神様のお誘い
初投稿の作品ですので拙い所も多々あると思います。暇つぶしにでもなれば幸いです。
気が付くと、周囲には何一つない真っ白な空間が広がっていた。
「・・・え?なんだここ?」
思わず口に出してしまったが、周囲には自分以外誰もおらず当然答えが返ってくることもない。
「本当にどこだよここ。そもそも、なんで俺はこんな所にいるんだ?」
周囲を見回してみるが、ここが何処か特定できるような物も、尋ねられそうな人物を全然見当たらない。
考えてもこの場所については分かりそうもないので、とりあえず自分が何故ここにいるのか考えてみることにした。
俺は真田信之。25歳。大学を卒業したはいいものの仕事が見つからず、アルバイトで細々と稼ぎながら仕事を探している状態の人間だ。
家族は共働きの両親と、働き始めて数年目の姉、そして高校卒業を間近に控えた妹が居る。
両親の定年が近づいていることもあって、どうにかして仕事を見つけようと日々奔走しているのだが成果は思わしくない。
今日も面接を受けたのだが、相手の反応から察するに望みはなさそうだった。
あまりにも失敗続きで気分がドン底のまま帰路について・・・。
「その後どうなったんだっけ?」
確か急に周りが騒がしくなって、人が落ち込んでる時に何を騒いでるんだと腹立ち紛れに振り返ったら目の前に車が・・・。
「そうだ、車が、俺に向かって来て。」
思い出してしまった、俺に向かって吹き飛んできた車を、そしてそれに押しつぶされて死んだ事を。
「俺は死んだのか、・・・ははっ。あんなにあっけなく。」
口にした途端涙が溢れてきた。
「これで俺の人生終わりなのかよ。まだ、やりたい事だってあるのに。こんなのってありかよ・・・!」
口にしてもどうにもならない、もう俺は死んでしまったのだから。
頭では分かっている、なのに荒れ狂う感情は口を閉じさせてはくれなかった。
あれからひとしきり泣き喚いて、ようやく俺は物を考えられる程度には落ち着きを取り戻すことが出来た。
そして周囲の探索を始めようとした時、
「落ち着いたようですね。」
俺に声を掛ける者が現れた。
「誰だ!?」
声がした方に振り向くと、そこには一人の女性が立っていた。
振り向いた俺が見たのは、腰まで届く長さの黒髪を持ち、均整のとれた体をシンプルな緑のドレスで包んだ美女の姿だった。
その美貌に見とれてしまい声を出すことも忘れた俺に彼女は改めて話しかけてきた。
「貴方が真田信之で間違いありませんね?」
「え、あ、はい。そうです。」
俺の返事を聞いた彼女は小さく笑みを浮かべると
「初めまして、私の名はソフィーティア。ペルムリディアスと呼ばれる世界を管理する神の1柱です。」
そう告げてきた。
「神・・・ですか?」
「ええ、信じられませんか?」
「いえ、そうじゃありません!ただ、なんで神様が俺みたいな奴の前に現れるのか分からなくて。」
「当然、君に頼みたい事があるからだよ。」
また新しい声が聞こえてきたのでそちらを見ると、紺色のローブを纏った金髪の美青年がいつの間にか佇んでいた。
「遅かったわね、何かあった?アステリオ。」
「いや、少し確認を済ましていただけだ。問題はないよ。」
随分親しい関係のようで、お互いの表情も柔らかい。
「あの、そちらの方は一体?」
女神さまに尋ねてみると
「これは失礼した、私はアステリオ。ソフィーティアと同様にペルムリディアスを管理している神だよ。」
青年改めアステリオ様はそう答えてくれた。
しかし、俺に頼み?
「あの、頼みとは一体何でしょうか。俺は神様に頼まれ事をされるような人間ではないと思うのですが。」
正直、頼まれ事がどんな事でも果たせる気がしないのだが。
「そう緊張しないで普段通りに話してくれて構わない。私もソフィーティアも礼儀にうるさい訳ではないからね。」
「ですが・・・。」
「私からもお願いします。何よりそう緊張されていると私達も話しづらいから。」
「・・・分かりました。それで、頼みとはなんですか。」
出来るだけ失礼にならないように聞いた俺に対してアステリオ様は
「私達が管理している世界、ペルムリディアスに来て欲しいのだ。」
あっさりと答えた。
読んでいただき、ありがとうございます。こうした方がいいという意見や誤字の発見などがあればぜひお知らせください。




