そもそもこんな酷環境、オアシスがあるからって魔物もたくさんいるし食料も毒ばかりの場所にどうしていられるのか。

当然いられるわけもないわけで、すぐに別のところに行く。

まあ、ここまで来る人間は上級の冒険者。

既にこういう場所の情報共有はしているのか、出口まで一直線にみんな向かっていくのです。

よくよく考えれば人間追えばわかるよなー、って思ったりもする。まあ、今更だし。

そもそも人間を追うのは危険よね。砂漠は障害物もなく見つかりやすい。

擬態も流石にちょっと辛い、場所的に。

もっとも既に場所はわかっているのでそういうことをする必要もない。

さあ、次のエリアへ行きましょう!

ここがつらいのは人間だけじゃないのよ! 自分だってつらいのよ!

だから早く他所に行って! 次のエリアに!

しかし、もう第十エリアか。

ここまで人間が来ている以上、この先で終点というわけじゃないんだろーなー。

まあ、それならそれで安心です。

ここが攻略されるとやばいんじゃないかなーって思ってるわけだし。

せめて自分が成長しきるまでは、それまでは何とか無事でいてください迷宮!

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