表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/39

第27節:紅い剣と白い華

CD聞いてて「やっべぇ!!この音楽クソイカスぜェ!!」ってのがあるけど、そーいう作品っていうのは思うに魂まで揺さぶられている。(実際自分がそうだ)

音楽とか関係無しにそーいう作品に触れたときに、価値観は変ってしまう。

でもそんな人生すらも変えてしまうような作品というのに出逢えるのはごく稀で、そーいうのを見つけれた人は凄く幸せだと思う。

少ないからこそ、だから自分はいつかそーいう作品を創ってみたいと思う。

大変だと分かってるけどそれでも俺は目指してみたい。



別世界のような静かな空間。

その空間には俺と去蝶しか居らず、互いに静かにお茶をすすっている。


「何から…どこから話した方がいいかしらね…。」


言葉を探すように言った去蝶は静かに湯呑みを置いた。

俺は急かすことなく、あぐらをかいて静かに去蝶が続きを話し出すのを待っていた。


「まずは…天浪琴那の過去と”力”についてかしら。タイラントが狙う理由はそれだから。…天浪琴那にはね、本当の力が隠されているの。隠されいるというより『存在した』と言うほうが正しいかな。完全なる未来の透視能力が…。」


「完全な未来の透視能力?ンな去蝶さん、天浪なら普通に未来を見ることが出来るじゃないスか。」


俺は去蝶の言葉に疑問を抱き質問をするが、去蝶は構わず続きを話し始めた。


「まぁ順を追って説明するから。あなたにも関係あることなのだし。そう、ね…事の始まりは天浪琴那が5歳の頃だったはず…。まだろれつも上手く回らない少女だった天浪琴那はね、未来を予知する少女だった。完璧に、それこそピタリと当てたわ。」


俺は黙って去蝶の話を聞いていた。

社長室の巨大な窓から入る日の光が改装した社長室の中を白く照らす。


「でも天浪琴那は有名にはならなかった。それは何故か?広い情報網を確立していたタイラントは天浪の存在を知り天浪は拉致されかけたの。当時私の父の代の日輪の力はタイラントにはるか及ばずでね。なすがまま、天浪はやつらの手に落ちたわ。」


去蝶はここで話を区切り、お茶を注いで、俺の方に寄越した。


「いや、俺はいいっス。」


「そう。……それでね、天浪の拉致に行ったのは当時まだ現役だった…あなたの父、御守地蒼賢…だったわ。」


ピクリと体が反応した。

話を聴き入っていた俺は衝撃の事実であろうことにもあまり動じる素振りは見せなかった。


「あまり驚かないのね。」


「いや…結構キテるよ。で、続きを。」


落ち着き払った声で続きを促した。


「彼の”力”は記憶を操ること。もちろん戦闘能力もあったから天浪琴那の両親は殺された。でもね、陽介。彼は…御守地蒼賢は真の邪悪ではなかった。ハルフォードが彼女の力を手にしてしまっては危険だと判断したの。英断だったわ。そして…ハルフォードから受けた命…『天浪を無傷で連れてこい』という命令を無視し、ある一つの決断をした。それが…『力の分割』。」


去蝶は人差し指で俺を指差した。


「記憶といえば聞こえは軽いけど、記憶とは突き詰めれば今まで生きてきた足跡。その者の人生、その人自身に他ならない!彼は天浪琴那の5歳以前の記憶、…両親が殺された記憶や過去の記憶を奪うと同時に、彼女の力の一部を奪い『記憶の中』に混ぜた。そして我が子にその力を眠らせた…。それが…あなたの予知能力よ。」


「…まさか?まさか…だろ?なんでそんなことが…。」


「ピンと来なさい。天浪琴那の力は『遠い未来を予知出来るが、自分の好きなときに見れるわけでもない』。あなたの力は『ごく近い未来しか見れないが、自分の好きなときに見れる』。どう、足すと…完全な”力”でしょう?まごうことなき。まるでパンドラの箱に封じられた『ラプラス』のように。」


俺は黙りこくっていた。受け止めるべき事実が多すぎて重過ぎる。


親父がタイラントにいたこと…


その親父が天浪の両親を殺したこと…


そして…天浪との因果


「でもよぉ去蝶、一番重要なこと忘れてンすけどよォォ、一番の問題だけどなんでタイラントが天浪を狙うンすか?これからの世界情勢でも占うっていうンスかよ?それともロト6の抽選でも見るンかよ?」


俺は茶化すように笑うが、去蝶は変わらずに至って真面目な口調で話を続けた。


「違うわ。欲しいのは天浪とあなたの力…。ハルフォードはね……世界各国から、最要注意危険人物として挙げられているの。奴の力は『天災を呼ぶ力』。それは過去、そして未来に起こりうる天災を現在に呼び出し、突発的な大災害を引き起こすの。考えてみなさい。国が核保有をするよりその身一つで国に乗り込み、大都市を天災によって機能を停止させてしまう。国としては防ぎようがないし、しょっちゅうやられたらたまったもんじゃあない。ハルフォードは戦う力ではない。だが『国』に対しては絶大な力を発揮するの。」


