033 あらためて確認
さて、雌伏の時間。ちまちまこつこつ力を溜めて逆襲を仕掛けることを夢見て。
いや、誰に逆襲しかけるのよ? そうじゃないわって話。えっと、まあ雌伏には変わりないけど。
今自分は力を溜めているのです。第六エリア、ここに来て第三のようにやはりやばそうな雰囲気。
三の倍数ごとに強くなるのかしら? まあ第四第五が弱いとは言えないんだけど。
単に第六は数と単純に強力なのが多いからそう感じるだけかしらね。
まあ、おかげで鍛えなおす必要が出てきたのです。そう、鍛えなおす必要が。
鍛えなおすと言っても、自分スライムなので体を鍛えられるわけではありません。
せいぜい私にできることと言えば、たくさん物を食べて大っきくなることだけなのです。
まー、大きくなるといっても基本の大きさは変わらないけどね。
ほら、ちょっと前に削られたから。グリフォンさんは勝てたといえ強敵でした。
あの方でそれなら巨人もやばそう。人間も無理。
そしてこの先、第七へと進むのであれば確実に強い敵が増えるのは間違いない。
今のままじゃやばい。
そういうことなので、改めて自分を見直して鍛えなおす、方向性を考える必要があるのです。
まず今の自分についてから。元人間現スライムの異世界転生者。理由は不明。
まあ、そこはなんでもいいね。スライムとして生きなきゃならん以上深く考える意味もないし。
ちょっとホームシック的なところはあるけど泣いて物事解決するわけでも戻れるわけでもない。
そういうことでスライムとして生きなきゃあかんというわけですが、スライムはこの世界では最弱。
最初のエリアにでてくるお食事雑魚。ゴミ掃除役かな? 多種多様で各エリアにも存在する。
意外とスライムさんも派閥というか上下関係とかあるのか、雑魚スライムは他エリアには入れない。
まあ、同じエリアにでてくるスライム同士は争うことはないみたい。
強さが近いのか、そういう決まりなのか。まあ複数エリアを跨って移動する自分には関係ないか。
えっと、そして今の自分はスライムから進化してビッグスライム、更に進化してヒュージスライム。
強さとしてはビッグの上位、このビッグスライムが第四から出てきたんだっけ?
第一のスライム、第二のスライム、第三のスライム、第四のスライム。
三つあがったら上位種かしら?
あれ、ということは第七にヒュージスライムがいる可能性が!? いや、流石にないか。
ちょっと普通のヒュージスライムが第七にいると多分やばいんじゃない? 強さ的に。
スライムだからそこまで強くはないと思うんだけど、スラさんんとビッグでは極端な差じゃない。
えっと、スラさんが一ならビッグは十くらい? んで、ヒュージは多分百はいく。
進化が十倍十倍でいくなら、ヒュージは七とかじゃなくてもっと先だと思う。まあわからんけどね。
っていうか、進化十倍なら百の十倍、次は千くらいの強さが必要なの? ちょっと無理っぽいなー。
せいぜい二百か三百で妥協してくださいな……まあ、基準が最弱スライムだからあれだけどさ。
さて、自分について見直す、種族的なものは置いておくとして。今度はスキル。
えっと、今持っている自分のスキルはスラさんの時に得た圧縮、ビッグの時に得た擬態。
そしてヒュージになってから変化のスキルを得ている感じだね。三スキルか……少ない。
まあ、少ないなりにスラさんでやっていけるスキルではある。
もっと有効なスキルが欲しい所だけど。
まず圧縮。これは普段の大きさに圧縮しているのが一要素。次にそれを解除するのが一要素。
圧縮しているのを解除すると、一気にぼんっとふくらむからその力を利用して相手を破裂できる。
また、取り込んでいる状態で圧縮をかけることでぐちゃりと潰してとりこむこともできるね。
まあ相手の防御力次第でもある。前者はわかんないけど後者は金属系は圧縮しにくかったりするし。
結構優秀ね。部分的に圧縮解放で体伸ばしたりもできるわけだし。
まあそれは制御が面倒なんだけど。
次に擬態。これはなー。
自分ではあまり確認できないし認識の問題かわからないけどわかんないんだよね。
効果があるのははっきりしているけど、他の人から見た視点なんてわかりようがないわー。
そもそも、擬態は見た目を他からわかりづらくする以外の要素がない。有能ではあるけど。
他に使い道がないせいもあって、それ以上のことはできないものだと思う。
まあ発想次第かもしれん。
さて、それで変化だけど。これはもともと火や氷、雷への耐性が欲しいからという目的だった。
だけど、酸性要素を強めたり毒性への変化、あとグリフォン相手にも使ったけど粘性質にしたり。
多分これ、以外に使い道はあるのよ。
まあ、他のスライムのような感じになることはできないだろうけど。
あと、変形もできない。まあ変化と変形は別物だろうね。なんで変形得られなかったし。
いや、それも多分変形はスキルじゃなくてスライムの特性だからという結論だったはず。
つまり変形はナチュラルにできる。体をこう色々と形を変えてーってのは実際やってるしね。
そもそも移動だってスライムの場合変形の一種に近いのでは? 体を変形させながら移動している。
と、いうことで。自分については大まかにわかっている。これまで色々とスキルも得ているわけで。
今は確かに自分は弱いのかもしれないけど、もともと弱いから弱いと言うのは楽だよね。
でも、十分にスキルだって得ているし、自分のことだって理解を深めているし、スライムの強みだってある。
つまり今以上に強くなることは不可能じゃないはず。
何で弱いかって、それを鍛えていないからだよね。
なんとなく、雰囲気で、ふんわりとやってきたけど、それだけじゃあかんと思うのです。
我々スライムはもっともっと強く、自分の出来る扱える事を最大限使っていけばもっと強くなれる。
うん、我々と言っても自分だけだけどな! まあ、そういうこったから食べて大きくなるのも一考。
だけど、スキルや自分の能力を最大限扱えるようにもなるべきだ。
それこそ勝利に、強化につながる。
ま、のんびりやりますよ。スライムの寿命って謎だな。いったいいくつまで生きるねん?
意外と寿命というものはないのかもしれない。それならかなりありがたいところです。
長生きできるのは嬉しいことよ。
不死は心が病む人もいるやもしれんが、なってから考えればいいんやで。
なっていない存在が不死がどうのこうのと考えるのは無駄なことだものね。
まあなってからなりたくないって言っても遅いのかもしれんけど。




