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旅人旅行録  作者: ヒロ
14/15

越冬録 その3

 さてと、次の本を探そう。解体新書とか無いかな~


 またも適当に本棚に手を添えながらタイトルを見ていると、さっきの本で出てきてちょっと気になっていた単語に関するであろうタイトルの本を見つけた。読むか。


 <各種族の魔術的素養と魔術耐性について>

 (以下は本の抜粋である)

 大まかに分けて5種族いる人種の内、魔術適正を持つのは高い順に並べて魔族・魚人・人間のみである。 一応、例外として、獣人種のククルカン族は高い魔術適正を持っているとされているが、著現在滅んでいるため本書には彼らに関する記述を著さない。

 

 魔族の魔術適正について

 魔族はほぼ全ての個体が魔術適正を持ち、その火力は他種族の追随を許さない。炎を出せばいかなる金属をも溶かしうる。水を出せば簡単に枯れた湖を満たせる。岩を生み出せば簡単に小さな山のような岩石を作り出せる。風を起こせば世界樹すら揺らぎうる。それほどに強力である。


 魚人の魔術適正について

 魚人のほぼ全ての個体が魔術適正をもち、水属性の魔術を得意とする。その一撃は小人の協力を得て人間が作り出した鋼鉄製の蒸気船を貫通するほどである。水中では、魔族にすら届くほどの威力をもつ。一方、魔術的な素養を水属性に一点集中しているのか、他の属性の魔法は一切使えない。


 人間の魔術適正について

 人間の内約1割程度が魔法適正を持つ。その内ほぼすべての人間が4つ全ての魔法属性を使える上、唯

一回復属性の魔法を使えるが、多くは1つの属性に素養がほとんど集中しているため、所謂主属性以外は種火やそよ風程度の影響しか及ぼさないだろう。ただし、基本的にどれだけ鍛えても獣人・魚人・魔族にはかすり傷が関の山なので対人間を前提として鍛える事を推奨する。だが、回復魔法に関しては他種族に対して命乞いをする際にとても有用であるため、他種族を治す前提で全力で鍛える事を推奨する。


 魔術耐性について

 魔術耐性とは、魔術による身体的攻撃に対する耐性の事である。魔術耐性を強さ順に並べると一般的には獣人>魔族>魚人>人間=小人である。


 仮に、人間の魔法の威力が1000あるとしよう。小人の計測データをもとに計算すると獣人に対してであれば10の威力がダメージとして通る。かすり傷にもならない。魔族に対してであれば100の威力がダメージとして通る。敵対行為とみなされ攻撃主は消し炭になる。かすり傷一つ付くかどうかの一撃の対価としては割が合わないだろう。魚人に対してであれば200の威力がダメージとして通る。本来ならばそれなりの傷にはなるだろが、彼らは基本的に水中に居るため、かすり傷が付けば良いところだろう。人間に対してであれば1000の威力がダメージとして通る。当たり所が良ければ一撃で仕留められるだろう。小人に対してであれば1000の威力がダメージとして通る。体躯も相まって確実に一撃で仕留められるだろう。なおその後、一族郎党爆殺されることになるのは言うまでもない。

 

                                       <完>     

 

 読んでいた本をパタリと閉じ、本棚に戻す。なるほどね。うん。物理鍛えておいて良かったぁ~魔法だけだったらコレ相当メンドイでしょ。そ~言えば私こっち来てから物理攻撃しかして無いな。うん。物理軸で行こ。にしても爆殺ってこっわ~。水素爆弾とかだと防御メンドイな~。


 さて、地図地図~。解体新書も欲しいけどいい加減世界地図見たいわ~。まてよ、地図は本じゃ無くないか?羊皮紙に書くものだろ普通。じゃあ巻物タイプか。なるほど。


 本棚から目を逸らし全体的に蔵書室を見渡す。するとすぐにお目当ての形状の巻物が見つかった。置いてある棚の下についているプレート曰<世界地図>なんだそうだ。ビンゴ。良くできましたワ・タ・シ。


 早速丁寧にバサッと世界地図を開く。そこには衝撃の事実が描かれていた。巨大な大陸が1つあるだけなのだ。小さな島々はそこそこあれど、他に大陸は無い。確か地形がこんな感じだと地表下に熱が溜まって火山活動が活発化して大噴火カーニバルになるんじゃなかったっけ。今は熱貯め中なのかな~?割とそんなに時間的余裕ないかもな~まぁ1000年くらい持てばいいか~


 海と陸の割合は大体6:4ってとこだろう。ただ、もう一つ気になることが有る。縮尺が本当に正しいのならば、この星、私が生まれた星の3倍あるんだけど。えっ重力軽くない?さして変わらないんだけど。あぁ~もしくは私が長い事低重力下に居過ぎたから感覚バグったのかな~う~む分からぬ。まぁ星の組成が違うからとかそんな感じでしょ多分。