俺の頭の中でバラバラだった謎が組合わさったようにすっきりとした。合点がいった。

だからタイラントは俺と天浪を狙ったのか。

完璧な”力”ならば遠い未来に起こるうる、最悪の天災を今に呼び起こすことが出来る。

アルマゲドン級の大災害すら起こり得るという事だ。

だから今回の任務で俺が動いたときにタイラントも動いたというのがわかった。

戦うことのできない天浪を連れて回るということはそれだけリスクを背負う羽目になる。

俺が天浪といれば天浪を守りつつ戦わなければならないため戦闘力は半減、相手にしてみれば一石二鳥だ。


しかし、ここまで考えがまとまったところで一つの疑問が生じた。


「で、でもよ去蝶さん、天浪を欲しがる理由は分かったけどなんで、俺らが動いたときにタイラントも動いたんだ?偶然じゃ片付けらンねぇぞ?」


「そう…我々は確かに先手を打った。打ったはずだった…!しかし…タイラントは私達の行動を見透かしていたかのように陽介と天浪を狙った…。ここからは私の独断だけどね、多分今回だけにもかかわらず日輪の情報はダイアナ・ロスに筒抜けになってると思う。ダイアナ・ロスは決して尻尾を見せない。知っているのは名前だけなの。多分アメリカの仕事でネメシスが現れたのも…。」


去蝶はふぅっと息を吐いて目を閉じた。

手にした湯飲みの中のお茶は湯気を出していたがいずれ冷めていき、今度は硬く凍り付いてしまった。


「クソウジめ…。」


ポツリと静かに呟く去蝶からははっきりとした、そして初めて感じた『殺気』が漂っていた。

この世界に居てまだ殺気というものを感じたことのない俺は去蝶によって初めてはっきりとした殺気というものを感じることが出来た。


組織(タイラント)に対する裏切りは万死。そして…御守地蒼賢は姿を隠した…。彼のその後については知らないけど、この記録は自宅に…彼の自室のレポートに隠されていた。私はソレをコネで入手したの。私が知っているのはここまでよ。そして話せるのもね。」


黙ってうつむいていた俺はジッと自分の手を見る。


「……なぁ…去蝶さんはよ、シャキーラってどんなヤツか知ってるか?」


「馬頭から聞いたわ。確か…『相手の力を奪って使役する』って聞いた。……まさか…!?だからか…。そうか…それなら…。」


一人納得する去蝶に俺は何も声をかけず立ち上がった。


「お茶ゴチソーサマでした。聞きたいことは聞けたンで俺今から牛頭さんのところに行って来ますわ。」


「そう。あ、あ、ちょっと後でさ、全員集合するように言っといて。龍兵も牛頭も馬頭も阿防にも。」


「分かりました。じゃ俺はこれで。」


社長室を後にした俺はずっとあぐらをかいていた足を、伸びをしてほぐし牛頭のいる医務室へと向かった。






―――社長室で一人物思いにふけっていた去蝶は凍りついた湯呑みの中のお茶をもう一度元の熱いお茶の状態に戻した。


「そうか…だからか…。揃ったというわけか…。そして…ヤツはタイラントと繋がっている…。ン〜…ムムム…動くしかないか。この日本を…私の理想とするために…。」


一人そう呟くと湯飲みを置いて部屋にあったCDを一枚、ケースから取り出し音楽をかけた。


「『8歳の少年が憎しみの銃に直面し♪少女の運命が軽んじられる♪』…確かに…。戦おう。腐ったクソウジどもの駆除のために。そして……御守地陽介と天浪琴那…面白い運命ね…。『red and white』天浪が白い華なら陽介はソレを護る返り血を浴びた騎士ってとこかしら。フフフッ!」













「牛頭さんその腕マジで大丈夫なんスか?」


俺は医務室のベッドで横になっている牛頭の腕を見ながら置いてあったチョコを一つ頬張った。

甘いチョコにマカダミアンナッツの香ばしさが口いっぱいに広がりチョコの美味さを引き立てる。


「勝手によォォォ、俺のチョコ食ってンじゃあねェェェ陽介。ま、それはともかく腕はな、骨が残ってる分再生は早いとよ。馬頭ン時もネメシスに腕一本持ってかれたけど、まぁあと半日もすりゃあ完全この包帯も取れて腕も完璧に動くようになる。」


「ヘェェェェ、恩羅さんスッゲ!!確かさァァ、恩羅さんの”力”って『粘土』が対象の体組織の情報を読み取ってそこから記憶された腕の形の通りに作り変わっていく…だったよね?」


