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旅人旅行録  作者: ヒロ
10/11

攫われっ娘護送録3

一人でに、目が覚めた。酒のせいで眠りが浅かったようだし多分まだ夜明け前だろう。


ベットに寝かした3人は、まだまだぐっすり寝ている。ゆすった程度では起きそうにない。この3人が起きてくる前に朝食でも用意しておいてやろう。


朝食を用意するために昨日酒盛りをした広間に入った。


「痴女だ。痴女がいる。」


広間の扉を開き、最初に目に入ったのは肌着姿で天井から吊るされた痴女だった。


「誰が痴女だ!剝いたのはテメェだろ!」


訂正。没落貴族令嬢のシェリーちゃんがいた。


「いい加減降ろしやがれ!縄が体に食い込んで痛ぇんだよ」


すご~く元気だなコイツ。一晩拮抗縛りのまま吊るしてんのに元気ピンピンじゃん。


「言葉遣いが悪いねぇ。躾が足りなかったかな?」


「ヒッ」


一瞬にしてシェリーちゃんの顔が青ざめる。逆に何故昨日あんなに躾たのに常時このままじゃないのが至極不思議だ、


シェリーちゃんが拙い敬語で慈悲を乞おうとひたすらに媚びた声音で命乞いを宣うのを、右から左に聞き流しつつ調理場に向かう。朝ごはんは何を作ってやろうか。ポトフは昨日彼女らには好評だったようだし作っておいてやろう。朝食にはスープが必須だし。後はよく分からなかった食材たちを使って適当になんか作っておこう。知らない食材の使い方は料理帳を見れば一発だ。


そうして、ポトフを作りつつ知らない食材を味見して、料理帳を開きながら適当に合いそうな味付けで炒めて、いると香りにつられたのか3人が広間に入って来た。


「あれ?起こしちゃった?もうちょいぐっすり寝ててくれて良かったんだけど」


「こんなにいい匂いしてたら寝てられませんよ~。私も何か手伝いましょうか?」


悪いことをした気がするがまぁ本人達が良いと言うなら良いのだろう。


「じゃあシェリーちゃんで遊んでて。途中から静かになってつまんなかったんだよね~ご飯はあとちょっとしたら出来るからね~」


「了解で~す」


3人が思い思いの方法でシェリーちゃんで遊び始めた。抵抗できないのを良い事に体中をくすぐり回してた。シェリーちゃんでの喉からよく聞き取れない音が漏れてきた頃、ご飯が完成した。


「ごはんよ~遊んでないで席に着きなさ~い」


「「「は~い」」」


3人の期待に満ちた声が響くのと同時に、シェリーちゃんの吊るされている場所に最も近い机の席に腰を下ろした。なんて聞き分けの良さだろうか。学徒諸君にはぜひ見習って欲しいものだ。


「おかわり沢山あるからね~沢山お食べ~」


昨日爆速で食べ尽くされたため、今日は昨日よりも沢山のポトフを作った。おまけに炒め物もある。きっとこの娘達も満足してくれるだろう。


「あぁそうだダリアちゃん。食べ物無しでシェリーちゃんどれぐらい持つか分かる?」


「えっ」


シェリーちゃんが急に反応してきた。何故だろう?シェリーちゃんには話しかけてないのに。


「標準体型っぽいですし、水なしで5日。水ありで3週間ってとこですかね」


「わ~お結構持つじゃん。じゃあ水無しで良いか」


シェリーちゃんの顔に悲痛な顔が浮かんだ。当然だろう。愚図にやる飯はない。


「「おかわり!」」


ダリアちゃんと楽しく談笑してたら急におかわりの催促が飛んできた。おかしいな。まだ10秒もたって無いぞ。


「あっわたしもお願いします」


なんとびっくりダリアちゃんからも催促が来た。おかしい、さっきまで楽しく談笑してたというのに。もはや一噛みもしてないだろこの娘達。具材小さめにしといてよかった~。


それからひたすらおかわりに応じ続ける事10分。私換算30食分あったであろうポトフがすっからかんになっていた。炒め物のおかわり分ももちろん残ってない。10人分ちょいは作ったのにな~おかしいな~。