 え~地図によると人間国家は大陸の西端ら辺に位置してて大陸の大体一割弱くらいが国土で~、獣人国家は大陸の南端ら辺に位置してて大陸の大体2割強くらいが国土で~、残った約7割は全部魔族国家の国土で~す。なるほどね~。魔族強いな~うん。多分生息域を気ままに開拓・拡大してたらこうなっちゃったんだろうな~。


 魚人は海全体で国土を主張してるけど小人に認められてるのは、大陸の大体反対側の所だけと。なるほど。注釈に書いてあった。ちなみに注釈曰く宇宙空間は全部小人の領土であるらしい。多分否定する書を残したら爆殺されるんだろうな~怖いな~。まぁ今は小人以外は宇宙行けないらしいし行けるようになるころには大噴火カーニバルで地上文明消し炭になるだろうし他種族には関係ないでしょ。多分。


 地図を巻き巻きする。割と衝撃的な内容であった。私のようなお堅~い脳みそにコレはキツイ。うん。あと一冊くらいにしよ~。解体新書あるかな~ないかな~。あとは獣人のレパートリーに関する本とか探すか。さっきククルカン族とかあったし。きっとバリエーション豊富なんでしょ。


 地図を棚に戻し、先程までと同じようにしてサラサラ~と本を探す。暫く歩き回っていると<獣人種の部族区別について>というタイトルがあった。嘘だろ。ほぼすべての本をチラ見したのに医学書一つ無かったぞ。トータル2500冊オーバーだったのに一冊も無かった。ていうか大体科学書か娯楽小説だったんだけど。子供たちの趣味なのかな~、まぁいいや。本日ラストの読書開始~。


 (以下は本の抜粋である)


 獣人は一般的に身体的特徴の差異故ににネコ族・イヌ族・ネズミ族・ウマ族・リュウ族・トリ族・トカゲ族の7部族に別れ普段生活している。なお、例外として兎人と人狼、ククルカン族は独立した集落を持つ。兎人と人狼は他の獣人との差異がありすぎて同じ環境で生きていくのが難しいというのが著者の見解である。ククルカン族に関しては語るまでも無い。


 ネコ族

 基本的に頭に2つのネコ科の耳とネコ科の尻尾を持つ。トラやジャガーに類似した模様の個体もいるため、ネコ科であればすべてがネコ族であると言えるだろう。非常に子沢山であり、繁殖期にはかなり気性が悪い。仮に、ネコ族で繁殖優位個体でないのなら近づくことは推奨出来ない。絶対的に頭からバリバリいかれ物理的に食べられる事だろう。また、跳躍力と知性に優れ、手の爪で大木をなますにするほどの力を持つ。その上、たぐいまれな幸運を持ち、8度までならばどんな命の危機も切り抜けると言われている。魔族が徹底抗戦の構えをとらない限りはそうやすやすとは死なないだろう。


 イヌ族

 基本的に頭に2つのイヌ科の耳とイヌ科の尻尾と鋭い2つの犬歯を持つ。狼に類似した個体は存在しない。おそらくは人狼が本来カウントされるべき対象なのであろうが、人狼とイヌ族は敵対関係にあるため、同族カウントすることは出来ない。著者は戦争の火種を投じるつもりはない事をここに著すものとする。ネコ族と同じで、子沢山であり、繁殖期には気性が荒い。イヌ族で繫殖優位個体でなければ足からバリバリいかれるだろう。また、非常に足が速く、執拗に獲物を追いかける習性があり、鼻が獣人の中で最も鋭い。撒くのは魔族にも不可能である。が、魔族ならば簡単に魔術で殺せるため、なんの心配も無いだろう。


 ネズミ族

 基本的に頭に丸まった2つの耳と細く毛の生えていない尻尾を持つ。獣人の中で最も子沢山であり、個体数が多く、人口の増加速度も早い。だが、ネコ族と敵対しており、日々部族間戦争に勤しんでいるため、他の部族とさほど変わらない。大木程度簡単に砕く精強な体を持つが、全体的に小柄で目立った武器が体に備わっていないため、ネコ族に日夜いいようにやられ、食べられている。なお。こちらも繁殖期に近づこうものなら確実に群がって腹からバリバリと食べられる事だろう。体躯は人間でいうところの10才程度で雌雄ともに止まるため、幼い見た目ではあるが、油断してはならない。


 ウマ族

 基本的に頭頂部から腰付近まで続く鬣と長髪で長い尻尾を持つ。獣人の中では比較的繁殖能力が低い部族である。足腰が非常に発達しており、継続移動能力は獣人の中で最も高い。また、獣人の中で唯一汗をかく。全力で走った後はまる汗が湯気のように立ち昇る。この状態の彼らは非常に熱く、刺激に敏感なため、接触は推奨出来ない。接触しようものなら確実に頭を踏み抜かれる事だろう。基本的に普段は各部族間の伝令役を担当している。走り屋としては大変優秀であるため、他部族との関係は著現在非常に良好である。