「まぁ、突き詰めて言えばそうだね。でも死んだ者は生き返らないわよ。」


恩羅はなにやら難しそうな言葉が書かれた書類をめくりながら答えた。

俺はもう一度牛頭の腕の状態を見て、恩羅にまた質問をした。


「じゃあさ、ハゲた人の毛根とかって復活するンか?試したことある?」


「ン〜興味はあるけどやったことはないなぁ。そら辺のことわかんない。そもそも毛根死んでるし。」


俺のバカな質問にクスクス笑いながら書類をデスクの上に置いた。

開け放たれた窓から入り込んだ風はカーテンを揺らし、書類の端をひらひらとめくる。


「そーいやぁよ、助けた女の子が俺ンとこに来たぞ。名前…エェ?…何つったっけ?」


「天浪琴那。」


喉元まで出掛かっている名前がどうしても思い出せなかった牛頭は恩羅に名前を聞く。

恩羅は特別考えること間もなく、すんなりと答えた。


「そう。天浪だ。ンでな、俺の腕見て泣き出したンだよ。ビビッたよマジでよォォォ。でもさ、謝ったりはしなかった。そン代わし、すっげぇ感謝された。いい子だな、あの子。」


牛頭はニヤニヤとしながら俺を見てくる。


「…なんで俺見ンすか?」


「いや別に。ちゃんとよォ、護ってやれよ。天浪のこと。あいつはもう頼れるやつは居ないしな。つぅかあいつにとっては今お前しか居ねぇンだしよ。」


「わぁってますよ。そこンとこは。あ、そいやぁ去蝶さんから伝言あるンすよ。『後で全員社長室に集合』って言ってましたよ。それじゃあ俺は伝えましたから。」


「おう。伝わった。」


俺は席を立ち、医務室から出て行った。

携帯を見ると時刻はまだ11時を過ぎたばかりで、行く当てのなかった俺は自室に戻ることにした。











――そして時は進み再び場所はイタリア。

ただし前回と違い今度はイタリアのローマで、一人の『少女』が目を覚ました。

少女は窓から差し込む月明かりに照らされ神秘的な雰囲気を出していた。


「…………ッ。」


「目覚めたかな?『眠り姫』…。」


「アナタは…ダレ?私の知っている人?」


黒髪の、髪の長い少女はベッドの上で半開きで相手を見る。

少女の身体は小さく小柄で、身体を見れば年はまだ13歳、14歳あたりといったところだろう。

それでも年の割には小さく見えてしまう。


「ここは…どこなの…?私はもっと寝ていたかったんだけど。……どの位…私は眠っていたの?」


「眠り姫…アナタは7年と2ヶ月ほど寝ていました。しかしその姿は変わっていない。永遠の少女の時間をアナタは過ごしていたのだから。」


少女の話相手は月明かりが届かないドアの近くに居たので少女には顔が見えなかった。


「そう…そんなにも…。『デ・ラ・ソウル』は?あの人は今ドコに?」


「『あの人』は今ここにはいない。だから私が君を起こした。時は満ちたよ…。そろそろ動かねばならない。我々も…。」


「そう…それで、あなたの名前は?」


少女は身体をゆっくりと動かし、長い年月を経た手足が正常に動くかどうかを確かめていた。

グーを握ったりパーを開いたりと、動作確認をゆっくりと行う。


「マキャベリィ。『マキャベリィ・テンシーシー』です。私も…組織のものですよ。」


「そう…。マキャベリィ、私を起こすということは何か大きなことでも?」


「起きる。しかしまだ不確定だ。だが…来たるべき時に備えて我々は営々と…永く息を潜めていなければならない。戦いは…必ず起こる。歴史の渦中には常にいた。我々『マートゥリサイド』はね…。」


マキャベリィは掛けていた眼鏡を上げ、くくくっ…と笑った。

少女はそんなマキャベリィを眠そうな感情を感じられないような目で見ていた。


「マキャベリィ…。」


「なんでしょう?」


「システィーナ礼拝堂の『Giudizio universale(最後の審判)』が見たい。」


「いいですね…。私も見てみたい…。では今度…見に行こうか。」

















「全員集まったわね…?」


午後10時、俺を含め社長室には去蝶が言った全員が揃っている。

総勢たる顔ぶれと言っても過言でもない。


「流石に一度に…これほど集まると圧巻ね。」


去蝶は俺達を見回し、まるで俺達を騎士を見るかのような目で見て微笑んだ。

龍兵に牛頭馬頭、阿防にのと。

その中に俺が加わることがなんら遜色のないことだと言われると少し嬉しく思う。


「で、俺らを全員集めて…一体何をしでかすんですか?」


長い前髪をピンで留めていた龍兵は去蝶にたずねた。


「我々が…動くときが来たのよ。日本を動かすときが来たの龍兵。詳しい説明は今は省くけど仕事の内容はもう決まっている。」


去蝶は静かに微笑み、長い黒髪を手で弄びながら言った。


「知っての通りッ!!前回の天浪の救出任務において『上』から直に私へと圧力がかかってきた。『天浪琴名を抹殺せよ』と。今までは日輪の組織力といえど従うしかなかったわけだけど今回、私はその命令に反しました。」


