自由という曖昧なものに
心の中にぽっかりと空いた空白を埋めたくて
ただじっと空を見上げた
銀杏並木は黄色に変わり
足元から伸びる影が心なしか薄い
なにもかもが薄くなって 淡くなって
自分さえもこのぬるい空気に溶けていく気がした
いや、実際にはそうなりたかったのかもしれない
いくら願ったところで叶えられることはないと知りながら
いつから意識し始めたのだろう
自由という絶対的幻想を
底のない小瓶に何をいれても埋まらぬように
私の心はいつまでも満たされることはなかった
自由という曖昧なものに執着し
一体なにがどうなるというのだ
自由の意味を知らない
自由の価値を知らない
自由の重みを知らない
それでも手を伸ばさずにはいられない
水面に移るかすかな光のようで
ないとは分かっていても手を伸ばさずにはいられない。
そんな曖昧なもの…なのかもしれません。
読んでくださってありがとうございました!
今後ともよろしくお願いします。