まぁこの娘達は満足気な顔をうかべてくれてることだし良いとしよう。おかわりラッシュが終わり、少し冷めたポトフを口に運びながら私はそう思った。


「そういえばダリアちゃんや、ここから街までの道とか分かる?」


「もちろんですよ。何のために昨日外の景色を確認したと思ってるんですか~?」


生意気気は元気の証拠。朝食はお気に召したようだ。実に結構なことよ。


「東南東方向に歩いて大体丸1日ってとこですね」


案外近い・・・のか?正直人攫いのアジトの街との距離の相場とか知らんし分からん。


「シェリーちゃんどうする~?持ってった方が良いかな~」


「たしか賞金首がかかってたはずなので連れて行った方が良いと思いますよ、お金欲しいなら」


「じゃ連れてこか~」


今は一文無しだし金銭問題は旅に影響出るから早めになんか目途たてないとだな~。


そこらへんに有った布袋にジャガイモとにんじんを詰め込み、寸胴鍋にぶち込めば超絶適当即席お弁当箱の完成だ。かさばるけどあの子たちの食欲を支えるには最低限これぐらいはいるのだ。致し方あるまい。


右肩にシェリーちゃんを簀巻きにした状態で担ぎ、寸胴鍋を左の小脇に抱えれば準備は完了だ。見た目はどう見ても不審である。


・・・門前払いされるかな~されないといいな~されるだろうな~


私が準備を終えたころには3人共準備満タンのご様子である。まあ着の身着のままだし持って行くものも無いだろうから準備行動などしてなかったけど。


「んじゃれっつご~」


「「「お~」」」


洞窟を抜け出た頃、約1名凄まじく青い顔をしていた。どうやら一晩たってより濃くなった腐臭にやられたらしい。吐き出す物も無いだろうに沢山えずいていた。大変そうだな~シェリーちゃん。


ダリアちゃんは昨日とは打って変わってケロッとしていた、心構えでも変えたのだろうか?まあ、せっかく作った朝食を吐かれない分には実に良い。


メアちゃんとメイちゃんは匂いに鼻をつまんでた程度で別に対して動じてはいないらしい。


洞窟の入り口から飛び降りで3人を1人ずつ受け止めているときにふと思った。私には街はおろか人の営みの痕跡とか見えなかった。のに1日で着くとはこれ如何に?どういう事なのだろうか?


疑問はすぐに解消された。方向感覚が鋭いらしいダリアちゃんに頼んで先導を任せてみると移動速度がびっくりするくらい早かったのだ。


ダリアちゃんのフォームか完全に小走りなのに私がちゃんと走ってる時並みの速度が出ていた。そしてメアちゃんとメイちゃんは動じることなく、さもこれが当然だと言わんばかりの動きでダリアちゃんに着いて行っていた。


  ***根っこやくぼみ、倒木なんかをぴょんぴょん飛び越えながら追いすがる事1時間後***


「皆大丈夫~疲れてない~?」


私は疲れた。


「大丈夫」


「問題ない」


メアちゃんとメイちゃんが息も切らさず答えた。よく見ると汗一つかいてない。あまりにも運動性能が高すぎる。


「このままだと日が暮れそうなのでペース上げますね~」


「は~い」「了解」


まだ上がるの嘘でしょ。おね~さんもう限界なんですけど。


      ***こっそり身体強化魔法と疲労除去魔法を使って追いすがる事4時間後***


「ねえみんな大丈夫~?そろそろお昼休憩にしな~い?」


ペースが上がってから5回目の休憩の提案をした。


「まだまだ全然いけます。ね?二人共」


「うん」「はい」


皆の余裕ありげな返事が返ってきた。要求は却下されたらしい。この世にも無慈悲があふれているようだ。おね~さんはそろそろ魔力補充しないとバテちゃうよ~。


      ***こっそり魔力を2回ほど補充しつつ追いすがる事4時間後***


前方に煙が見えてきた。。多分家の煙突から出てきた煙だろう。きっとたぶんそのはずだ。そうでなきゃ困る。もうあたしゃ疲れたよ。


「そろそろつきますよ~」


わ~いやった漸く休めるぞ~いえ~い。いやなんでこの娘達余裕綽々な顔してんの!?マジ意味分かんない。異世界人こっわ~。


てかめっちゃ走ったな~9時間でトータル350キロは走ったよ。うん。遠いな~街。煙とかほかのトコで見えなかったんだよな~まぁコレが標準的な身体能力ならこの間隔で離れてても不思議はないかなうん。


待てよ。この娘昨日の夜までまともに食べてなかったのでは?もしや・・・考えるのはやめよう。


街を取り囲んでいるだろう壁の門の付近にいた人が遠目に動き回っているのが見えた。不審者扱いされないといいな~されるだろうな~


門の前で皆綺麗にピタっと止まった。私は慣性のせいでコケだ。顔痛い。


「ダリア・ヴォルフレット。ただいま戻りました~」


ダリアちゃんが軽快な挨拶をした。大丈夫かな~?受け入れてくれるかな~?


「ダリアさん!?どこ行ってたんですか?探してたんですよ!」


受け入れられた。やった~休めるぞ~。




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