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花粉症とプライドの戦い

作者: はやはや

花粉症じゃない! っていうプライドいる?

 先日テレビの天気予報コーナーを見ていると、花粉の飛散についての話題が出ていた。今年は去年より飛散量が多いらしい。花粉症の身にとっては悲報だ。

 気象予報士がいろいろ解説をしていて隣で男性アナウンサーが相槌を打っていた。気象予報士がアナウンサーに尋ねる。

「◯◯さんは花粉症ですか?」

 その問いにアナウンサーが答える。

「くしゃみとか花粉症っぽい症状はあるんですけど、花粉症って認めたくなくて耳鼻科にはまだ行ってないです」


 その言葉を聞いた時、過去の私を思い出した。

 そう。あれはかれこれ十年前。

 当時の私は一月終わり辺りから鼻水鼻詰まりに悩まされていた。くしゃみも出る。もしかするとこの症状は花粉症というやつか? そんな考えが頭を掠めたが私は認めなかった。多少つらいが我慢できなくはない。その後も毎年同じ時期になると同じ症状が出た。そして鼻詰まりも酷くなり鼻腔が真空パックのようにピタリとくっついたようになり、瞬きを何回もしてしまうほどの目の痒みも加わった。

 ある晩、鼻水が水道のように止まらなくなり、洗面台で鼻を洗いながらおさまるのを待っていた時、「はて、何をしているんだろう?」と自問した。


 もはや花粉症と認めた方が楽なのではないか?

 病院に行って薬もらうのがいいのではないか?


 その考えが腑に落ちた時、私は花粉症であることを認めた。そもそもどうして花粉症であることを認めるのがイヤだったのかわからない。花粉症でない方が春を過ごしやすい。でも、それだけではないか。花粉症でも病院へ行って薬をもらえば、今よりは楽になる。

 そうして私の花粉症を認めたくないプライドは衰退した。翌日、早速病院へ行った。薬を飲んでも格段によくなるということはないが、気持ちは楽だった。


 あれから十年。私と同じように花粉症であることを認めたくない人をテレビで見つけた。その人に言いたい。花粉症を認めたくないプライドは一番必要ないプライドですよ。症状が酷くなる前に病院へ行きましょう。

読んでいただき、ありがとうございました。

みなさんは花粉症大丈夫ですか?

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― 新着の感想 ―
こんにちは。 嫌な季節が来ましたよね。 私も花粉症で、すでにむずむずしています。 「私は花粉症ではない。風邪だ」 そういう人、いますよね。 それで症状が軽いのならいいのですが、明らかに辛そうな人は、本…
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