クラスストーンの使い方
「ただいまー、パムおばさん。今日は猪取れたよ」
「あらら、今日はごちそうだね。タモサクにもお肉分けてあげないとね、あとで届けに行って貰わないとね」
「う、うん。そうだね」
最近、俺自身が忘れがちであるがタモサクは俺の父親である。母であるルモモに浮気されて家を出て行かれて以来、タモサクはすっかり覇気のない男になってしまった。もともと温厚な性格ではあったから大差がないのかもしれないが、正直アレと二人きりになると何を話していいのかがわからない。
もう自殺するかルモモのことは忘れて嫁でも貰えばいいのにな。
「じっちゃーん。入って良い?」
「うん?レイタか。いいぞ入りなさい」
ドアを開けるとじっちゃんこと村長は領主様へ提出するための書類を作成していた。
「妙な顔をしておるな、何かあったのか?」
「うんとね、じっちゃん。今日、森でゴブリン倒したらクラスストーンを手に入れたんだ」
「ほお、クラスストーンか。確かクラス持ちの魔物を倒すと体内の魔石が自分の死体を取り込んで変質することによって生成されることがある石じゃったな。レアドロップと呼ばれる現象だぞ。レイタは運がいいな」
「うん、なんかいきなり光り輝きだしたから僕驚いちゃったよ。で、なんだけど、クラスストーンってどうやって使えばいいかわかるかな、じっちゃん」
「むー・・そうだな。もしお前が将来この村を出て行くつもりならクラスを手に入れて冒険者になるのもいいかもしれんな。やり方はまー単純だな。
自力で魔力操作のできる者ならただクラスストーンに自分の魔力を注ぎ続けるだけじゃよ。
クラスストーンが魔力を満たされた時、その者に適正があればクラスストーンが体内に吸収されクラスが取得され、無ければ壊れて無くなるそうじゃ。
もし魔力操作ができないなら大きな街にある魔術師ギルドにでも行って魔石に自分の魔力を写して貰って、その魔石をクラスストーンに吸収させて行く作業をして貰うらしい」
「魔力を注ぐだけでいいんだ。本当に単純なんだね」
「と言っても、何日も掛かる作業らしいぞ。剣士となどの必要魔力量の少ないクラスストーンでも最低でも魔力値100を使うらしいしな」
「あ、そうなんだ。大変なんだね(普通の人たちは)。ありがと、じっちゃん。自力で魔力込めれるかどうか試してみるよ」
「ああ、待ちなさい。ちなみにどんなクラスのゴブリンを倒したのか教えなさい」
「うんと倒したのは幻術士のゴブリンだったよ」
「幻術士だと!?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「え?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
じっちゃん曰く売れば白金貨10枚(1億円くらい)で売れるらしい。
幻術士はレアジョブでした。