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スラさんの転生先こつこつ生活記  作者: 蒼和考雪
再来旅路神成活
121/132

121 人魚と人の住処

ここが……あの女の……ハウス、ね!


『あのおんな? わたしたちのすんでるばしょだよー』


ああ、うん、ツッコミ役がいないって寂しいわね。うん。

まあ、この人魚ちゃんがツッコミできるわけもないけどさあ。

性別的に? いいえ、性格的にと言うか精神的にと言うか年齢的にと言うか? 成長が、足りない!

発育的な意味合いではなく、精神的な成長の意味合いですよ? まあ、そんな話はさておき。

私は今このミニ人魚ちゃんに案内されて人魚の里、村、街、そんなところに来ております。

ミニっていうと手乗りっぽい。

この場所、どうやら人間の村とも近い? 漁村系?

ううん、入り江っぽい感じだけど……はっきり住んでいる場所が見えるなー。

こういう風にはっきり人間から手の届く場所、見える場所にあるとこう、襲われるんじゃないかと不安にならない物かな?


『にんげんさんとはいっしょにくらしてるよー。ずっとじゃないけど……』


なるほど。共同生活、共生関係か。それなら確かに見えても守られるとは思うけど……

でも人魚は人間じゃないからなあ。

まあ、人魚が人間を排斥するか、人間が人魚を排斥するかは定かではないけど。

でも、どっちかっていうと水にも入れる人間と陸に上がれない人魚だと人間側に軍配が上がるような気がする。

まあ、人間が水に入れると言ってもあまり過大ではないけども。

せいぜい浅瀬、深い所には手を出しにくい。

海女さんとかそういうのみたいな感じで深く潜れる人もいるやもしれぬのであまり詳しくは言えないのですけども。


『たまにねー、いっしょにおよぐよ? でも、にんげんさんおそいんだー』


そりゃ魚の水中移動速度と人間がバタ足クロール平泳ぎで移動できる速度が一緒なわけねーべな……

スラさんなんか人間にすら置いてかれるでよ?


『スライムさんおそいの?』


遅い遅い、海の流れで流される程度には遅いよ。

っていうか、そのせいで人魚に頼って移動しなきゃあかんの。

一応海底を這って移動するのもありだけど、それだと時間がかかりすぎる上に距離的な問題があり、また深さがどうなるか不安。

だからまっすぐ行けばいいと分かっても海底はいかないのです。

餌も足りない? まあ、あまり食べる必要はないんだけども。


『ふーん? よくわからないけど、はこんでほしいんだよね』


まあ、運んでくれるとありがたいけどねー。

でもできれば行先がどこなのか教えてもらうだけでも断然違います。

海を渡るなら最悪人間の船に密入すればいいだけですし。

まあ、流石にちょっと大変そうだけど、夜あたりに忍び込めばいいねん。


「セルマ、お帰りなさい……その頭の上の、どうしたの?」


おおう。ちび人魚さんはセルマちゃんですか。某黒熊が権威のお偉いさんに聞かれているイメージ!


『なにそれー?』

「おかーさん、ただいまー。えっとねー、これスライムさん!」

「……スライムさん?」


器用な。念話と会話を同時にだと……!? 何だと……!?

まあ、それはいいけども。確かにスキルだしできなくもない?

でも思考が念話と会話で別だぞ? マルチタスクか?

マルチタスクで合ってるかわからんので多重思考の方がいいか?


「うん、スライムさん! えっとねー、おばーちゃんのおはなししてくれたー!」

「……お母さんの? え? お母さんのお話? え!? っていうことは、あの話に出ていた、とんでもない強さのスライムなの!?」


ああ、なんか素直に驚かれているぜ。

そんなに驚くことかなー、スライム最弱説ちょっと強すぎねえ?

世の中スラさんみたいな普通のスライムっぽいスライムだけじゃなくて、ジャイアント、ヒュージ、スライムボスとかもいるで?


「そ、そうなの……えっと……」

『……これでいいかしら? お話しできますか?』


あ、はい、できます。えっと、あの人魚さんの……娘さん?


『ああ! 本当に会話して来たわ! お母さんの話、本当だったのね! 流石に内容が内容だからちょっと突拍子も無くて信憑性も無くて……でも、確かにここを作る切っ掛けだと言う話だったから、信じるしかなかったけど、それでも信じられなくて……でも、本当に実在したのね!』


そんなにスライムさん雑魚説強すぎるのかー。っていうか、身内の話は信用しようぜ……

まあ、竹槍でイザーク落としたとか言われても信用できねえな……

イザーク? ミホークだっけ? トマホーク?

スラさんに任さてもらえるなら竹槍でステルス戦闘機くらい落とせるかもね。

投擲試したことないけど。


「おかーさん、とりあえずおばーちゃんのはなしきこーよ! わたしもうきいちゃったけど!」

「ええ、そうね……」

『当時の話を聞かせてもらえるかしら? お母さんの話はよく知っているけど、あなたの視点も知りたいわ』


ああ、はい、いいですよー。

一応私としては別の用事で来たんだけど、まあ時間は有り余ってるし、急ぎじゃないし。

まあ、その代わりこちらの聞きたいことを教えてくださいなー。 

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