魔神の魂に乗っ取られたロンナ
コイツが魔神!? 確か、この女の話だと魔王が魔神を復活させようとしているってお話だったのに何か変!? まさか! 騙された?
「ねえ、どういうこと!? 何故あなたが魔神を…もしかして騙したの!? 私達を!?」
「騙した? 私はね、嘘話までしてあなた達を油断させて鎧の着物を奪おうとしていたのにあなたが邪魔をしたから最終手段として過去の時間軸から魔神を召喚させた。まさか本当に魔神を呼び出せるとは思いもよらなかったけど」
「残念ね、あなたの思い通りにならなくて」
「勘がいい女、わたしは嫌いだね」
「そう。良かったじゃない。私みたいな邪魔者が出来て」
「ワカナ…あなたがロンナに付き添っていたのが間違いね。私の計画が軽く潰れてしまったわ。こうなったらあなたを倒してロンナから鎧の着物を奪いとるまでよ!」
「そうはさせないわよ。私だって意地があるんだから!」
「フフフッ。ワカナ。どうやって人間を殺戮した伝説の破壊神を倒すつもりかしら?」
「じゃあこうするまでよ!」
私は渦巻きの炎を魔神に向けて飛ばし攻撃をした。しかし魔神に攻撃を消されてしまった。
私の炎攻撃が効かない。やはり魔神は簡単にはいかないみたいね。
「ハハハハハッ。どうだ、ワカナ。お前に魔神を倒すことは出来ない。魔神よ、あの女を殺れ!」
――――――――――――ギャオオオオオーッーーーーーー
魔神が大きな口を開け丸い光弾を放ってきた。その攻撃を躱した私だが、地面に大きな穴が空き破壊された。攻撃が遅い、当たらない!
「そんな攻撃では私には通用しないわよ」
「大昔、たくさんの人間を殺戮した伝説の破壊神の力はこんな物ではないはず! 魔神よ、お前の本気をこの女に見せてやりなさい!」
――――――――――――ギャオオオオオーッーーーーーー
魔神は腕を大きく振り上げ切り裂き攻撃を私にしてきたが、魔神の鈍い切り裂き攻撃は私に全然当たっていない。
魔神の強さは三つ首のあのドラゴン以下かしら? 大昔、人間を殺戮した伝説の破壊神も対したことないわね。炎攻撃さえ通用していたらはっきり言って雑魚なんだけど。
魔神の切り裂き攻撃が地面を破壊していく。私が攻撃をしようと炎攻撃を連続でするが、どうやら効いていない。
恐らく、攻撃力、防御力は抜群に高いのだろう。しかし動きが鈍すぎて問題にならない。
「チッ。何をしている、魔神! お前は伝説の破壊神なんだろう! お前はあんな女一人も倒せないのか!」
―――――――――――ギャオオオオオーッーーーーーーー
魔神が又もや私に光弾を放つ。だが、私には全く命中しない。こうなったら躱すだけ躱して時間を稼ぐしかない。そう思っていると魔神の後ろから強力な光魔法が命中したのです。
あの魔法は、ロンナ!
―――――――――――ギャオオオオオーッーーーーーーー
ズドーン!!
魔神が地面にうつ伏せの状態で倒れると魔神が消滅していこうとしている。
「何だと、魔神が倒された…信じられん! 私の希望が!」
「ワカナさん、大丈夫ですか!?」
「ロンナ! あんた逃げるように言ったのに! どうして…」
「ワカナさんを置いて逃げる訳にはいきませんから。だから私も戦おうと思いまして」
「そう、ありがとう、ロンナ。さあ、そういうことで残ったのはあんただけよ! クレオさん」
「クッ! 魔神も人間も所詮は役立たず。ロンナ! 貴様から鎧の着物は頂く!」
「無駄ですよ。クレオさん」
「何だと?」
「あなたのステータスを確認させていただきました。勿論、鎧の着物の力で。あなたの攻撃方法は魔族を召喚することしか出来ないのですね。しかもあなたは私の光魔法に絶望的に弱い。もしあなたが私の光魔法をくらうと一瞬にして死ぬでしょうね」
「チッ! 全てが失敗だ。ロンナ! 必ずお前から鎧の着物を奪い取ってやるからな!」
対したことなかったわね、クレオも魔神も…。そう思っていると魔神の消滅後に何やら紫色の魂のような物が出現しておりました。
あの魂は…魔神?
あの女の精神を乗っといてやる!
私の耳に突然その声が聞こえてきたのです。
あの声は魔神? あの女って、まさか!?
「ロンナ! 逃げて…!」
私がロンナに伝える前に高速移動をした魔神の魂がロンナの心臓部分に入っていきます。
「ロンナー!」
「あ…あ…ワカナ…さん」
ロンナが地面に倒れてしまうところを私は彼女を抱え込むものの意識が全くない状態。
「ロンナ、ロンナ」
私は何度も彼女を擦りますが、目を覚ますような様子が見えません。ロンナ…私は彼女のことがとても心配です。しかし彼女は目を覚ましました。しかしロンナの目付きは普段の目付きではありません。
私はロンナを地面に置き
「ロンナ、大丈夫?」
と彼女に呼び掛けかけても
「……」
無言です。それに鎧の着物の色が金色から紫色に変わっている。これも一体? 私がそうに見ていると突然ロンナ立ち上がります。
「ロンナ、あなた何ともないの?」
するとロンナがニヤリと不気味な笑みを浮かべたと思ったら右手で私の髪の頂を掴んだのです。
「痛い! 何するの! 止めて、ロンナ!」
「やっと魔神になることが出来た。私をこの時代に召喚させてくれた女。ありがたくお前に感謝する」
次回はまだ未定です。読書のお時間いただきましてまことにありがとうございます。