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スラさんの転生先こつこつ生活記  作者: 蒼和考雪
再来旅路神成活
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126 主従の再会

しっかし生きてたのね、クルシェさん。

吸血鬼だから長生きするのはわかるけど、生きてるかどうかは不安だったからねえ。


『これも全部主様のおかげです。あの時、私がよくわからないままだったのを助けてくれたんですから』


まあ、あれはこっちとしてもいろいろと思う所はあったけど……

それでも、今まで生きてられたのはそっちの頑張りもあるでしょ。

人恋しで人と関わって吸血鬼バレで殺されたり、日光の下に出たりしてギャーってなったり、その手の組織に追われたり。

ぶっちゃけまともに生きられない以上危険度高いもの。

餌、食事だって人間から血を摂取しないといけないしさあ。

かなり大変だったんじゃない?


『まあ、そうですね。これまでいろいろとありました……でも、悪いことばかりではない……と思います』


そう?


『はい。それに、主様が起きられるを待つ楽しみもありました……それで十分でした』


ああ……なんかごめんね。っていうか、前から主様呼びだったっけ?

主従関係みたいなのはあったっぽいけど?


『正確に認識したのは……いつでしょう。以前は主従としての繋がりがあいまいで、わかりづらくスライムさんと呼んでいたと思います。一応その時点で主従関係はあったと思いますが、こちらとしても、やはり完全に主と仰ぐのはできていなかったかもしれません。それが明確になったのは主様が眠られてからです。主様がこの世界において存在的に曖昧となり、私との繋がりも揺らいで、とっても不安になりました……』


わてが眠っている間にそんなことが……!

っていうか、主従はこっちとしてはわかんないのよなー。やっぱ簒奪った?


『でも』


でも?


『少し、色々と教えてくれた人がいて……主様がいずれ蘇るというのも聞きました』


えっ!?


『あ』


え、誰がんなこと言ってたんだ!?


『いえ、なんでもありません』


従者ぁっ! てめぇきちんと教えやがれこんちくしょうがあっ!


『ご、ごめんなさい、それはできません! できないんです!』


そう。まあ、別にいいだけどさ。一々気にしても仕方ないし……

絶対従順な従者に秘密持たれる主とかちょっとつらいけどなー。


『い、いずれ、いずれ言います。いえ、多分主様なら、わかります、会えますから……』


ふーん…………


『ま、まあ、いろいろとあったんです……それで待つのも、いずれ主様に再び会えるなら、と楽しみに……いえ、少し、待つのはつらかったですけど』


まあ、そうね。わかっててもつらいものはつらいか。


『そして、主様は実際にこの世界に戻ってきました……今、こちらもちょっといろいろありましたが、主様のうわさ話も聞きましたし、そちらから色々調査や捜索、監視を置いて、近くに来てからは蝙蝠を送って様子を見ていました……相変わらずですね』


ああ、やっぱりあの蝙蝠はクルシェさんのだったか。

うん、なんか脅かして追い払ったけどごめんね。


『いえ。別に殺されても問題の無い程度の監視要員ですから』


それ酷くない!?


『蝙蝠たちは私の手足のようなものです。指先? それとも爪? まあ、一匹二匹失っても別にいいですし』


わー……


『ところで』


はい?


『いつまでも蝙蝠越しに話をするのはこちらとしてもどうかと思うのですけど?』


あ、そうね。そういえばずっと蝙蝠に会話しているわけ……

あれ? そもそも蝙蝠に念話? いや、こっちから話しかけたわけでない。

向こうから念話か。まあ、確かにそれは消耗やばいかな?

いや、念話の消耗とかよく知らないけど……

でも、そもそも本人との会話ではなく、蝙蝠越し。

仮にこの状態で蝙蝠に念話するとどうなるのか謎や。まあ知る必要もないか。

で、どうするの?


『ああ、はい、えっと、この子に案内をさせますので、ついてきてください』


はーい。って、飛んでかれると困るんですけど!? スラさんは飛行できないんですけど!?


『主様なら壁を張って上に登ったり、屋根を跳んで飛んできたりもできるのではありませんか?』


そうしてもいいけど、ちょっと待ってろ! せめてこっちの準備できるまで待てやこらー!!






まったく、こっちとしては散々文句を言いたい気分だっての。

さて、とりあえず蝙蝠が入っていったのはここか……

窓付きの部屋とか危ないなー。包丁自転車蛙……そりゃ別の話やで。吸血鬼に光は天敵やろ。


「ようこそおいでくださいました」


おう? あ、クルシェさん。とりあえず念話っと。改めて挨拶、お久しぶり、クルシェさん。


「はい、お久しぶりです、主様」


なんというか……美人になったねえ。


「見た目、変わってませんよ? そういう適当に話をするのも主様らしいですが……本当に、お変わりありませんね」


そう? まあ、別に何かあったわけではないからねえ。

ま、人は早々変わりませんよっと。スライムだけど。


「そうですか……もしかして何かあったのでは、とも思ったのですが……」


まあ、何かあっても寝ていたみたいな感じだからわかんねーですよ。


「そ、そうですか……でも、本当に、お帰りなさいませ、主様」


はい。ただいま………………

って、言ってから思ったけど、お互いこんなこと言い合えるような間柄だっけ?


「言い合える間柄です! 少なくとも、最後別れるときはそんな感じだったと思いますよ!? 帰ってくるのを待つって言いました!」


そ、そうだっけ……


「うう、主様、忘れないでください……」


ごめん、何年眠ってたかもわからんからさあ……

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