助力と代償2
亀のごとく、のろのろ進みます
こんなはずない。
自分は三十路をとうに越え、少々童顔ではあったが、それなりに年相応な顔をしていた筈だった。
水面に映るのは愕然とした顔で覗き込んでいる少年。
年は10を2、3越えたくらいか、まだあどけないふっくらとした丸みのある頬、ただ明らかに見覚えのある銀の髪、翡翠色の瞳。人間よりとがって長い耳。
「・・・・・・・。」
呆然と停止した少年の横をひらひらと光の粒が舞う。
木々がざわめき、精霊塚からゆっくりと光が集結し人影を浮かびあがる。やがて淡い若草色の光をまとい緩やかな衣をまとった美しい女性の姿が現れた。
優雅に腰を折り、少年の顔を覗き込むと優しく微笑みかけた。
『森の民の末裔よ、どうした?どこか痛むのか?穢れと傷は、小精が気張って治しておったがのぉ?』
たおやかな声音で語りかけつつ、少年の柔らかな銀糸の髪を撫でる。
我に返った少年は、耳の先まで赤く染め慌てて一歩跳びのいた。
「うぇ!?あぁ!、・・・し、失礼いたしました!この森の長であられますか、私は、レクシス・ルクリオーク・ラルファと申します。汚れを持ち込んだに関わらずお助けいただき、ありがとうございます」
少年は片膝をたて頭を下げる。そんな少年を微笑ましげに見つめ満足そうに頷いた。
『そう、畏まらずともよい。森の民は我が眷属に連なる者。助力は当然。まぁ、訪れる者も久々ゆえ、小精が少々やりすぎ、若木が若芽になってしまったようじゃが・・・・・。これもまたういのぉ~』
癒しの逝きすぎた魔力が生気を増幅させた為、生じた副作用が”若返り”を起こしたということらしい。
死ぬよりは遙かにまし・・・・・とはいえ、内心頭を抱える少年であった。
全然進みませんな・・・・若返って理由判明って事で・・・・
細切れ過ぎるかも!!どっかでまとめと方がいいかなぁ