魔王の悩み
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そう、あれはある日の夜中だった。俺はある少女を殺すことが目的だった。
その少女は鎧の着物の選ばし者…。少女と一緒に寝ていた親を殺しはしたが、必死に逃げていった少女を殺すことが出来なかった。
うまいこと隠れられたのだろう。見付けることが出来なかった。ならば鎧の着物だけでも破壊をしておこうと俺は配下の魔王四天王達と鎧の着物を探すことになった。
だが、鎧の着物の居場所を探すのに少々手こずってしまったせいで、最終的には選ばし者であるあの少女に装着されてしまうというミスを犯してしまったのだ。
ならばどうするか考えているのだが、あの少女に対抗出来る魔族が存在しない。この俺の実力さえも遥かに凌駕しているのだ。
ならば…白旗を上げるか? だが魔王ともあろうこの俺がそんな恥ずかしい真似が出来るか!
待てよ…あることをクレオから聞いたのだが、この世界には大昔、魔神と呼ばれた破壊神が出現したと言われている。
その破壊神の力は誰にも止めることは出来ず、人間共を殺戮していった。
もしかしたら魔神なら、あの少女を倒せれるかも知れない。
詳しくはクレオから聞くしかない、アイツなら魔神のことは知っているはずだ。
俺は緊急会議として魔王四天王を集めた。
「この度は済まない。忙しいところ良く集まってくれた」
「魔王様、どういったご用件でしょうか?」
「お前達は知っているな。あの少女のことだ…あの少女に敵う魔族は存在しない。この俺がまともに勝負しても太刀打ちすら出来ないだろう」
「魔王様、この私が原因です」
ヴォイズがこの俺に頭を下げる。だが、そんなことよりも俺は魔神がどうなのか興味があった。俺は魔神のことが知りたいのだ。
「クレオよ。確かお前は魔神のことに詳しかったな。魔神はあの少女を倒せそうか?」
「魔王様…魔神は今やもう消滅した幻の存在。肉体や魂は存在しておりませんが…もし仮に魔神が存在していたとしてもあの少女を倒すことが出来るかどうか私には分かりません」
「クレオ…確かお前は大昔の魔族を召喚することが出来るな」
――――――――――バンーーーーーーーー
彼女はテーブルを両手で叩き立ち上がった。
「魔王様…まさか魔神を呼び出す気ですか!? 魔神は遥かに召喚コストが高いです! 私にも呼び出すことが出来るかどうか!?」
「仕方がないことだ。全ての魔族が消滅する前に手を打ちたい」
「……」
「クレオ、全ての力を使ってでも大昔にいた魔神を呼び出せ、分かったな」
「魔王様…」
「これにて会議は終わる…」
こうして俺は食事をせずにその場を立ち去ると、自分の部屋のベッドでほんの少しの時間、安堵についた。
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