謎の館(中編)
ゆっくりマイペースで更新していきます。よろしくお願い致しまするm(_ _)m
あの魔物達に聞いて分かった事があります。
この館には超上級クラスの魔物が住んでいること。この館に住んでいる魔物達は人間の血を栄養にして生きていること。
この魔物に血を吸われた人間は闇属性の魔物になってしまい、人間の生き血を吸わないと生きていけなくなってしまうこと。
この館には無数の魔物がいるみたいです。ワカナさん達がこの館にいるということは下手したら魔物の仲間になっている可能性は大!? 彼女達が魔物の仲間になる前に何とか助け出さないと!
私は急いで館の中に入ると、たくさんの魔物達がうじゃうじゃとおりました。彼らは私を見るなりすぐに襲いかかってきました。
私は光魔法を張り、彼らを消滅させます。
「ギャアアアアアアーッ」
魔物達は断末魔の叫びを上げました。
ごめんなさい…元人間さん達。彼らに罪はありません。私が光魔法を張らないと私まで魔物になってしまいます。そうなると、彼女達を助け出せなくなってしまうのであえて彼らを消滅させました。
最初、出てきた魔物だけでも数十体くらいだったでしょうか? 数が多すぎて大変です。
私は光魔法を張りながらこの館に侵入できるので容易いでしょうが、剣士や魔法使い(光属性以外)だとかなり苦戦すると思います。
苦戦するどころか、無数の魔物に血を吸われて魔物の仲間になってしまいますね。
私はワカナさん達が何処にいるのか探します。ドアを開けて部屋の中を探しますが、彼女達の姿が見当たりません。
それどころか、部屋を開ける度に魔物が襲いかかってきます。仕方なく光魔法を張り魔物を消滅させました。
ワカナさん達、一体何処にいるのでしょうか? 私は広い、広い館を彷徨いうろうろしていると、女の子が隠れているのが見えました。女の子は何かに怯えているみたいです。
この子は…魔物? それとも…。私が女の子に近づきました。
「ねえ、どうしたの?」
私が女の子に訪ねました。
「あ…あっ…」
女の子が私に怯えているようです。
「大丈夫だよ、お姉ちゃん。魔物じゃないから」
「ほ、本当?」
「うん、本当だよ。ねえ、こんなところで何をしてるの?」
私は彼女に聞きました。
「あ、あのね、ヴォイズとかいう魔物に拉致されてここに連れてこられて…。ここに住んでいる魔物、人間の血を吸うみたいなの。でも私、運良く見つからない場所に逃げる事が出来て。今までずっとここに隠れてたから」
「そう、可哀想」
私は彼女を抱き締めました。ヴォイズ! こんな可愛い女の子にまで手を出すなんて本当に許さない! この女の子も…そしてワカナさん達もみんな助ける!
「ねえ、あなたお名前は?」
「レア、レアって言うの」
「レアちゃん…私はロンナって言うの。よろしくね」
「うん、お姉ちゃんは本当に魔物じゃないんだね」
「大丈夫だよ、お姉ちゃんは普通の人間だから」
「良かった、じゃあ安心だね」
魔物が襲いかかってきたらこの子を守らなくっちゃ! 私は責任を持ってレアちゃんを守ろうと決意しました。
「ね、ねえロンナお姉ちゃん。この館にいた魔物達をどう倒したの?」
「私? 私はね、この装着している鎧の着物って言う鎧が私を守ってくれるの。この鎧の着物はね、光魔法を出して闇属性の魔物を一瞬にして倒してくれるのよ」
「へー凄いね。じゃあお姉ちゃんは無敵なんだね」
レアちゃんは笑顔で言ってくれました。
「ううん、私自身はそれほどでもないよ。全てはこの鎧の着物のおかげだから」
私自身は少し恥ずかしくなりました。人に誉められるなんて始めてだから。ましてや子供に。
「それにしてもロンナお姉ちゃんはどうしてこの館にきたの?」
「実はね、私の仲間がこの館に連れて行かれたみたいで。それでどの部屋に連れていかれているか探しているの」
「そうなんだ、もしかしたらあの隠し階段かも?」
「隠し…階段」
「うん、私も連れて行かれたから、分かる。確かそこは太陽の日差しが当たらない場所だったよ」
「何処か分かる!?」
「分かるよ。だって逃げてきたから」
「案内して、お願い」
「うん、分かった」
私とレアちゃんは手を繋ぎ歩いて移動しました。光魔法を張りながら。周りには魔物がたくさん出現していたので私の光魔法で消滅させました。
暫く歩いているとレアちゃんは指を指しました。
「ロンナお姉ちゃん、あれだよ!」
レアちゃんが指を指したのは地下に続いている階段でした。なるほど、地下なら太陽の光に浴びることはありませんね。
どうやらあの地下にワカナさん達がいるようです。私とレアちゃんは地下に続く階段を下りることになりました。
真っ暗で見えにくいので光魔法で光を照らしました。念には念を入れてレアちゃんに危害が加わらないように光魔法を広げて張ることにしました。
これで後ろから魔物がきてもレアちゃんは大丈夫。少し階段を下って行くと道が見えてきました。地下に続く階段を下りきると、私達の仲間が倒れていました。
「マリアさん! アンナさん! エリカさん! アリスさん! みんな、大丈夫ですか!?」
すると、何処からか声がしました。
「おやおや、もしかしてお客様ですか?」
「!?」
地下に薄暗い光が付きました。そこにいたのは豪華な椅子に座っている人間風の魔物でした。紳士の服とマントを羽織っています。
意識を失っているワカナさんがこの魔物に血を吸われようとされているみたいです。
「ワカナさん!」
「ほう、君がヴォイズ殿の言う鎧の着物の使い手か? ここにきて邪魔をされるなんてね。このお嬢ちゃんの血をいただこうとしていたのにな…」
「そんなことはさせません、ワカナさんを返しなさい!」
「それは出来ないね」
男が舌を出して唇を舐めています。
「返さないとあなたを始末します!」
「やれる物ならやってみな。僕は今までの敵とは違うからね。僕に負けたら彼女含め、君もジ・エンドだ」
「それくらい分かってます! 私は必ずあなたを倒して、ワカナさんを救います!」
私はワカナさんを助けるために奴と戦うことになりました。
次回は謎の館(後編?)になります。読書のお時間いただきましてまことにありがとうございまするm(_ _)m。