逃亡
暫くはワカナ目線でいきます。よろしくお願いいたします。
あの人、一体どういうつもりかしら!? 魔王が魔神を復活させようとしていると自らお話しているのに呑気に私達をこんな王宮に招待するなんて…。
私達のことを心配をして戦わせたくないという気持ちがあるのは分かる。だけど何か変かも?
食事の方はロンナが私の分までペロリといただいた。よっぽどお腹が空いていたのね。ロンナはすっかりあの人に警戒心解いちゃって…良いのかしら? これで。
でもやっぱりあの人怪しいよね? もしかして魔王の手先? だとしたらあの人、本当はヴォイズに拐われたのではなく、本当は彼の仲間で私達に接近するために近づいたのだとしたら…。でも何のために?
私が部屋のベッドで寝転がり考え込んでいるとロンナが話込んで来たわ。
「ワカナさん、何考え込んでいるのですか? 私にも教えて下さいよ」
「あっ…ロンナ」
「はい」
「あの人、おかしいなって」
「あの人って、クレオさんのことですか?」
「そう、クレオさんのこと」
「どこが、どうおかしいのですか?」
「あの人、もしかして魔王の仲間なんじゃないかって考えてたの」
「どうしてですか!?」
「何か不自然だなって。私達とあの人の出会い方、魔王が魔神を復活させようとしているというお話をしていたのにも関わらずあの人は呑気に私達を王宮に招待する。ねえ、ロンナ。あの人、もしかしてあんたの装着しているその鎧の着物を狙っているんじゃ…」
「ま、まさか?」
「ロンナ、早くここから逃げましょう。あの人、怪しいから」
「でもそんなこと言ってもいつ、逃げるのですか?」
「そんなの、今からに決まってるじゃない」
「い、いきなりですか?」
「静かに…部屋から声が漏れちゃうでしょ。気付かれないように逃げるわよ」
私は誰もいないか確かめるために窓を開けて見渡す。誰もいない。
「ロンナ、行くわよ」
「は、はい」
私はロンナを連れて1階のある窓から逃亡する。私とロンナは走って走って逃げまくる。暫く彼女と手を繋ぎ逃げていると
「ワカナさん! あの人が!」
私がロンナの声をする方向に向く。すると見えてきたのはこちらに歩いてきているクレオと白馬に乗った騎士達。
不味いわ! 早く隠れないと! 私が隠れそうな場所を瞬時に探す。もう、あそこしかない!
私はギリギリ隠れそうな場所に隠れる。どうか、見つからないで…私は神に願う。彼女達が通り過ぎるのを待つしかない。
私が目を瞑り神に祈る。ロンナも同じ気持ちだと思う。
クレオが騎士達がその場を通り過ぎようとしていく。
何とか…バレないで!
クレオ達が通りすぎて行ってくれた。
私がホッと油断した時、人影が…まさか!
「こんなところで何をしているのかしら?」
クレオに見つかった…早く逃げないと!?
「ロンナ、急いで逃げて!」
「は、はい! ワカナさん!」
「逃がさないわよ、待ちなさい!」
私は逃げているロンナを掴もうとしているクレオに炎攻撃をしてやった。当たってないけど。
「ワカナさん、私に攻撃をするなんてどういうつもり!?」
「何がよ、あなた、魔王の手下なんでしょ?」
「何のことかしら? 私はこの国の妃よ」
「あれ? 私、聞いたわよ。このお城のメイドから…あなたが魔王の手下だって」
そんなの勿論、ウソだけどね。
「チッ。バレたか…仕方がないね。ならばワカナ、お前は殺すしかない、殺れ!」
「クレオ様の指示ならば!」
そう言って大勢の騎士達が私に向かってくる。
「言っとくけどね、私はそこまで弱くはないのよ!」
私の周りに炎の渦巻きが発生する。炎に包まれる騎士達。
「熱い、熱いぞ、うわーっ!」
彼らは炎に包まれ鎧が溶けて、その場で転げ落ち暴れまわる。
「私は炎使い。私の前には誰にも近寄れないわ」
「チッ」
「どうクレオさん。ロンナは守らせて貰うわ。何故ならあの子は私の大事な仲間だから!」
「フン、相変わらず人間は役立たずね。こうなったら最終手段、奴を呼び出すまでよ!」
奴? 奴って一体?
クレオの頭に角が生えてきた。
そして彼女が両手を上に上げると、たくさんの黒い雲が発生する。
何、何が起きるのかしら?
雷が鳴り響くと渦巻きの中から尻尾を生やした大きな怪物が出現するのが見えた。
「成功よ、成功したわ!」
ーーーーーーーギャオオオオオーッーーーーーーー
な、何? この怪物は?
「ワカナ。この怪物こそ、魔神。大昔、たくさんの人間を殺戮した伝説の破壊神よ!」
描写滅茶苦茶下手くそで大変申し訳ありません。もっとたくさん小説を勉強させていただきます。