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謎の館(後編)

ゆっくりマイペースでお話更新致します。よろしくお願いいたしまするm(_ _)m。

「さあ、ロンナ! はっきり言いなさい! 私の部下になりますって!」


 どうしよう…レアに攻撃が通じない。


 今の私が彼女と戦って勝ち目がないのなら大人しく降参した方が良いのかしら? 闇属性に相性の良いと言われている光属性の私の光魔法が効かないなんて信じられなかった。


 もし、私がここで降参をすれば、店主の人やみんなを裏切ることになるかもしれません。


 でも店主の人は認めてくれました。私は鎧の着物の選ばれし者だって。だからその期待に応えないといけません!

やっぱり私は彼女と戦うことにします! こんなところで負けていてはいけません! たとえ、それが死に繋がったとしても私は私らしく戦ったと言う証を残したいから!


「レア、あなたの望み通りにはいかない! 私には、私なりの気持ちがあるから…!」


「どういうことよ、ロンナ!」


「私はあなたの仲間にはならない、私は最後まで戦います!」


「ふーん。じゃあ死ねよ!」


 レアが漆黒の攻撃を何発も何発も放ってきたので、私は光魔法を張りました。しかし攻撃が強力で後ろに下がってしまいます。


「フフフッ。私の部下になるって言わないからよ!」


 き、きつい。どうしたら? 攻撃も出来ない! こ、このままだと本気で負けちゃうんじゃ!? でも私は最後まで諦めたくない…だって私はワカナさんやみんなを救いたいから!


 気持ちを強く出した時、押されていたはずのレアの攻撃がなんとも感じなくなりました。


 あれ、どうしてかしら? もしかして気持ちが勝ったとかないよね?


 するとあることに気がつきました。


 鎧の着物の中心部にある緑色の玉が反応して光ってる? どうして!?


 先ほどよりかは体力的に奪われることはありません。レアの強力な攻撃にも持ちこたえています。


 もしかして…私にはまだ可能性がある!?


 私は忘れていた、まだ鎧の着物には秘められた真の力があるということを…。


 私はまだ鎧の着物の真の力を引き出せていないし、私はまだ全然負けていない! それどころかレアの力にだってはるかに(まさ)っている!


 レアの攻撃が私の張っている光魔法に弾かれていきます。私は後ろに後退することもなくなりました。それどころか、余裕が出て来ました。


「どういうこと、コイツ!? 私の攻撃を持ちこたえている!? 私の攻撃が負けてるはずがない! もっと強い攻撃をしてやる!」


 何発も何発もレアが私に強力な漆黒の攻撃を放ちますが、私の張っている光魔法には全く効いていません。勝負は付きました…これは私の勝ちですね。


「レア、あなたにはっきり言ってあげる」


「何をよ!?」


「確かにあなたは強い。だけどこの勝負、あなたの負けよ。だからもう戦うのはやめましょう」


「ロンナ。何、負け惜しみしているの? 本当に負けてるのはお前の方なんだよ!」


 レアは霧になって消えました。まさか私の目の前に現れるんじゃ!?


「死ねーロンナ!」


 予測通りレアは私の目の前に出現しました。


「レア! 私のところに来たらダメ!」


 彼女は右腕を伸ばして私の鎧の着物の帯の中心部に漆黒の攻撃を放とうとした時、隠されていた鎧の着物の真の力が覚醒しました。


 覚醒した真の力がレアを粉砕し消滅させようとしております。


 お願い、彼女を殺さないで!


「いやああああああああー!」


 彼女がその場から飛んで倒れてしまいました。


「レア! しっかりして!」


 私はレアに駆け寄ります。彼女は足元から消滅しようとしています。


「レア、あなたは死んでしまう…。本当にごめんなさい」


 私は彼女に謝りました。


「ロンナ…」


「レア、どうしたの?」


「…私の人生は人間に対する憎しみしかなかった。幼い頃、両親を亡くした私は義両親に引き取られた。でもね、義父、義母にろくにまともな食事を与えられず、雑草や虫などを食べらされてさらに酷く虐げられた」


「レア…可哀想」


「そんな時、私を誘惑してきたのが魔王四天王のヴォイズ様だった…。私はヴォイズ様からたくさんの闇エネルギーをいただいたの。私を虐げた義父も義母も憎しみで殺してやった…。私は人間が大嫌いだったからヴォイズ様の役に立つことならどんなことでもしてきた。ねえ、ロンナ」


「何?」


「どうしてあなたは仲間なんかのためにそこまで戦えるの? どうして?」


 レアは涙を流して言いました。


「レア、ごめんね。私はあなたの気持ちを分かってあげれない。だけど私の中にあったのは役に立ちたいって気持ちだけ。拾ってくれたパーティーのみんなに感謝して役に立ちたかったから。その気持ちが私を強くして戦わせてくれているの。ただそれだけだよ」


「ロンナって強いんだね…だから鎧の着物の選ばれし者になれたんだね」


「ううん、私を強くしてくれたのは仲間のみんななの。私自身はそれほど強くないよ」


「そっか。ロンナは仲間がいるから幸せなんだね。ごめんなさい、そんな大事な仲間を傷つけてしまって…」


 私はレアを抱き締めました。


「レア、もう良いから! 私があなたのこと全て許してあげる! だからもう気にしないで!」


 私は涙を流してしまいました。


「ロンナ、こんな私を許してくれてありがとう。最後に…あなたに出会えて本当に良かった」


 この言葉を残してレアは消滅していきました。私は涙を流し泣いてしまいました。


 そして私は彼女にあなたの事は一生忘れないと心から誓ったのです。

 最後は温かいお話になりましたね(作者はそう思う)


 読者の皆様、読書のお時間いただきましてまことにありがとうございまするm(_ _)m

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