Short Storys.02『日常』
また練習書き。
なかなか書き方をまとめられない……。
「……暇だ」
今の季節は夏。外は当然のごとく暑いため、どこかへ出かけようとも思えない。
冷房完備である場所へなら! と考えて気力を奮わしてみるものの、そもそも道中がきついんだよなぁ……、とますます外へ出たくなくなってしまう。
どうしよっかなーと頭を捻っていると、ソファに座っていた妹がいきなり口を開く。
「勉強すればー? お兄ちゃんのことだし、どうせ成績悪いんでしょ」
「めんどい」
即答かよーとケラケラ笑って、妹はリビングから出ていった。
ていうかお前こそ勉強すべきじゃねぇの? と言ってやるつもりが、そそくさと逃げられてしまった。
ふむ、さすが俺の妹だな。逃げることに関しては俺の次に上手い。
「……、ま、確かに勉強はしとくべきかね」
おもむろに言って、自室へ向かう。
廊下に出ると、冷気が途端に失われ、蒸し暑い熱気に包まれる。
妹―――皐月の言ったとおり、確かに俺の成績は悪い。
テストの点数だとかは平均点よりほんの少し上、といった感じなのでまだマシだが、代わりに提出物だとか授業態度だとかでかなり評価が落とされているのだ。
提出物:出さない。何それ美味しいの?
授業態度:悪い。だって眠いんだから仕方ない!
「はれ? どしたのお兄ちゃん、下でテレビ見るんじゃないの?」
階段を上がり終えると、皐月が自室から顔を出してきた。
さも不思議そうな顔でこちらを注視してくる。
「お前の中で俺の評価はどうなってんだ……。勉強道具取りに来たんだよ」
「えー、うっそだー。あのお兄ちゃんが勉強するわけないじゃん」
「お前が言ってきたんだろうが……」
いや、まぁ別に? 皐月に言われたから勉強するってわけじゃないからね?
まだうじゃうじゃ口立てている皐月を無視して、俺は俺で自室に入る。
必要なものは筆箱とルーズリーフ、あとワークと教科書に……。適当なものをトートバッグに詰め込み、素早く部屋を出る。
そのまま一階へ降りようとして―――、
「……暑かったら降りてこいよ。下、涼しいから」
言わなくても自分で判断するとは思うが、念のため。
皐月は一つのことに集中してしまうと、周りに一切注意がいかなくなる癖がある。去年はそれで軽い熱中症に罹ってしまったなんてこともあった。
しかも何に集中してたのか、って聞いたら「鉛筆を削り切るにはどれだけ時間が掛かるかを実験してた」との珍解答が返ってきたぐらいだ。
バカじゃねぇのか。あと鉛筆削り切るのになんで五時間もかかってんだよ。手動でやったとしても三十分ぐらいでいけるだろ……。実際、俺も小さいときやったしな!
扉越しに皐月の返事を待っていると、短く「んー」というものが聞こえてきた。
前例があるため、もう少しちゃんとした返事が欲しかったが、さすがにそこまで言ったら不毛というものだろう。
皐月は中学二年生でちょうど年頃な女の子だ。
本来なら兄のことなんて疎ましく思う時期だろうに、昔も今も変わらぬ態度で接してくれている。
「……勉強、するか」
まぁ、あれだ。
いちいち下らんことで妹と不仲にはなりたくないしな。
少しは俺も、努力してみるか。
兄と妹の、何ら変わりない普通の日常。その一景。
※ 一応こんな設定で書いてみた。
兄―――少し素直じゃない性格。気まぐれ。
妹―――兄と同じく素直じゃない一面がある。




