追放
去年消した物語をまた新しい形で再開致します。最後までお付き合い下さい。よろしくお願いいたします。
私の名前はロンナ。今まさに私は仲間のリーダーであるワカナさんにクビ宣告を受けています。
「私がもう必要ないって言うのはワカナさん、本当のことですか?」
「本当のことよ、ロンナ。もうあなたは居なくて良いから」
「でも私はみんなの役に立ちたいから、本当は一緒に居たい」
「分からない、迷惑だって言っているのが!! じゃああなたが今まで一度たりとも役にたったことある!?」
ワカナさんの目付きが一層険しくなります。
「そう言われてみれば……ないと思う」
「じゃあこの先、魔王四天王の戦闘に役に立つ可能性は!?」
「ないとは言いきれ…」
「ないわね!」とワカナさんに言われてしまいました。
「結局、あんたがこの先いたって邪魔になるだけ、分かってる?」
「そんなことないと思います」
「いい加減にして!! 言っとくけどこれからの敵はあなたが思っている以上の強さなの!! 最初の魔王四天王はね、ヴォイズって言う奴で超強力な闇攻撃をしてくる奴なの! 私達の攻撃だって効くかどうか分からない!? そんな状況であんたのことを庇っている暇なんかないの!?」
「そんな…でも助けてくれた恩は忘れられません。恩返ししたいのです。ワカナさんには」
「助けてくれた…そんなの単なる優しさよ。ほっとけなかっただけ。でもこの先は本当に危ないからあなただけでも戦場から離れなさい」
「でも、でも」
私は涙ながらに訴えますが、
「分かったでしょ。それじゃロンナ、さようなら。行きましょ、みんな」
ワカナさん、そしてみんな一同、私に背を向けると、遠く、遠く離れたところに行ってしまいました。
そんな酷い……私を一人にして行くなんて。でもどうしてもお礼がしたいからみんなの役に立ちたい。特にあの時、私を助けてくれたワカナさんには……。
読書のお時間いただきましてまことにありがとうございまするm(_ _)m