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スラさんの転生先こつこつ生活記  作者: 蒼和考雪
再来旅路神成活
128/132

128 対聖国のお話

「この街はかつて吸血鬼が支配していました……私の元主の最悪なのが」


ああ、うん、自分倒した奴ね?

でも今はあいつはもう骨の髄まで消化していなくなっているわけだけど。

それが何か問題でも?


「いえ、それ自体は問題ありません。私としては今の主様、あなたが主となってくれたので構わないくらいです……今はこの街は吸血鬼の手から離れました。いえ、私と言う存在がいる以上完全に離れたとは言えませんが、別に私はこの街を支配したいとか人間をどうにかしたいとか思っているわけではなく、必要な食事さえできるのであれば別に構わないなと言うくらいですのでどうでもいいのでいないも同然ともいえますが……まあ、そういうことが昔あったと言うこともありまして、吸血鬼を含む魔物全てを敵視する聖国がこの街を目の敵に……正確に言えば私を目の敵にしているようで。そのせいもあってこの街に何度も何度も何度も、追い払っても叩きのめしても半死半生にしても、何度も騎士が来るんです……それをどうにかしたくて」


それさ、クルシェさんが騎士を叩きのめしているのが逆にクルシェさんの存在証明になってるんじゃない?


「はい、それには何度か騎士を張っ倒してから気付きました…………」


ああ、うん、自覚あるのね……

っていうか、それならやっぱり街を移動するとかの手段で逃げちゃえばよかったんじゃ?


「いえ、主様の復活と再来を待っていましたので。それに、また来ると言われた以上、ここでお待ちする以外にないかなと」


会いに来ても良かったんじゃ……

いや、すれ違いとかありそうだし、起きた時期もわからないだろうし……

そう考えると待っているのが一番会いやすい方法か。

見たことない場所行くよりも見たことある場所に行く方が楽だし。

しっかし、騎士相手かー。そういえば来る途中に見たような気がする。

どうでもいいからスルー推奨だったけど。

え? でも、わざわざ来た騎士を相手にする必要あるの?

どっちにしても、今更どうにかする必要ってある?

もう自分クルシェさんに会ったんだし、これ以上クルシェさんがここに滞在する必要はないでしょ。


「そういえば……そうですね。今の私はもう主様についていくだけ、食事の問題は蝙蝠に適当に人間を襲わせて吸わせればいいだけですし……最悪近くの街や村に乗り込んで催眠洗脳魅了で全部忘れさせたうえで死なない程度に血を吸うって言うのもありですし……わざわざ聖国相手に戦う必要性がないような気もします。ただ、一応この街に来る騎士だけはきっちり殲滅しておきたいですね。あれで聖国はその主義主張が色々と危ういですし。街を占領して魔物の痕跡があった、街ごと浄化します! とかやりかねないくらいあれですから」


え? そんな相手なの? 相変わらずどこでも宗教ってのは怖いと言うか面倒と言うか……


「まあ、浄化と言ってもそこに住んでいる人間を殲滅して真っ新にすると言うわけではなく、あくまで聖国の扱う魔を祓う結界を使うだけです。ただ、それを使われると私の扱う蝙蝠がほぼ全部消されますし、私もかなり弱ってしまいます……あ、でも主様は全然平気でしょうけど」


そうなの?


「聖国に侵入した魔王級の魔物の存在があります。それを調査したのですが、どうやらそれは主様の事らしいです」


ええ? え? もしかしてあそこかな、聖国。

アンコールワットっぽい? ミラノっぽい?

よくわかんないけど大聖堂っぽい建物のあった場所?

川が流れてる、竜王さんとこの迷宮付近から到達できるような場所?


「主様の言う場所がいまいちわからないというか……私もこの街から直接出向いたわけではありませんし。そもそも聖国に蝙蝠を送るのも相当大変なのですよ? 魔物として引っかからないか、魔物として消滅させられない蝙蝠を夜にこそこそ送り込まないといけないので……」


そういえば、クルシェさんどっか行ったことあんの?


「昔少し外に出たことがあるくらいでしょうか? まあ、一応ここの街の偉い人の娘だったわけなので……」


ああ、うん、領主の娘かなんかだっけ?


「領主と言うと語弊があるかもしれません…………何か昔、主様と話したことがあると思いますが、その時のことも今は昔の話ですね……」


自分も結構寝てたからそのせいか忘れてることも多いのよなー。

まあ、忘れていない部分もあるけど。細かいことはちょっとねえ。


「そうですね……長生きしていると、どうにもボケが進行してきて……」


自分を老人のように言わない! 吸血鬼なんだからその辺大丈夫でしょ……多分。

だいたい人間と同じ記憶しかできないとなると百二十年分じゃなかったっけ?


「知りません。なぜか主様と話していると話が明後日の方向にずれていきますので話を戻しますが、対聖国の話です」


うん、まあ別に単に騎士を倒せばいいだけでしょ?


「……そうですね」


それなら別にいいんじゃない?

っていうか、クルシェさんが別の場所に出現すればそれでいいのでしょ?

それならここに騎士が来る理由もないんじゃね?

っていうか、むしろ襲い掛かった後に逃げれば行方不明で終わりじゃない?


「……………………それ、とても乱暴なやり方な気がします。でも、それでいいかもしれませんね……問題は聖国に殴り込みをかけるにはちょっと距離が遠いことですね。まあ、蝙蝠たちを使えば移動自体は困難ではありませんが」


スラさん、海、ダメ。持ってくなら空の旅でお願いします。


「はい、主様は私が責任を持って懇切丁寧に、落とさないように全力で抱きしめて連れて行きますので」


背筋が、背中とかないのに背筋がぞわってくるんですけど!?

なんでクルシェさんはヤンデレってんの!?

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