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ブラッドプリズン  作者: 桜花琉里
2/5

1話

中国語、韓国語、英語が出てきますが、全て翻訳機で翻訳しているため文の意味が異なる場合があります。ご了承下さい。

車の窓から見える外は濃い緑と黄緑ばかりだ。葉の隙間から漏れる日の光が眩しい。微かに木々を揺らす風を感じたくて、窓を開けた。

(おい)무엇을 하고 있어?(何をしている)

運転手がミラー越しに睨む。スーツにサングラス、そして強面という見るからに怖いこの男東方成一(あづまべせいいち)は、口ではそう言いながらも自分で操作して窓を閉める気はないようだ。

Noisy.(うるさい)

大きなあくびをし、窓から顔を出す。

ーー妙義山。群馬三山に数えられる岩山。

昔は登山客で賑わっていたと耳にした事がある。地元の小中学生も登ったんだとか。

「馬鹿じゃん」

頬杖をつき、呟いた。

昔の一般人もだけど、政府はもっと馬鹿らしい。そう毒づく声は風と鳥のさえずりに消される。

너도 마라(お前もな)

ため息と共に聞こえる成一の声。どうやら毒づいたあれは消されていなかったようだ。

外に緑が少なくなってきた。そろそろだな、と窓を閉めて飲みかけのブラックコーヒーを飲み干す。

「俺の仲間は元気にしてるかなー?」

「下僕の間違いか?」

「はぁ?夜叉以下は下僕じゃなくて、奴隷だから」

着ていた赤いコートを脱ぎ、普段着ている少しサイズが大きい黒いパーカーを手にする。手首にも首にも成一から貰った金属の鎖をつける。まるで手枷と首輪だな、と金属の冷たさを感じる度に自分がある程度の自由を許される身であれ、犯罪者としてこの悪趣味な『(かんごく)』に住んでいるのだと実感する。

この監獄、通称“ブラッドプリズン”に世良は犯罪者として収容されていた。罪名は逃走援助罪(とうそうえんじょざい)。実験体だった久遠と鈴音が実験場から逃げられるように手伝ったため。

後ろ手で車のドアを閉め、棒付きキャンディーを口に入れる。パイナップルの甘さが口いっぱいに広がった。

世良より早く車を降りた成一が岩壁を軽く押す。すると液晶パネルが映った。指紋ではなく虹彩認証により、岩壁が開いた。

この岩山は大昔から中を抉って監獄が作られていた。窓なんて無いここは脱獄不可の監獄として一部の人達の中では有名だった。

その一部の人達に「篝 世良」も入るのだ。もっともそれは昔の話だが。

コンクリートの壁が続く廊下に赤いエレベーターがある。これを開閉するにも虹彩認証が必要で、囚人達は使えない。

빨리 와서(早く来い)

のんびりと歩く世良を一喝する。乗ったのを確認すると、成一は最上階へのボタンを押した。

囚人達は使えないとされているが、一部の囚人は自由に使うことが出来た。出入口のある1階以外はどこへでも行くことが出来る。使えるのはこの弱肉強食の監獄で圧倒的な強さを誇る“夜叉”だった。

囚人達は皆ランク付けがされており、“夜叉”、“鷲”、“鷹”と下がり、最下層は“ネズミ”。“夜叉”はその中で6つに分けられる。王、女王、四神、もしくは四天王。そのトップに君臨するのが世良だった。夜叉のトップはブラッドプリズンの囚人のトップを意味した。

静かに動いていたエレベーターが停まり、扉が開く。監獄とは到底思えない開放的で自由な光景が広がった。


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