真っ直ぐな瞳には力が宿り、去蝶はそのまま話を続けた。

俺達は皆黙って去蝶の話を聞いている。


「とすると上からの対応は当然変わってくる。国家権力によっていつかは日輪は消え、滅び、潰されるかもしれない。その覚悟は…皆お有りで?」


皆無言で頷いた。


「…ならば……ただ滅びが来るまで立ち向かって待ちそれを打ち滅ぼす。そんなねぇ…受身は私の性に合わないンだよねコレが。」


「どうするかは…決めてあるンでしょ?」


牛頭が去蝶にたずねた。

去蝶はフッ…と鼻で笑うとみんなを見渡した。


「決めている。決まっている。ならばこちらから叩き潰すまで。日本を変える手始めとしては丁度いい。今回のターゲットは日本国法務大臣『有森貞治』!!」


「なんかよ、メチャクチャやるよな去蝶って。」


「だからいいンじゃねぇか。暇じゃネェだろ?」


隣に居た龍兵にそう呟くと龍兵はくくくっと口を押さえ静かに笑った。


「詳しい日時は今は教えることは出来ません。でも…各自、そのXデーに向けて訓練でもしといて。殺られる前に…こちらから殺る。」


去蝶が立ち上がり、ソレと同時に座っていた俺達も席を立った。

大きな窓に手を突き、下界の様子を見下ろすように暗くなり明かりがついた街を見る。

窓には去蝶の顔が映し出されたいる。


「もう後戻りは出来ない。みんなの命…私に預けてくれるかしら?」


いつものように艶のある声でもなく、どこか不安を孕んだ声。

去蝶も…不安という訳なのだ。自分の判断で部下の命が危険に晒されるかもしれない。

自分についてきてくれる人はいないかもしれない。…と。


「…俺は…日輪の『暴力』だ。感情もなく刀を振るい、敵を斬殺する。好きに俺らを使うがいい。俺は御主(おんぬし)のために戦う。」


「『暴力』は…決して屈しない。そうでしょう?日輪は暴力そのもの。日輪が負けることはないわ。鬼なって、私は戦います。嵐となって、私は闘います。私情もなく、刀を振るいます。」


牛頭馬頭は自信満々に微笑み、去蝶を見る。


「俺はよォォ、アナタの思想に惹かれたんです。その行く末は最後まで見てみたいし、そのためにはいかなる犠牲も払う。アナタを死なせはねぇし俺はアナタについていくと決めた。堕ちていくだけの俺を救ってくれたのは去蝶…アナタだけです。俺はアナタの中に光輝くものを見ることが出来た。」


「俺も俺も。去蝶に逢えなきゃ俺は殺すだけの畜生だったからな。毎日が楽しいのはよォォォ、去蝶に出逢えたおかげだし、感謝もしている。……光を裏切ることはできねぇわなァァ。」


龍兵も、のとも臆することなく去蝶の後姿を見る。


「一人で戦う女性ってさァァ、カッコイイよね去蝶。だからアタシはさ、アンタのこと尊敬してる。それに一人でドコまで戦えるかってのを見てみたいけど、アンタが死ぬのは耐え難く嫌だ。アタシはアンタに恩義がある。ついていきましょう。地の果てでも、終焉の刻まで。」


阿防は席にストンと座り、膝に肘を置いて、頬杖を付きながら答えた。

どうやら最後は俺のようだ。答えは決まっているし流れ的にも分かる。


「俺ぁよ、去蝶さんには借りがあっから。天浪を助けてくれたしね。俺は…アンタの陰謀でこの世界に入っちまったが、どういう理由があったかは知らねぇし知ろうとも思わん。だけど借りがあるのは確かだ。……それに居場所がなくなるし、天浪を護ると約束したし。」


去蝶は窓の外を見つめたまま決して振り返ることはしなかった。


「ホントに…死ぬかもしれないよ…?覚悟の…上ですか?」


「死ぬ覚悟などするまでもない!!戦う覚悟しかしてねぇんですよ俺らはよ。」


牛頭が言い放った言葉に俺らは同時に、黙ってうなずいた。

戦う以上、勝つしかない。勝つからには生き残る。それが勝利である。


「ありがとう…。」


窓に映った去蝶の頬には一筋の涙が美しく曲線を描き、そのまま頬を伝って雫となって落ちるのがわかった。











ふ〜。とりあえず一段落ですね

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