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異世界に出戻りしました  作者: ころぽっくる
11/33

初戦闘

11話目投稿です

自分の刀を手に入れたあの日から早いもので五年近く経ちました。

じいさんとの稽古は相変わらず続いてますが、変化したこともチラホラ。

例えば、家の周りに現れる獣及び魔獣の駆除、そして街での買い物や料理。これまでは全部じいちゃんがやってたんだがその一部を俺が任されるようになったのだ。

訓練内容も剣術に加えて短剣や石による遠距離攻撃、気配を探る力を鍛えるための鬼ごっこや暗闇での稽古等随分と多彩になった。

そのおかげで新しいスキルも色々と増え、少しづつではあるが自分が強くなってきているのを実感しています。じいちゃんには未だに勝てないけど。


本日じいちゃんから言い渡された修行内容は「一人で街まで行って買い物してこい。」でした。

そして今は床に広げた荷物を一つ一つ点検し、不備がないか確認中。刀、投げナイフ、ポーション類、獣や魔獣からとった肉や毛皮等の素材、そして買い物用のお金、どれもちゃんと揃ってるな。なにせ一人で街まで行くのは初めてだ、確認は念入りにしておかないと。

そして確認が終わった物を鞄(空間魔法とやらがかかってて見た目以上に物が入る)に詰めれば準備は完了。

「行ってきます。」

「気をつけてな。」

挨拶を済まして家を出る。

さあ、短いけれど初めての一人旅の始まりだ。


新しく得たスキルの一つ(気配感知)を使い周囲を探りながら歩いていく。今の所周囲にいるのは兎サイズの連中ばかり、これなら攻撃しなければまず襲われることはないだろう。

基本的に獣は空腹、もしくは縄張りに侵入したり攻撃をしない限り襲って来ることはなく、魔獣になってもそれは変わらない。例外はあるので完全に気を抜くことはできないが。

とはいえ常に気を張って歩いるのもそれはそれで気が滅入るので、(気)で脚を強化したり(忍び足)で足音を消しながら歩いたりとスキルを鍛えながら進むことにした。

そんな調子でのんびり歩いて30分ほど経った頃、(気配感知)に何かが引っかかった。

気配からして大きさは中型犬ほど、それが五体かなりの速さで俺のいる方へと向かってくる。

歩く速度を上げてみたがきっちり俺を追跡してくるので、俺を狙っているのは間違いないようだ。

(まったく、なんで態々襲って来るのかね)

気は進まないが迎え撃つしかなさそうだ。


道の中央で立ち止まり、気配を感じる方へと顔を向けて気配の主が姿を表すのを待ち構える。

相手も俺が待ち構えていることに気付いたようであっさりと姿を見せた。

(狼か)

一応こちらの世界での呼び名も知っているが姿がほとんど同じなのでどうしてもそちらで呼んでしまうのだ。まあ、今はそれはどうでもいいか。

狼達は俺を中心とした円を描いて俺の隙を伺い、俺は右手に刀、左手にナイフを持って牽制する。

その睨み合いは――――――

「ガァッ!!」

「フッ!!」

背後から飛びかかった狼と、そいつの眉間めがけて放たれたナイフによって破られた。


俺の投げたナイフを眉間に受けて飛びかかってきた一匹が地面に倒れる。それを合図に残った4匹がタイミングをずらしながら飛びかかってくるが、そこには既に俺はいない。

最初の狼が倒れて出来た空間に(瞬歩)で移動し、包囲から逃れていたからだ。

そして俺の姿を見失って混乱している一匹に再び(瞬歩)で接近、首めがけて刀を振り下ろす―――!

死角からの一撃を躱せなかった狼の首が落ちる。これで残り3匹!

仲間を殺されて怒り狂う狼達がもう一度俺を取り囲もうとするがそうはさせない。一番右手にいる奴目掛けて足元に転がる狼の頭を蹴り飛ばし、それを避けて体勢が崩れた瞬間を狙い刀を振るい胴を切り裂く。

その直後に脚を狙って飛びかかってきた奴を跳んで躱す―――その俺をめがけて飛びかかる最後の一匹。

(なるほど、身動きの取れない空中に誘うために脚を狙ったのか)

このままだと間違いなく喉を食いちぎられるだろう。まあ、俺が空中で動けなければの話だけど。

「!?」

「4匹目。」

(風踏)によって空を蹴り、牙を躱し無防備な姿を晒した狼をすぐさま切り伏せる。

そして一匹となっても逃げずに向かってきた最後の狼を斬り伏せ、俺の一人での初戦闘は終わりを告げた。








戦闘の描写は初めてで不安も多いです。

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