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スラさんの転生先こつこつ生活記  作者: 蒼和考雪
再来旅路神成活
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106 スライム迷宮近傍の街

街に来たはいいけれど。この街でやることなんて特になーんにもないなあ。

だって目立つ物もないんだもの。っていうか街自体が大きなものでもない。

小さな村、小さな街。それが迷宮の側にあった山で見たもの。

まあ、街って言うだけあってそれなりには大きいけどね。

でもやっぱり小さい。見て回るものがない。

観光の目玉がない。そもそも、この場所って交通の要所だろうか?

人の行き来も少ないやもしれぬ。まあ、冒険者ギルドはあるね。

でも、冒険者の数自体がそれほどいないしなあ。ちょっと侵入して様子見ー。

うん、やっぱり人が少ない……ととと、何やら気配に敏感な冒険者はいる模様。

少ないが実力者はいるのか。仕事も……多分少ないのかな?

あまり観察できねえ。厄介な。まあ、冒険者ギルドだもんね。

冒険者のいる場所に侵入なんてなんて命知らずな、って感じだよ。危険すぎるです。

さて、街には川も流れていない普通の平野の街っぽい街。見て回る物もないけれど。

ふむ、とりあえずスラムはあるっぽい。

ちょっとあちこち侵入してみるかー。家の中とかにも入ってみよう。

そういえば家の中とか入るのはあの時計塔の街が初で最後だったっけ? うーん、憶えてない。

まあ、入ったにしても碌に観察はしていないだろう。

どうせだからこの世界の家庭環境の様子を見るのも一考か。

そういうの、寝る前はやってないような気がするぜ。そもそも自分寝る前には何やってたっけ?

えーっと、川をきれいにした。森に入った。湖を漁った。川流れした。海を探索した。

人に捕まった。エルフと会った。山に登った。時計塔の街で吸血鬼と戦った。

えっと、その後はいい場所探してそこで眠った、だね。

意外と冒険してないなあ。そうだ、どうせなら別大陸とか向かってみるのもありだろうか?

でも、よくよく考えてみよう。別大陸に私は果たして進出できるだろうか?

海の底を歩いていくのはつらいっすよ?

川と違って海は深い所はめちゃんこ深いから、下手すれば水上に帰れなくなるでおじゃるよ。

そういうことで自力で海を移動するのは無し無し。

っていうか、海底を歩いて移動とか馬鹿かって話だね。何日、何十日、何か月、何年かかる?

まあ、年はかからないにしても、一ヶ月で行けるはずもないっしょ。

人間レベルならまだしも、スラさんレベルの移動速度だよ? 大丈夫? スライムの移動速度だよ?

まあ、もし海の向こうに行きたいのなら、船に乗るのが一番だよねえ。

マストあたりに掴まってるか。

とはいえ、そもそも船が出ている可能性は案外低そうだけどなー。

沈没船、大蛸、海竜、人魚もいるし。

海は本当に魔境やでえ……この世界の海の広さは知らないけど。

まあ、なんかいろいろあってもおかしくはないわ。

例えばリヴァイアさんとかいるかもしれない。

リヴァイアさんではなく、リヴァイアサンですな。うん。

っていうか、マジていたらスラさんでも流石に勝てなさそうじゃね?

ヒュドラよりは多分強いよね?

おとと、そんなことを考えている間に家主らしき人が戻って来たぜ。

スラさんは置物、天井に張り付く電灯なり。

天井に誰もいませんよ、っと。


よくあるような一般家庭でした。

まあ、やっぱり異世界、ファンタジックな世界の一般家庭だけどなー。

食事とかこういうもんだったっけ? 人間であったころの事なんてあんまりもう覚えてないなあ……

っていうか、貧相やのう……まあ、この街自体どこか寂れた感じだから仕方ないか。

一家観察しながらこの街のことを考えたが、そうかもしかして迷宮対策の為なのだろうかと思った。

そういえばあの迷宮に監視員がいたなあ、その連絡先として街なのか。

村もあったけど、あれはどうだろう?

まあ、何にせよこの街は報告連絡用、迷宮には冒険者の姿もなかったし、そもそもここに住む人が少ないのかね?

それか、単に迷宮自体が人気ないかだよなー。まあ、スライムだらけで利益ないだろうしねえ。

それでもやっぱり迷宮だから探索する人間は送らなきゃいけないし勝手に入るのもいる。

そのために街、か? もしくは、迷宮から魔物が出てくる可能性。

スラさんだって外に出れるんだもの、他の魔物も出ようと思えば出られるわけで。

それがめっちゃわんさか大量に出てきたときの対策のため、か。

まあ、冒険者強いのがほぼだったし。

さて、そんなことがわかったし、そろそろお暇しまーす。御達者でー。


ふう……外に出たはいいが、夜はやることがない。物が見えるので何があるかはわかるのだが。

こんな街でもスラムはある。うん、そこにあるのがなにかわかるぞ? 死体だぜ。

うん、死体かあ。死体かあ。まあ、スラムだしそういうのもあるよね。

流石に街中で死体処理は危ないか? いやいや、別に食べる必要もないよね。

うん、やっぱり危険なことにはかかわらないようにしよう。

人間の死体が消えた、誰の仕業だ! お前かっ! 死ねえっ! ってなったらいやですしおすし。

うーん、やることがないのよなあ。どうせなら、馬車に乗るかね?

馬車の中、下はいや。上に乗ろう。

それなら幌馬車はだめだよなー。いい場所ないとへこむへこむ。バレルッテバー。

お、これなんかいいのでは? 四角形箱形の馬車ですね。

うん、しかも豪奢な装飾付き。うん、貴族向けかな?

しかし、これが動く日はいつ来るのか……こないかも!?

まあ、いいか。来るまで待とうホトトギス。

馬車の上に乗って、馬車が動くその日まで私は待ち続けるのです……いや、他の馬車に乗れよ?

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