表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スラさんの転生先こつこつ生活記  作者: 蒼和考雪
異世界観光旅情
100/132

100 山に穴掘って冬眠する。熊ではない

ふう。クルシェさんが支配した裏で吸血鬼が支配する街を発って早数か月。いや、早すぎ!

まあ、そんな時間をかけて馬車なり這いずりなりして移動をしています。どこに行くかって?

とりあえず現状は山などのあまり人が来ない場所を目指しております。

しかし、良い所に近づいたーって思ったら。

なぜか本能的にはここはダメですーというかんじの脳内電波が来ます。

そういうおかげであちこち行ったり来たり、もうクルシェさんと一緒にいた街どこだっけレベル!

その間に今まで行ったことのある街だったり、記憶にある場所だったりを少し見つけたり。

そういえば、竜王さんところの迷宮にも一度たどり着きました。

もちろんあの辺りもダメって感じだったわ。

うーん、竜王さんのところの迷宮がある付近はダメ、ってことだとつまり迷宮のある場所付近はダメなのかなー。

もしかして、今から私は迷宮主になるのですか?

いいえ、わかりません。そもそもいったいこの眠気は何。

眠気って、そもそもスライムの間はずーっと感じなかったもの。

だから何か意味はあるんだろうけど。

とりあえず、あっち、あっちかな? あっちに行けって、何かが言っている。

何かはわかんねーけど、多分本能的な何か。もしかしたらやばい系の存在かもしれんが。

でも、まあ、明確な目的目標もない。生きる理由はあるけれど、その終着点も見えない。

なら、何か頼まれて、何か差し迫って、何か感じるままに生きてそれをやってみるのもありだろう。

まあ、眠気から考えると多分眠ることなんだろうけどな! 寝ることに何の意味があるのさー。


うん、ここかー。ここならなんか大丈夫だよーって感じの電波が届くぜ。やったぜ。

っていうかさ、何この電波って感じだよ。今更か。今更だね。うん、まあいいけどさ。

とりあえず、この近辺は恐らく迷宮とかそういうのはない感じ。

それなりにそそり立つ崖、切り立った崖。ここに横穴でも掘って、そこで眠るか。

どの程度深いところまではいろうか。まあ、その前に掘らないといけないのよねー。

スライムはシャベルなんて持てない、スコップなんて持てない!

だって腕がないんだもの! まあ、スライムが穴掘りするのにそんなものは必要ないんだけどね。

普段はまったく食べないし、多くのスラさんは移動はしても移動している場所を取り込んで食べたりはしない。

移動ルートが溶けていたりは……アシッドスライムとかの酸系のスライムは知らぬが、普通のスライムはちとべちょっとするだけ。

しーかーし! スラさんは別に生き物だった生肉しか食べられないわけではないのです!

今まで散々食べているが、無機物系の物だって食べることができるのです!

金属鎧とかも食ってたよ!歯とか骨とか爪? 生物由来は無機物でも有機物です。

そもそも無機と有機の違いってなんだっけ?

ま、なんでもいいか。とりあえず、山を掘るのです。溶かして穴を開けて……開けて、どうしよう。

侵入者に注意、別に人間に限らず。穴掘り生物とか多様にいるし同じスライムも入ってこれるかも。

そう考えるとできるだけ別れ道を分岐を、深く高く低く底の底まで。


よーし! 掘ったどー! まあ、なんでもいいか。

とりえあず深く遠く、誰も届かないような場所を作りました!

まあ、穴を残しているとあれなので、溶かして掘る中圧縮などで周りの岩土を破壊しながら、それを入り口に。

塞いでおけばまあ、少し変に思われても掘り返されたりは……多分しないよね?

うーん、人間はしないかも。でも他の生物、動物類は掘り返す危険はあるわなー。

そういえば、自分の体に色々財宝を同化させてたっけ。

もはやほぼ忘れかけている海の底にあった沈没船の財宝。

周りは岩土、土じゃなくて物理的に掘れない岩の部分。

そこで財宝を蓋にする。ちょうどいい財宝が中々ねーですので困りものですわ! もう、知らない!

ま、とりあえず何とか蓋は出来た。まあ、一つ二つじゃ安全の確保は出来ない。

蓋として幾らか財宝で埋める。それ以外にも財宝を大量に置いて重量で幾らか……

って、そんなにないのよなー。財宝がないので岩で代替。

なんというか、こんなことのために稀少な宝をー! って感じだけど。

まあ、岩で塞いでもいいんだけどさ。

持ってるのに使わないのももったいないかなーって。そもそもお宝なんて持ってても仕方がねーや。


まあ、そんなふうにゆっくり休める、ゆっくり寝られるところを作った次第。

なんというか、すっげー眠いです。

なんだろうね、この眠気……こう、体がドロドロに溶けて拡散していくような、そんな感じが……

今誰かてめーの体元々ドロドロだろとかツッコミ入れられた気がする。

まあ、圧縮して……圧縮解除しとこ。ああ、でも場所が狭すぎるか?

もっと広くした方がいいかなあ。まあ、空間がぶっ壊れない程度に広げとくかー。

この寝床を埋め尽くす程度まで広げて後は圧縮しとこー。もっとも寝たらどうなるか知らねーけど。

今までスラさん寝たことないもん。寝た時スキルがどうなるか―なんて知らないもん。

仕方がないんだよー。


『お疲れ様でした。しばらくお休みください』


あれ……いつもの電波でない、別の電波が……聴こえたような……だめ、ねむい…………

なんかよくわかんないけど、あとのことなんてしったこっちゃねーや……ねみーからねるだけです。

ねむります。ねむります。すらさんねむります…………おやすみ。


『お休みなさい』


やっぱだれか…………………………ぐう


『休眠期間。作り替え、成長、必要な処置はこの間に行わなければなりません。迷宮誕生の時間、本来ならば、もう少し早い時に作り、迷宮内で最終進化をするべきなのですが…………少々奇異な成長を遂げたからでしょうか。かなりの短期に一気に進化したからでしょうか。あなたは資格を有している。ですので、今はお眠りください。後は私たちが……いえ、私が全て、あなたのためにやりましょう』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