 リュウ族

 基本的に頭に魔族に似た二本の角と、太い爬虫類の尻尾を持つ。獣人の中で最も長生きであり、技に長けている。何かしら1つの武芸にその生の全てを費やしており、非常に強い。簡単に大地を踏み抜くほどの豪脚と、手刀で大岩を切り裂く程に強靭な腕と鋭い爪を持つ。また、体の至る所に鱗を持つ個体が多く、鱗は小人謹製の高威力爆弾の爆発を受けても原形が残る事が大半であるため、人間が傷を付ける事は非常に難しいだろう。発情期はめったに訪れないが、その代わりに非常に激しく、リュウ族の優勢繁殖個体でなければ即座になます斬りにされそのまま美味しく頂かれるだろう。獣人曰く彼らにとって人間肉はかなりの美味であるらしい。


 トリ族

 基本的に鳥類の羽と同じような2本の腕を持つ。風切り羽根は持っているが、体重故か飛翔することは出来ない。基本的に高所から滑空する際に羽を使う。ネズミ族と同等以下の小柄な体と空洞のある細い骨を持つため、人間でも殺せうる程に脆い。が、鋭いかぎ爪と凶悪なギザ歯を持つため、勝ち目は基本的に無い。繁殖期には特定の相手とのみ、自分の骨が割れる程に激しい交尾を行う。また、魚人と同じく卵生である。発情期の間はほぼずっとパートナーを激しい交尾をしているため、気性が荒いか否かは定かではない。が、邪魔しようものなら魔族であろうと手痛い反撃を食らうことになるかもしれない。


 トカゲ族

 基本的に全身をくまなく包む強靭な鱗とリュウ族よりも細い尻尾を持つ。他の獣人に比べ、再生能力が高く、腕や足はおろか、臓器ですら自己治癒が可能である。時間はかかるが根元から生やすこともさほど難しくはないらしい。また、高い毒耐性を持ち、現在小人が作り出した毒物以外にトカゲ族を殺しうる毒は存在しない。繁殖期にはとても短いが代わりに一日中交尾をし続ける。気性も悪く邪魔すればきっと頭と足の両方から丸のみにされることだろう。関節がとても緩く、関節を外すことにより、獣人のなかで最も柔軟な体を得る事が出来る。自己申告曰く頭が通ればどんな穴でも通れるらしい。


 兎人

 頭にに2本の耳が生え、丸い頭とスリムな体を持つ。彼らは外部との関係を完全に絶っているため、情報はほとんどない。分かっているのは、リュウ族ですら手を焼く程に強いというだけである。


 人狼

 非常に人間に似た見た目をもつ。耳が無ければ尻尾もなく、体毛も人間同様薄い。特定の環境下で変身する体を持つわけでもないため、ただの恐ろしく強靭な人間と呼んでも差しつかえ無いだろう。もっとも魔法に関しては絶対的に使えない。他の獣人の目には美味しい獲物としか映らないため住処を別にしているというのが著者の考えだ。


 ククルカン族

 小さな羽が一対後頭部からおでこ付近にかけて生えていたとされる種族。著現在滅んでいるため、書物を参考にするしかない故の齟齬がある可能性がある。獣人の中で唯一魔術適正をもち、素養に関しても魔族に並びうる程に高いとされる。知識に関する渇望が強く、世界の法則を破壊しうる禁忌の発明をしたが故、全種族を敵に回し、1年も経たずに滅んだ。彼らが滅んだ頃はまだ小人の科学技術も発展途上であったためにかなりの死者がククルカン族以外にも出たという。ククルカン族1000弱に対し魔族3000超獣人10000超人間7000超小人1000超の被害が出たらしい。魚人は終始海の中から物資援助に注力していたため死者はゼロである。また、この戦争の際は人間と獣人という当時も敵対関係にあった2種族が手を取り合い足並みを揃え戦うという前代未聞かつ未来永劫あり得ない現象が起こった。


 <完>

 

 読んでいた本をぱたりと閉じ棚に戻す。ふむ。なるほどね。うん。こっわ~獣人。バリバリ食べられるなんてゴメンだなぁ。対話通じるといいなぁ。無理だろうなぁ。殴って叩いて切り飛ばしたら話聞いてくれないかなぁ。私観光目的だから害なすつもりは無いんだけどなぁ


 ふと窓から空を見やれば、夕焼けに染まっていた。もういい時間のようだ。そろそろ読書はやめて夕食でも御馳走になるとしよう。朝からず~っと本読んでたからかクッタクタだ。さっさとご飯食べて寝よ。

書くの楽しくなってきた。人間って単純だねぇ。

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