魔王四天王エルク出現!
ゆっくりマイペースでお話更新致します。よろしくお願いいたしまするm(_ _)m
私は暫くして倒れている仲間のところに行きました。
ワカナさん達、パーティーのみんなは無事のようです。
私はそっと寝かせてあげようと思いました。
何故なら、無理に起こしてあげる必要がないからです。
私は彼女達の寝顔を見ていると、とても安心します。
するとワカナさんが起き上がり目を覚ましました。彼女は私に気が付いたようです。
「あれ!? もしかしてロンナ!? どうしてここに!?」
ワカナさんは私がいるのにびっくりしているようです。
「わ、私。仲間のみんなを助けに来たのです、だからここにいるのです!」
「夢じゃないよね」
ワカナさんは右手で私の頬をつねります。
「ワカナさん、痛いですよ。何をするのですか!?」
「冗談、冗談。からかっただけ」
「もう!」
「ロンナ。何、その鎧?」
「これ、鎧の着物っていう鎧ですけど」
「ふーん。何か格好いいけどただの飾りだね」
「バ、バカにしてはいけません! 何故ならこの鎧は光魔法を持っていて私は選ばれし者なんです!」
「選ばれし者?」
「はい、そうです!」
「何か信じられない。だってあんたは今まで隠れて見ているしか出来ないお姫様みたいな存在だったからさ、選ばれし者だって言われても…ね」
「ほ、本当なのですよ! 魔物だって倒したんですから!?」
「ふーん。たまたまじゃないの?」
「だから、たまたまじゃないんですってば!」
「ロンナってからかってると楽しいね」
ワカナさんが笑顔でいてくれてとても良かったです。
私は嬉しい気持ちになりました。
何故ならこうしてワカナさんと会話をしているからです。その時でした、いきなりワカナさんが真剣な眼差しになり、掌から炎攻撃をしました。
「どうしました、ワカナさん!」
「あんた、誰よ!?」
「…僕の名はエルク。それにしてもいきなり攻撃はやめて欲しいな」
向こう側に立っていたのは、角を生やした少年らしき人物です。
少年と言うより魔物ですね。
魔物はバリアを張り身を守っているようでした。
「そう言えば父上から聞いたよ。お前、鎧の着物の持ち主なんだってね」
父上って、まさかヴォイズのこと!?
「魔王四天王の僕をも恐れるお前はさっさと殺してしまわねばならない」
「えっ!? 魔王四天王が恐れるって一体どういうこと、ロンナ!?」
ワカナさんが会話に付いていけていないみたいです。そりゃそうです。だって彼女は私の装着している鎧の着物の真の力を知らないのですから。
するとエルクの伸ばしている右手の掌から闇の渦巻きが発生し、凄い勢いで私の仲間達を吸収していきました。
「マリアさん! アンナさん! エリカさん! アリスさん! みんな!」
「あんた! 何てことをするのよ!」
「これは僕の吸収技だからね。ありなんだよ」
このままでは私達も危ない! 私は自身とワカナさんにも光魔法を張ることにしました。
そのおかげでエルクの吸収する闇の渦巻き攻撃に持ちこたえております。
「さすがは鎧の着物のバリア。僕の吸収技も受け付けないなんてね。こういう攻撃も効かないだろうね」
彼の掌から黄色のドラゴン、水色のドラゴン、緑色のドラゴンが放たれました。
そのドラゴン達が私の張っている光魔法に攻撃してきました。
私は光魔法で攻撃を防ぎますが、中々簡単には防げません。それどころか、後退されて押されています。
やっぱり! コイツ…強い! 何とかしないと!
でも鎧の着物を装着している私には覚醒させた真の力があるので、こんな攻撃大丈夫です!
鎧の着物の帯の丸い中心部が反応しているみたいです。
私は覚醒させた真の力を発動させて、放たれた闇のエネルギーを倍にして返しました。
その攻撃がバリアしている奴の右手に直撃し、エルクの掌を粉砕させました。あるのは右手首からです。血がたくさん、ぼとぼと、ぼとぼととこぼれ落ちています。
「ロンナ、あなた、なんて力なの!? あいつの右手を粉砕させるなんて!?」
ワカナさんは私の力に驚いております…しかし鎧の着物の覚醒させた真の力を使ったのに消滅しない!? どういうことかしら!?
「面白いね、お前。この僕と対等に戦おうとするなんて。でもまだ終わってないけどね」
彼の粉砕された肉片が地面に集まり再生をしようとしております。私は光魔法を放ち肉片を消滅させました。
「消滅したか…まぁいい。ここで殺される前にもっと闇のエネルギーを取り込むとするよ。まっ吸収された仲間を返して欲しければ僕を倒して見るんだね」
「まさか、逃げる気ですか!?」
「逃がさないわよ、この卑怯者!?」
ワカナさんがエルクに炎魔法を放ちますが、攻撃が受ける前にワープして逃げられてしまいました。
「クッ!」
ワカナさんが悔しそうな表情をしております。私も心から悔しいです。
「ごめんなさい、ワカナさん。私がいながらこんなことになってしまって」
「落ち込まないで、ロンナ。これからはあなたの力が絶対に必要になるから。きっと」
「ワカナさん…」
「今の戦い見ても分かった。あなたの強さが。これから先、足を引っ張るのはもしかしたら私かも知れない…」
「ワカナさん、何を言ってるのですか? 私はあなたのファンなんですよ! 正義感があって人のために戦って、そんなあなたが大好きです。だから足を引っ張ろうと、なんだろうと私には全然関係ありません!」
「ロンナ…」
「はい!」
「ありがとう、私もあなたが大好きだよ」
私はワカナさんに抱き締められました。正直、温かい気持ちになれました。これからは鎧の着物の力を使いこなして仲間のみんなを助け出すために頑張ります!
読書のお時間いただきましてまことにありがとうございまするm(_ _)m